EU外相会議「トルコ加盟交渉、継続が必要」
2016年11月14日付 Hurriyet 紙


欧州連合(EU)外相らはトルコについて議論し、オーストリアを除く全加盟国はトルコとの加盟交渉を継続する必要があると主張し、「我々がトルコに影響力を行使するにはこの方法しかない」と判断していることが明らかになった。

EU加盟国外相らが招集された外務理事会でトルコ問題が扱われた。非公式の会議では、加盟国がトルコとの加盟交渉の今後について見解を共有した。

EUの共同防衛、シリア・イラク・イエメン・リビアの問題も理事会で扱われ、その後EU外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニ氏は、トルコに関してEUは統一的な姿勢をとるということで一致したと述べた。

EU関係者は、トルコの展開に関して懸念を抱いているが、トルコ側関係者と野党と対話を続けていると話し、「お互いにコミュニケーションをとるためには、私も含め、連絡のチャンネルを開けておくことがとても重要だ。このことはいつも相互理解を要するというわけではない」と述べた。

■オーストリアは孤立

入手した情報によると、外相会議においてオーストリア外相セバスチャン・クルツ氏だけが加盟交渉の継続は不要だと主張している。ベルギーおよびルクセンブルグはトルコを批判しても交渉の中断に賛同する見解は表さなかった。

EUで最も影響力のある国であるドイツ、フランス及び、EU離脱を決めたイギリスは、加盟交渉の継続が必要だと主張した。これらの国は、交渉中断が利益よりも損失をもたらすと述べた。

■交渉は唯一の方法

ドイツは「加盟交渉の速度を維持することは、トルコに影響力を行使する唯一の方法だ」と判断する一方、フランスは「加盟交渉を中断してトルコとの関係を悪化させる時ではない」旨の見解を示した。

イギリスは「トルコを孤立させることも隅に追いやることもするべきではない。加盟交渉の継続およびトルコとEUの関係維持は我々の利益につながる」と述べた。

スペインは、トルコの状況が杞憂を生んでいるが、加盟交渉の継続は必要だとした。イタリアは、死刑制[復活]に関してEUは黙っていられないだろうが、加盟交渉は対話の続行という点から重要であると述べた。

■「EUの安全保障はトルコの安定にかかっている」

ハンガリーは、EUの安全保障はトルコの安定にかかっていると強調し、「もし我々が交渉を中断すれば、トルコとの対話も中断し、移民送還協定も危険に追いやってしまう」との見解を述べた。

ブルガリアは加盟交渉の継続を求める一方、チェコは世論の前でトルコに厳しい言動を浴びせるべきでないと主張した。

■「交渉の中断は我々の利益にならない」

エストニアは、トルコが難民協定に加えてテロとの闘いのパートナーであるとし、交渉の中断はEUの利益にならないと述べた。ギリシャは、加盟交渉はトルコに影響力を行使するために必要だと指摘した。

スウェーデンは、人民の民主主義党(HDP)党員らの逮捕を自ら批判しても、EUがトルコと連携していくべきだと主張した。ポルトガルは、EUは進捗報告を超えるべきではなく、交渉はEUの利益につながると発表した。

■「死刑は唯一のレッドラインでなければならない」

EU外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニ氏は「EUの唯一のレッドラインは、死刑が棄却されることでなければならない」と述べた。

非公式に開かれた会議では、最終的な決定は期待されていなかった。EU-トルコ関係の今後に関する具体的な決定は、12月に開かれるEU外務理事会で結論付けられる見通しだ。現状では、加盟交渉が中断されるとは予想されない。

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:41602 )