ドル、ユーロ、さらに対リラ高値に
2016年12月02日付 Cumhuriyet 紙


エルドアン大統領の「金(ゴールド)に投資しなさい」という発言の後、ドルの対リラ相場は1ドル=3.59リラを超えて、過去最高値の1ドル=3.5935リラを記録した。ユーロは1ユーロ=3.80リラとなった。

世界的な経済発展の一方で、トルコではまたも国民投票が取り沙汰されたことで緊張が高まり、昨日対リラ値で過去最高値を記録したユーロが、週の最終日に過去最高値を更新し、ドルも過去最高値に近い始値を記録した。

非常事態宣言(OHAL)と法の不明瞭性に加えて、ビナリ・ユルドゥルム首相が昨日、憲法改正についてMHP(民族主義者行動党)との合意を得たと声明を出すと、ユーロの対リラ値は過去最高値の1ユーロ=3.7180リラに達し、翌日にも1ユーロ=3.7402リラとなり過去最高値を更新した。

ユルドゥルム首相の声明後、市場では近々国民投票への道が開くのではないかという懸念が高まり、ドルの対リラ値は1ドル=3.5057リラとなって過去最高記録を更新したが、翌日も1ドル=3.49~3.50リラの間の初値を記録した。

■エルドアン大統領の演説後、過去最高値

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、アンカラで行われた自動車産業センターの開所式で演説し、人々に対して外貨を両替し、金とリラを買うように述べた。
大統領の演説の後、ドルの対リラ値は1ドル=3.52リラを超え、過去最高値を更新した。

■1日の中盤に新記録

トルコリラの対ドル・ユーロ値下落はとどまることを知らない。昼にドルの対リラ値は1ドル=3.59リラまで上昇し、過去最高記録の1ドル=3.5935リラとなった。ユーロについても1ユーロ=3.80リラを記録した。

■トルコリラの価値下落を憂慮している

TÜSİAD(トルコ実業家協会)高等顧問委員会のトゥンジャイ・オズィルハン議長は会議の場で、トルコリラの下落について強調した。オズィルハン議長は「トルコリラの価値の下落が続けば、インフレーションを引き起こすのは避けられない。リスクが大きいため、今から対策を講じる必要がある」と述べた。

■「最も価値を下げた国であると考えるべき」

TÜSİAD執行部のトップ、ジャンセン・バシャラン・スィメス氏も会議で発言し、「トルコは通貨の価値を最も下げた国のうちの1つであると我々は考えるべきだ…即座に成長策を講じる必要がある」と述べた。

■石油も高騰中

アメリカ中央銀行(=FED:連邦準備制度)が作成した一般の経済状態を評価するベージュ・ブックでは、「(米国の)経済状態の見通しは概ねよいものだ」ということが記されている。これに対して、インフレーションにおいて賃金はFedが望んだほどには上昇しないだろうと強調された。

昨日ウィーンでOPEC会議が行われ、ロシアとも合意を得つつ、2008年以降初めて石油生産を減らす方針が決議された。世界全体の1日あたりの石油生産量3360万バレルに対し、OPECの生産量はその3分の1を占めており、新しい合意の枠内で、2017年1月以降は、1日あたり120万バレルほど減産する。

OPEC会議の前には45ドルほどで、トルコの石油価格の基準でもあるブレント原油のバレル値は10%以上伸び、50ドルを超えて51.75ドルにまで高騰した。国際市場アナリストによると、バレル値は間もなく55ドルにまで達する見込みだ。

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( 翻訳者:神谷亮平  )
( 記事ID:41690 )