大統領制への憲法改正案、憲法委員会を通過、次は本会議
2016年12月31日付 Hurriyet紙


大統領制に向けて『国家元首の資格』で新たな権限を与え、また国家を再構築する憲法改正案が、その最初の審議の場となるトルコ大国民議会(TBMM)憲法委員会を通過した。9日間に及び100時間を費やした審議では、計1,437ページに及ぶ審議録が作成された。委員会に提出された21条項は、18条項に訂正された。国会で2度にわたって行われる予定の審議ののち、2度目の審議で330票以上を獲得すれば、憲法改正案が国民投票にかけられることとなる。

TBMM憲法委員会で12月20日に始まった憲法改正案に関する審議会は、9日間の審議を経て昨日(12月30日)朝7時に終了した。委員長を務めたムスタファ・シェントプ氏は、国会議員らに対し500回にわたって発言したことを明らかにした。100時間に及ぶ審議では、全1,437ページに及ぶ審議録が作成された。改正案の基本条項に関する審議が5日間に及び、残りの4日間では各条項についての審議が行われた。公正発展党(AKP)は、発言を求める国会議員らを、毎回の投票の段階において、議論は十分に行われたとして制限した。委員会代表部は、通常委員会での審議を速めるため、反対意見表明書のため、月曜日(1月1日)午後4時まで各政党に猶予期間を与えた。

■2019年11月にダブル選挙

国会本会議で2度にわたって行われる審議ののち、2度目の審議で330以上の得票数を獲得した場合、憲法改正案は国民投票にかけられる。AKPは委員会報告書が作成されたのちに、改正案をすぐに本会議の議題として取り上げることを計画している。改正案が通れば、5年を任期とした大統領と国会議員選出の2つの選挙が2019年11月3日に行われることになる。

エルドアン大統領は、国民投票の発表に伴いAKPと再び公式につながりをもつことができるようになる。改正案は、遅くとも6か月以内にTBMMの必要な法律と国会規則の改正を予定している。2019年11月以前に国会が早期選挙の決定を行えば、その際大統領選挙も行われ、これらの選挙では現憲法にある『選挙に関する法で行われる改正は一年以内には適用されない』という規則[運用]は延期される。

■副大統領には不逮捕特権

大統領は、望む数の副大統領と大臣らとで内閣を構成することができる。この件に関して改正案には記載されていない『資質』については、『国会議員として選ばれるのに十分な資質(を持つ)』という条件が改正案に付け加えられた。国会議員と同様に不逮捕特権を持つことになる大統領やその副大統領らについても、国会で議員と同様に宣誓する。大統領候補となるために求められるとされた『出生時点でトルコ国民であること』という条件における『出生時点で』 という表現は取り除かれた。

■改正案における改正点

改正案の作成の際に、委員らの間で忘れられていた『調査』権限が付け加えられた。大統領が最初の投票で選ばれなかった際に、国会も再選挙を行う必要があると定めた法が改正された。また国際条約について大統領に与えられた『署名と公布』権は、『承認と公布』と書き換えられた。国際法については国会での審議が続けられる。

■30日で新たなHSK設立

現行の裁判官検察官高等委員会(HSYK)メンバーの任務は終了し、30日以内に新たに裁判官検察官委員会(HSK)が設立される。HSKは13人から成り、一人は法務大臣、また一人は法務省の事務次官となる。残りの11人のうち4人は大統領により任命される。また7人は国会で選出される。3段階にわたる選挙では、第1回目では400、第2回目では360名以上の参加が求められる。

■委員会最終日に喧嘩

委員会の最終日夜は、再び喧嘩の舞台となった。HSKの仕組みを変える提案が読まれ、意見が出される前に投票にかけられると、共和人民党 (CHP)と人民の民主主義党(HDP)から反対の声が高まった。CHP会派副代表であるエンギン・アルタイ氏は、目の前にあった水(のボトル)を投げつけながら、「これは山賊行為だ」と叫んだ。またCHPのアリ・シェケル議員もまた水を投げつけた一方、アイクト・エルドウドゥ委員は水をまき散らした。アルタイ議員は意見陳述の際、側に座っていた議員達に「私に水をやらないでくださいね」と冗談を言っていた。審議中の休憩時間には、ヨズガト県選出のAKP議員であるアブドゥルカディル・アクギュル氏が自身の出身地で用意させたテスティ・ケバブとアラアシュ・チョルバス(スープ)が国会内の食堂で夕食として提供された。全政党の議員、国会職員、報道陣らに提供された夕食では、アクギュル議員がテーブルの端で個人的にケバブの入った壷を割った。シェントプ委員長もまた、「憲法の思い出に」として壷を割った。

■大統領の緊急非常事態(OHAL)における権限増強

改正案では、大統領による緊急事態宣言とその際に行使できる権限が拡大された。大統領は、自然災害、危険を伴う伝染病、または重大な経済危機といた状態に加え、戦争、戦争を必要とするような状況が生じた際、動員、反乱、祖国または共和国に対し暴力や行動を伴う反乱や、国や国民の不可分性を内部あるいは外部から危険に陥れるような暴力行為が広まった際、憲法で定められた秩序または基本的権利や自由を根本から覆すことを目論んだ暴力行為が行われた際、 あるいは暴力事件によって公共秩序が深刻に乱された際には、国全土または特定地域において、6か月ごとにOHAL宣言を行うことが可能である。大統領は、OHAL事態下で必要とあれば、基本的権利、個人的権利と義務、そして政治的権利と義務に向けた制限に拘束されることなく、政令を出すことができるようになる。法で定められた問題について政令を出せないという原則は、OHALでは無効となる。

・今回の改正に伴い、司法の原則内に『中立性』が付け加えられる。
・国会議員数が600に増加する。
・国会議員の被選挙権が25歳から18歳となる。
・大統領とTBMM選挙は5年に一度、同一日に行われる。
・国会の監督手法、一般質疑と信用投票が行われなくなる。
・改正案に『国家元首』という資格が付け加えられた。
・改正案にある大統領の弾劾に関しての条件は、以下のようになる:301名以上の署名で調査提案が行われ、360名以上の無記名票が集まれば調査、さらに無記名で400名以上の票が集まれば国家裁判所にかけられる。
・軍事司法は廃止される。しかし戦時には軍事裁判所が設立されうる
・国家予算は、大統領が用意し国会に提出する。
・軍警察総司令官は国家安全保障委員会(MGK)から除かれる、また副大統領らはMGKメンバーとなる。現行の憲法で閣僚と首相に与えられている権限と責任は、大統領に移行する。

■21条項から18条項へ

・委員会に全21条項からなる形で届いた改正案は、審議ののち18条項となり承認された。
・初期の改正案にあった『代理議員』の適用は見送られた。
・上級の公務員が大統領によって任命されることを含んだ第14条項と、中央行政が諸政令により定められるとする第15条項は、他の条項に盛り込まれたことから削除された。

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(翻訳者:木全朋恵)
(記事ID:41862)