トルコ・イスラエル、マーヴィ・マルマラ号事件以来、初の閣僚会合
2016年10月14日付 Hurriyet紙


マーヴィ・マルマラ号事件から6年が経過して以来、初めてイスラエルの閣僚がトルコを訪問した。イスタンブルでエネルギー省のベラト・アルバイラク大臣と会談したイスラエル・エネルギー省のステイニツ大臣は、「ここにいられることを大変嬉しく思います。私も、両国の関係正常化を強く支持する一人です」と述べ、イスラエルからトルコへのパイプライン建設計画に向け、対話プロセスが開始されることを伝えた。

イスラエルとトルコの関係正常化プロセスにおいて、昨日は重要な一日となった。イスラエル・エネルギー省のユヴァル・ステイニツ大臣が、エネルギー会議に参加するためにイスタンブルを訪れた。イスラエルからトルコへの閣僚レベルの訪問は実に6年ぶりだ。会議では、エネルギー天然資源省のベラト・アルバイラク大臣とステイニツ大臣が顔を合わせ、イスラエルからトルコに向けた天然ガスの輸出と、トルコからのパレスチナ人への電気供給が話題に上った。ステイニツ大臣はアルバイラク大臣との会談後の記者会見で、「トルコのエネルギー大臣と良い会談ができました。会談の内容の一つは二国間の間での、天然ガスのパイプライン建設可能性についてです。他国という選択肢はあるものの、我々にとってトルコという選択がとても重要です。両国のエネルギー省間で話し合いを設け、計画の実現可能性について調査を行うことを決めました」と述べ、「この会談は、両国民の利益となるでしょう。これがパイプライン建設プロセスのスタートとなることを願っています。両国の関係にとって重要な時です」という言葉で会見を締めくくった。
ステイニツ大臣は、イスラエルからトルコに向けての天然ガスパイプライン建設について議論されたこと、またこのラインを通って天然ガスがヨーロッパにまで送られる見込みがあることを語った。さらに、イスラエルがヨルダンとエジプトにも天然ガスを輸出することを考えていると説明し、次のように述べた。
「トルコという選択肢は(我々にとって)非常に重要です。そのため、本件について両国政府間での議論をすることに決めたのです。その議論をもって、(トルコという)選択肢が可能であるのか、また実現可能性について検討していきます。我々はトルコ企業がイスラエルに進出していることを嬉しく思っています。今回の会談は、国交正常化プロセスにおいて、経済的な結果も現れ始めた両国間関係において、非常に重要なものとなりましたし、今後も続いてゆくでしょう。」

両大臣は、第23回世界エネルギー会議の一環として大西洋評議会が開催した『東地中海の新たな景色』というセッションに参加した。報道陣には非公開とされたこのセッションには、駐トルコアメリカ大使のジョン・バス氏のほか、イスラエルの資源ガスプロジェクトに関係しているトゥルカス(Turcas)、ゾルル(Zorlu)といった企業の経営陣らも参加した。

■パレスチナ人への電気供給も議題に

ステイニツ大臣は、パレスチナ人に対する電気供給といった人道的なトピックについても議論されたと強調し、「今回、ガザ地区に暮らすパレスチナ人への電気供給といった人道的テーマについても議論しました。イスラエル政府は、ガザ地区に暮らす人々の生活条件を改善するあらゆる手立てを歓迎します。もし、トルコ政府やトルコ企業が、ガザの人々の生活をより良いものにするため貢献したいというのであれば、それを実現すべく、できる限りのことはするつもりです」と述べた。

■最初の公式会合

会談後にエネルギー省により行われた文書による発表によれば、今回の会談は、国交正常化に向けて両国の関係が動き出して以降、初の閣僚レベルでの公式会合であった。関係正常化について、大臣らが喜ばしく思っているとして、要約すると以下のように伝えられた。
「両国大臣は、双方の国民に益する両国の関係が具体的なものとなったことについて声明を発表した。大臣らは、エネルギー部門の可能性をはじめ、経済的な協働を中心に据えることの重要性を強調。イスラエルからトルコに向けた天然ガスの輸出に関して詳細に議論し、本件について協議を進めることを決定した。両国大臣は、東地中海の平和と繁栄の構築におけるエネルギー部門の役割を強調し、彼らの見解を説明した。またガザ地区とジェニン地区で建設予定の電力発電所についても触れる形で、パレスチナ人に対する電力供給における様々な方法を話し合った。」

■厳重態勢

ステイニツ大臣の記者会見の前には、厳重な警戒態勢が敷かれた。会見が行われる部屋でカメラとパソコンを用意して待機していた記者らは、部屋から外に出されてほかの場所に連れていかれた。その際にイスラエル側のボディーガードらが部屋をチェックし、その後大臣が入室した。記者らは、大臣が室内に入ってから再び入室が許された。

■東地中海のガスはなぜ重要か?

近年、東地中海においてイスラエルが次々と発見している天然ガスの発掘海域には、エネルギー会社や、周辺国など、大きな力をもつ者の注目が集まっている。ヨーロッパでのガスの供給について、その資源の多様性を獲得するという戦略上重要な拠点となっているイスラエルのガスは、同様の形でトルコの資源の多様性獲得という観点から選択肢のひとつとなりうる。イスラエルがタマルやレヴィアサンといった広大な資源海域を発見ししてから、南キプロス・ギリシア共和国の排他的経済水域で発見されたアフロディト海域と、エジプトの海域内にあるゾフル海域は、この地域のガス資源のポテンシャルが想像を遥かに上回っていることを示した。東地中海においてすでに発見されている資源海域の大きさは、イスラエルが9,500億㎥、エジプトが8,500億㎥、そして南キプロスが1,500億㎥である。これらに加え、レバノンとトルコの海域にあり、まだ発掘作業の行われていない海域をも考慮すると、東地中海における天然ガスは、5兆㎥ほどになりうると考えられている。
この地域で産出された天然ガスが売られる地域の中でも最も大きなガス市場であり、またガスのパイプラインによりヨーロッパへの輸送という点においても最も経済的に優れた地理に位置するトルコは、東地中海におけるガスの商業化において最も重要な候補国である。イスラエルのガスのトルコへの輸送については、取り組みが加速している。トルコ、ロシア、イラン、そしてアゼルバイジャンからパイプラインを通って得ているガスに、新たな源泉をさらに付け加えることで、エネルギーの源泉を多様化するという目標にまた一歩近づくことができるだろう。しかしながら、今回の計画が実現するかどうかについては、まだ確定したわけではない。

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(翻訳者:木全朋恵)
(記事ID:41422)