麻薬対策本部「麻薬常習者のための『安全注射センター』、ケルマーン州とフーゼスターン州に設置へ」(3)
2016年07月28日付 Iran 紙

 にもかかわらず、ごくわずかですが、〔国内には〕注射を使う麻薬常習者たちがいまだに存在しており、彼らに麻薬を止めさせることは簡単なことではありません。

 世界の一部の国では、こうした麻薬常習者たちのために、「管理された麻薬使用のための施設」〔※supervised injection site〕あるいは「安全注射センター」〔※safe injection site〕と呼ばれる一連の施設が設置されています。

 これらの施設の設置は、麻薬常習者たちが麻薬を使用したり、麻薬を求めたりする行動を是認するものでは決してなく、麻薬常習者の麻薬を求める行動や注射器を使った麻薬注入行為は本人と周辺の社会に対して、最低限の危険のみを及ぼすものでなければならないというコンセプトによるものなのです。

 それゆえ、ごく例外的に設置されるこうした施設では、〔‥‥〕繰り返し麻薬依存に陥った前歴があり、食事を通じた維持療法も効果がないような人たちが、清潔かつ衛生的に注射できるようにするための環境を用意するものなのです。

 さまざまな国が、安全注射センターを設置しており、それなりの結果も得られています。イランは麻薬中毒のハーム・リダクションの分野では先駆的な国の一つであり、輝かしい実績を残してきたことから、ハーム・リダクション・サービスの最後のピース、すなわち「管理された麻薬使用のための施設」を我が国に設置することについても、議論がなされてきました。〔‥‥〕その結果、注射センターを試験的に設置するために、一部の州が選ばれたわけです。設置作業は近く、始まる予定です。

 一点、指摘しておかねばならないことがあります。安全注射センターの設置をめぐっては、しばしば「果たしてこの計画の実施のために、純度の高い麻薬も麻薬常習者に提供されるのか」といった疑問が提起されてきました。この疑問は、本件をめぐって議論された問題の一つですが、本件をどうするかについて、私どもとしては〔安全注射センターを設置する〕各州に全面的に委ねたいと考えています。〔‥‥〕

Tweet
シェア


この記事の冒頭に戻る
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:CHK )
( 記事ID:41254 )