アリー・ネスィンの本、教科書入り
2017年01月20日付 Cumhuriyet紙

トルコが育てた最高の数学者の一人、アリー・ネスィン博士は、昨年、ナビ・アヴジュ文部科学大臣(当時)の要請を受け、高校向けの数学教科書を作成し始めた。

ネスィン博士は、何年にも渡ってトルコの生徒の数学理解とより平易な修養に努め、数学村を作り教育キャンプを主催し、また『数学世界誌』も発行する数学者で、イスタンブル・ビルギ大学で研究職に就いている。ネスィン博士は、当初は広い読者を対象とした本を書こうとしたが、後にこれが無理であると渡ったと述べ、「ターゲットを一つに絞る必要がありました。そして理系の高校を目標としようと思ったのです。それから分かったのですが、この本は全ての理系高校生向けのものでも無かったのです。対象をより狭めて、科学者になりたいと思う理系の高校生とその教師向けに執筆しました」と述べた。

■「人生で一番難しい仕事だった」

本の内容と目的をハベルテュルク紙でサミ・アクブユク記者へ語ったネスィン氏は、執筆に際して直面した困難について、こう語った。「ある物事を他人へ説明することは全く簡単ではありません。これらは私が40年かけて学んできたことです。40年かけて学んだことを、一人の生徒へ一年で説明しようと考えたとき、様々な問題が出てきました。そしてその問題と格闘しました。人生でこれより難しい仕事はなかったと言っても過言ではありません。」

ネスィンは、OECDの学習到達度調査(PISA)の結果を次のように評価した。

「数学分野での落ち込みは、短期間ではいかなる形でも埋めることはできません。中央の定める一元的教育が続く限りは、決して埋まることはないでしょう。」

■「トルコで初めて」

ネスィン氏は集合と数の種類から始め、別の単元についても高校生向けの教科書を書き続けるだろうとして、「これは私の使命だと思っている」と述べた。
カリキュラムで使われている教科書が十分で無いこと、市場に十分なレベルの数学の教科書が出回っていないこと、そしてナビ・アヴジュ前大臣の要請によって教科書を書き始めたことを語るネスィン氏は、「トルコで今日まで数学本は書かれませんでした。市場に出回っているものは本ですが、数学本ではありません。この本に続いて、教育学を私より良く知る同僚の方々が、より良いものを作ることを望んでいます」と述べ、この仕事がひとつの始まりになってほしいと話した。

■「統一された教科書、統一された見解で書かれた書籍を使うべきではない」

世界のどこに行っても200万の学生をたった1冊の本で教えることはありえないと言うネスィン博士は、教育システムにおける多様性を支持し、「統一された教科書、統一された見解をもって書かれた書籍を使うべきではない。各人が、地理的環境が、文化が、地方が、経済的・文化的レベルが異なるものを必要とするように、若者もそれぞれ異なるものを必要としている。トルコはあらゆる観点から多彩になり、多様化し、豊かになるべきだ。特に教育分野はそうあるべきだ。異なる見解を以って、多様な教育が行われ、様々な本が書かれるべきだ」と主張した。

ネスィン氏は、教科書執筆の経緯と、どのように使われるべきかを下記のように語った。

「当時の大臣はナビ・アヴジュ氏でした。私に高校生向けの数学教科書くよう求めました。もちろん特に約束はしないで、ただ話をしただけでした。私は自分の使命を自覚しました。新しい大臣がこの考えをどう捉えるかはわかりません。もちろん彼らに対して提案していこうと思います。どのような反応があるかはわかりません。彼らが発行できなければ私が自分で発行します。」

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(翻訳者:岩田和馬)
(記事ID:42005)