煙突のない産業=観光業の崩壊
2017年01月05日付 Cumhuriyet 紙


アンタルヤは5百万人近い観光客を失った。イスタンブルはこの16年間で最も厳しい落ち込みを経験し、キャンプのためにベレクを訪れる独サッカークラブチームすら一つもなかった。

観光業の歴史のなかでも最悪の年を経験したアンタルヤでは、1年前に比べ観光客の数は43%減少。2015年には1087万5千人だった観光客数は、去年469万3千人減少し618万2千人にとどまった。

■原動力失う

市の観光業の主要な原動力となっていたロシアをはじめ、ドイツ、英国、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、カザフスタン、ポーランド、ルーマニア、イラン、ノルウェー、オーストリア、スイス、ベラルーシ、フィンランド、フランス、チェコ、モルドヴァ、スロヴァキア、ハンガリー、イラク、イタリア、スロヴェニアからの観光客に深刻な割合で減少がみられた。反対に増加をみせたのはウクライナ、イスラエル、リトアニア、北キプロスだった。

2016年にアンタルヤを訪れた外国人観光客の国別分布をみると、34%を割り込んだもののドイツが最多だった。2015年に3百万人だったドイツ人観光客数は197万5千人に落ち込んだが、2016年の全観光客数の32%を占めている。2番手はウクライナで、2016年で唯一喜ばしい結果が見られた市場となった。2015年に31万4千人だったウクライナ人観光客の数は82%増加し、57万7千人にのぼった。ウクライナ人観光客は全観光客数の9.2%を占めた。

■ロシアからの損失深刻

2015年、280万人のロシア人が降り立ったアンタルヤ空港に、2016年は48万6千人。前年に比べ83%減、数にすると235万人の観光客が減少した。

■観光客数は衰退

イスタンブル文化観光局の発表データでは、12月にイスタンブルを訪れた外国人観光客は18%減少。年間を通してみると26%の減少がみられた。同じイスタンブル文化観光局の発表によれば、昨年12月には82万1809人がイスタンブルを訪れていた一方、今年の数字は67万4030人に落ち込んだ。年間を通してみた訪問者数は26%減少し、920万2987人。2016年、イスタンブルは320万人の観光客を失ったことになる。2015年にはイスタンブルにおよそ1200万人の観光客が訪れていた。また、2016年にイスタンブルを訪れたロシア人観光客の減少は40%にとどまった。

■スポーツクラブのキャンプも失う

トルコで発生した近頃のテロ事件はサッカー観光にも悪影響を及ぼした。毎年多数の独サッカークラブチームがシーズン後半に向けた調整にベレキやその周辺をキャンプ地に選んでいたが、この冬第一、第二リーグの中でベレキをキャンプ地に選んだチームは一つもなかった。昨年は第一、第二リーグあわせて16チー ムがベレキでキャンプを行ったにも関わらず、今年は独プロチームは一切ベレキを訪れなかったのだ。これにはドイツ外務省が国民に対して発した警戒情報も一役かっている。ドイツ第一リーグの今年のお好みはスペイン。また、バイエルン・ミュンヘンは7度カタールを訪問し、フランクフルトはアブダビ、ハンブルグもドバイを選んだ。レバークーゼンは米国、ライプツィヒはポルトガル、ホッフェンハイム、インゴルシュタット、ケルンは自分達のホームで調整を行うことになっている。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:41925 )