ムーディーズのトルコ評価格下げで、市場混乱
2016年09月28日付 Cumhuriyet 紙

ムーディーズのトルコの評価格下げの後、週の始まりとともに市場は混乱した。株式市場における損失は一日に4%に達した。銀行の対外借入コストが25ベースポイント上昇する一方で、利息は2桁に達した。午前中に3トルコリラ(TL)を上回ったドルは、その日に終わりには、2.970TLになった。

トルコが、格付けを一段階引き下げられたことの本当の影響は、昨日(27日)市場が開かれると明らかとなった。週の最初にレートと金利が急激に上昇し、株式市場は落ち込んだ。

信用格付企業、ムーディーズが金曜の夜に発表した決定でもって、トルコの組織投資家たちが考慮する「2つの格付機関からの投資適格級」という条件を失った。

決定の影響で10年債券の金利は、金曜の夜に約50ベースポイント上昇し、10.01に達した。銀行の対外借入コスト25ベースポイント上昇した。ムーディーズの発表前には2.9550周辺で取引されていたドル/TLは、週の最後には、市場で3.0040リラに変動したのち昨日2.9874TLから扱われた。自由市場でドルは2.9790TLで終結した。

7月18日以来最も急激な、一日に4.52%もの下落で一日が始まり、株式市場では、日中、下落が4%となった。イスタンブル株式市場は3.80下がり、7万6千726ポイントで終結した。銀行指数は5.54%、産業指数は3.15%減少した。

金曜の最後の取引で、9.51%水準であった10年債券複合金利は9.91%で終結した。金曜は3.31周辺で変動していたバスケット取引では(1ドル)3.17TLを超える一方で、3.31TLをわずかに下回っていたEUR/TLは3.35TLでもってその日を終えた。トルコのリスクプレミアムを示すCDSはというと、30ベースポイント上昇し、276ポイントに達した。国庫入札金利も高い水準で終わった。

専門家によると、連邦準備制度(Fed)の決定の支援でもって投資家たちが発展途上国の市場に関心を示し続けていることは、市場の安定性を得るための助けになるという。ロイター通信は、昨日5千万ドル相当の外国為替が売られたと報じた。

■政治的な影響

外国のアナリストは政府側からの発表の重要性に注目している。格下げが“政治的”であるという表現は、国際的な経済市場によってネガティブに受け止められる可能性がある。格付けを回復させるために、メフメト・シムシェキ副首相が述べたように、改革を重視することが必須である。イーイトト・ブルット共和国首席顧問は、その前の日のコラムで、ムーディーズにとって、“フェトフッラー系テロ組織(FETÖ)は身なりのきちんとしたやっかい者”という表現を使った。政府報道官のヌマン・クルトゥルムシュ氏も他の政府代表者らのようにムーディーズの決定を政治的と解釈した。

■アメリカに注目

専門家の中には、信用格下げの決定が、先週のFed会議のあとに投資家が発展途上市場に再び関心をしめした期間に一致することを理由に、売り注文が限定的になりうることに注目する者もいる。Fed会議では、アメリカで金利が予測よりずっとゆっくり上昇することを示した。 

フィナンシャルタイムズ紙は、「投資家達は、トルコが厳しい時期を過ぎたことに気が付いている。同時に消費者は市場の成長を見ており、またこの市場の魅力を守っている」と書いた。モーガン・スタンレイの報告でも、「トルコが、力強く拡張し予算の統制を行い、また同じぐらい重要である組織的安定性をさらに図っていけば、格下げの影響は短期的なものになるだろう」と書いた。

■レートは3.05TLに上がりうる

ジュムフリイェト紙にコメントした資本FX調査専門家であるエンベル・エルカン氏は、中央銀行が金利を引き下げたポイントである8.25が、TLが反発を示すには十分ではなかったことを強調し、「しかし、ムーディーズの発表でも述べられている成長の話題が主要な焦点をそらせたため、成長を加速させるために現在の政策を継続させていくだろう。上昇するCDSとほかのリスクの指数による短期的な外部金融における悪影響を理由に、我々は年末に関して予想している3.05水準に、より早く到達すると考えている。年内には不安定性に基づく現在の水準より上昇する可能性がある。ドル/TLは3.05ほどで、均衡をとれるだろう」と述べた。

エルカン氏は、銀行の対外コストが上昇したために銀行の株式の低下が急激になったと述べ、「株式市場が6万に到達し、また利率が11%に到達することは、国外からの予期せぬグローバルな打撃(おそらくアメリカの経済が源で)と国内で生じた予期せぬ問題によってのみ起こりうるだろう」と話した。

■格付けを回復するには6年かかる

統計によると、再び投資適格級になるには平均で6年かかる。しかし、韓国のように1年で投資適格級の格付けを取り戻す国もある。

トルコの格下げとともに、投資適格級に格付けされていない国にはロシア、クロアチア、ブラジル、ハンガリーがいる。ブラジルも、政治的不透明性に加えてインフレがトルコのように目標から遠い一方、国の経済がここのところ縮小している。ロシア、ハンガリー、クロアチアも状況は変わらない。

■成長が落ちた

ムーディーズが2013年5月16日のトルコの格付けを投資適格級に引き上げたとき、その理由として、経済と公共の財政において、そして構造的かつ組織的改革における進歩を示した。格下げの決定が「政治的」であるという解釈は、当時のトルコの債務が国民総生産に対し36%の割合であったのに、2016年5月には、32.3%まで落ちていることに注目している。しかし、ムーディーズはトルコの格付けにおける停滞という見解をすでに公共財政における安定に結び付けている。トルコは2016年の2期目で、3.1%成長した一方、2013年の2期目では、成長率は4.4%であった。

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( 翻訳者:西田夏子 )
( 記事ID:41321 )