観光業打撃深刻ーグランドバザール600店舗店じまい
2016年10月07日付 Hurriyet 紙


世界中で最も古いショッピングセンターの一つとして知られる、イスタンブルのカパルチャルシュ(グランドバザール)の各店舗が、観光業での打撃を受けて徐々にシャッターを下ろしている。賑わいを見せていた時期には一日当たり50万人もの人々が訪れていたカパルチャルシュだが、今日では、商店はもはや店を開くことすらできないこともある。総店舗数3,600のうち600近くの店舗が閉店し、さらに今月末にはこの数字が1,000、年末には1,500となると見込まれている。

観光業におけるダメージが、トルコのショッピングセンターにも打撃を及ぼし続けている。まずイスタンブル・ベイオウ-7ルのイスティックラル通り、そしてショッピングセンター(AVM)と続く。観光業での深刻な被害が、カパルチャルシュにも影響を及ぼしており、現時点で600の店舗が閉店した。
また今でも、歴史あるカパルチャルシュの店舗が徐々に店じまいをしている状況だ。忙しい時期には一日当たり50万人もの人々が訪れていたカパルチャルシュだが、今では商人が商売をすることなく店を閉めている。ハン内にある店舗と合わせて3,600の商店があるカパルチャルシュで、600店舗近くが閉店したと話すカパルチャルシュ商店主協会のハサン・フラト代表は、「この数字は10月末には1,000に上るだろう。しかし多くの場合、賃貸契約は今年いっぱいまでだ。もし賃貸料が下がらなければ、今年の末には閉店した店の数が1,500ほどになるだろう」と述べた。

■クルーズ船減少

今年に入ってから8月までの8か月間でトルコを訪れた観光客数が30%減少したと述べたハサン・フラト氏はまた、「私たちを本当に苦しめたのは、会議観光客とクルーズ船の減少だった」と話し、以下のように続けた。「クルーズ船でイスタンブルにやってくる多くの観光客にとって、カパルチャルシュは見逃すことのできない場所だった。しかしこのクルーズ船の数が、今年は減ってしまった。また会議観光においても、多くがキャンセルとなった。こういったことで、商人たちが苦しむこととなった。商人たちが『近いうちに(この状況は)過ぎ去るだろう』と考えていたところに、7月15日のクーデター未遂事件が起こったのだ。」

■宝石商と鞄屋

カパルチャルシュを訪れる人々の中で重要な部分を構成していたのが外国人であったと話すハサン・フラト氏は、「土産物、鞄、革製品を扱う商店と宝石屋が最も多く閉店した。土産物を買う人々の90%は観光客だったが、彼らが来なくなればこれらの店は何もできなくなってしまった。カパルチャルシュには1,000ほどの宝石商があったが、今この数は600ほどだ。多くの店の賃貸契約は今年の末までだ。(カパルチャルシュから)出ていきたくとも、店のオーナーは賃貸料を要求してくる。それゆえ、まだ店を閉店することもできないが、しかし契約を更新することもできないのだ」と述べた。

■世界で最も古い市場

カパルチャルシュ運営委員会のアフメト・キョクレル委員長は、次のように述べた。「カパルチャルシュは、イスタンブルを訪れた観光客が必ず立ち寄る、世界で最も古い市場の名を冠する場だ。トルコで起こった数々の痛ましい事件の結果、最も影響を受けた分野のトップに観光業がきている。カパルチャルシュで働く人々は、今のこの困難な日々を乗り越えるべく、苦しい、店を開くことのできない日々を送っている。最も賑わっていた通りでも、シャッターが下り始めている。トルコがこの厳しい日々を乗り越えること、また観光業が再び盛り上がることで、カパルチャルシュもまたかつての動きと賑わいに戻っていくだろう。」

■従業員数1万人減少

数年前までは、カパルチャルシュに店を開くことを望む投資家は敷金・礼金を支払う必要があったと述べたハサン・フラト氏はまた、次のように続けた。「敷金・礼金は10万ドルほどだった。しかし今日では、閉店した店の代わりとなる新たなテナントすらもいない。何か月もの間空っぽの店がある。税金を支払うことのできないテナントがある。(ここでは)2万5千人が働いている。この数字は、忙しい時には3万5千ほどにまで上っていたが、しかし今では、従業員の週給すらも支払えないのだ。」

■賃貸料の値下げが必要

カパルチャルシュにおいて60年間にわたって商売をしていると語ったパシャ土産物店のオーナーを務めるファズル・カチャル氏は、以下のように述べた。「今日まで、このような状態を見たことはなかった。カパルチャルシュ内に、商人と従業員しかいないのだ。かつて人々は、(カパルチャルシュの)中に入るために入り口で列をなしていたものだった。店のオーナーたちは、賃貸料を値下げすべきだろう。私たちはいま、従業員たちの給料を支払うことにすら苦労している。多くのショッピングセンターは、各店舗に賃貸料の値下げを実施している。カパルチャルシュでも、これを実行する必要があるだろう。」

■『再建プロジェクト』の実現

カパルチャルシュ運営委員会委員長のアフメト・キョクレル氏は、(実行委員会が)何年もの間尽力しており、またカパルチャルシュ修復計画とともに実現させることを望んでいる『カパルチャルシュ再建プロジェクト』について、次のように述べた。「我々はカパルチャルシュ運営委員として、商業の発展、刻一刻と変化する買い物文化に対する競合の増加、またこういった分野における文化とPR活動の普及のために、必要な活動を続けている。カパルチャルシュは、そもそも世界ブランドなのである。我々の目的は、この世界ブランドを世界のトップにすること、そしてカパルチャルシュが、トルコ全土において見本となるような文化、商業、歴史、観光の中心となることを保証することだ。」


3,600…カパルチャルシュ内の店舗数
25,000…カパルチャルシュ内で働く人の数
9,200万…1年間でカパルチャルシュを訪れる人の数
50万…繁忙期中の1日にカパルチャルシュを訪れる人の数
110.868㎡…カパルチャルシュの面積
45,000㎡…カパルチャルシュ内で閉店した店舗の面積
1,461…メフメト2世がカパルチャルシュの建設を開始した年
3,500$…1㎡当たりにつき最も賃貸料が高い場所の値段

●年別 クルーズ船数とクルーズ船でイスタンブルを訪れた観光客数
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2012年 382隻 46,920名
2013年 381隻 78,505名
2014年 317隻 74,941名
2015年 345隻 100,734名
2016年 45隻  38,636名
※2016年は1~9月の数値

●1~8月の間でイスタンブルを訪れた観光客数は25.4%減少

月   2016年  2015年
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1月 693,467人 692,401人
2月 675,250人 733,024人
3月 784,599人 945,753人
4月 716,278人 1,038,778人
5月 870,905人 1,184124人
6月 707,949人 1,092,608人
7月 925,506人 1,401,856人
8月 909,914人 1,335,335人
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合計 6,283,868人 8,423,879人

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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:41377 )