AKPからMHPへ、大統領制提案
2016年11月16日付 Cumhuriyet 紙

MHPに提示された、憲法改正アウトラインの詳細が明らかになった。MHPに持ち込まれた案件は、「政府の権限が定められている」14の項目から成り立っている。その提案では、システムとして「大統領制」が薦められる一方、「大統領(başkan)」という表記は、「トルコにおける政治的状況との調和のため」、「大統領(cumhurbaşkanı)」に変更され、また内閣を大統領が組閣する。提案によれば、大統領の監督は、調査委員会が設置されることでなされる。トルコ大国民議会において、大統領に調査をするために367票、弾劾裁判へ送るために413票必要になるだろう。

AKPは、大統領制を想定し、憲法改正案をMHPに送った。MHPに送られた案は、「政府の権限を定める」14項目から成り立っている。14項目では、システムとして「全権大統領」が提案されている一方、「大統領」という表現を「トルコにおける政的状況との調和のため」、「公的な‐大統領」という表現に置き換えている。持ち込まれた法案では内閣を大統領が組閣する。法案は2019年に発効されることを想定されている一方、2019年までの期間も大統領の職務や権限を増加させるとしている。AKPは、制度改正が2019年8月に施行される選挙において適用されること、それでいて暫定条項でもってレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領がその年までに党との関係を再び確保し、大臣の任命、内閣議を主導することを望んでいる。

AKPはこのように、2019年までの2年半の期間で、5+5の制度によってエルドアン大統領が2029年までの間大統領として職務を行うことを計画している。暫定条項に関する内容はMHPと行われる会議で明確化される。

■議員数が増やされる

AKPは、2党間で構成される委員会では、「大統領」の名をもって持ち込まれる「大統領」制に関する条項の外のいくつかの改正も議題に上ることが期待されている。この中において国会議員の数が550人から600人に引き上げられ、補欠議員制度の施行も含まれている。

AKPの提案のためAKPとMHP間で委員会が設立された。委員会でAKPのための職務をアブデュルハミト・ギュル氏が、MHPについてはメフメト・パルシャク氏が行う。MHPの「感情」も詳細に取り上げられるこの取り組みののち、法案に対して示された異議は委員会にも提出される。この点で、MHPは特に、「全権力をもって装備された大統領制に反対する」と言われている。

■弾劾裁判はほぼ不可能

「大統領と大統領を混ぜた」と特徴づけられている制度において、大臣らは外部から選出されることとなる。大統領には2人の副大統領がつくことになる。大統領は、憲法裁判所とHSYKメンバーの半数を任命する権限を持つことになる。大統領に調査を行うには、国会で367票が必要となる。

ヒュリイェット紙の情報によれば、AKPは、週末に修正を加えた小憲法法案をMHPに届けた。MHPに送られた法案は、暫定条項と合わせて29条になると伝えられた。AKPの知られている提案の「フォーマットにされた」形に似ている法案おいて、2期の大統領選挙制度と2019年の選挙が想定されていた。MHP党首デブレト・バフチェリ氏に届けられ、彼によっても行われる提案の改良のため、アフヨン県選出国会議員メフメト・パルサク氏に送られた「大統領制法案」は大きなサプライズを含んでいなかった。法案の主要な部分は以下のようである。

■5年間で2回

法案は、唯一国会と政治機構に関してつくられた。2期の大統領選挙が想定されている。大統領は5年間ごとに2回選ばれうることになる。大統領のため国会で代表する政党のは候補を示すことができる。国会外で一定の票を獲得した政党と国民の一定の署名率によって候補者を擁立することも、代案として法案では記載されている。AKPの自身の草案において外部から候補者を擁立することは代案ではなく、明確に規定されていた。

■副大統領の数、2人へ引き上げ

AKPからMHPへ提出された法案で、もともとの提案と異なるもう一つの点は大統領に2人の副大統領がつくことである。今までの大統領制提案では1人の副大統領が想定されていた一方、この案では2人の副大統領が代案として提案されている。

■法令の効力は同じ

草案によれば、大臣たちは外部から選出されることになる。AKPの草案において、大臣に任命される国会議員は辞職しなければならない。大統領が行政分野に入る件についても法令が出される可能性がある。基本的人権および自由に関して整備された法令は出されることはない。過去の規定に関しての変更が国民投票で認められれば、それ以降2019年まで選挙は行われないことになる。しかし現職大統領は、その変更により自身に与えられた「限られた」権限を使うことになる。

■学長も任命することになる

大統領は、HYSKと憲法裁判所メンバーの半数を任命することになる。ほかのメンバーは国会によって選出されることになる。大学学長は再び大統領によって選ばれることになる。

■最高裁へ送るため413票

大統領の監督は調査委員会を設置することによって行われる。トルコ大国民議会で大統領に調査を行うため、367票、弾劾裁判へ送るため413票必要になる。AKPの監督に関する条項は、MHPからの提案に依った割合と調査委員会設立の点から変更されうる。

■死刑制度

AKPがMHPに届けた法案において死刑制度については見受けられない。死刑制度は単独条項の別の法案としてMHPに提出されることが示された。

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( 翻訳者:田中浩太郎  )
( 記事ID:41610 )