冬至の夜に、市場は春
2016年12月19日付 Hamshahri 紙


 アリー・エブラヒーミー(経済部):シャベ・ヤルダー[訳注:冬至の夜に行われるイランの伝統行事または冬至の夜そのものを指す]の到来と、夜会(ヤルダーのホームパーティー)の盛り上がりにより、ナッツ類、ドライフルーツ、お菓子、柑橘類ほかの果物といった一部の食材の市場は、需要の成長と好況を呈した。

 本紙によれば、一年で最も長い夜が[訳注:前日と比べて]時間的にほんの1分長いだけだったとしても、この昔ながらの風習は、数日前からの食品市場での賑わいの理由となっている。この伝統的な風習のために、ザクロやスイカ、焼き菓子にバースログ[上にクルミなどをのせた澱粉で作る練り菓子の一種]といったナッツやドライフルーツを含む、お菓子や茶菓子、柑橘類などの需要が市場で高まっている。しかし今年のヤルダーは、以前とは一味違っている。

 毎年シャベ・ヤルダーが近づくにつれて、スイカなどの一部の果物が深刻な供給不足に陥るため、このこと自体が、数倍の値上げの口実となった。しかし今年は、スイカ、ザクロ、柑橘類の生産量と市場への供給量が増え、これらの品目の値上げの口実がなくなったばかりでなく、価格を安定させ、また一部の果物に至っては去年と比べて値下げすらされている。

 たとえ人々の購買力が減ったからといって、依然としてイランの多くの消費者たちにとってシャベ・ヤルダーの市場は、去年までのそれと変わりない。[市場関係の]組合員の言によると、今年の一部食品市場の不況は、数日前の好況のおかげで影をひそめているそうだ。

 それにもかかわらず、ナッツやドライフルーツといった一部の食品市場は、ドルの価格変動を理由にヘーゼルナッツ、カシューナッツ、輸入アーモンドといった一部輸入ナッツ類を値上げしている。また店主のうちには、シャベ・ヤルダーの到来と需要の高まりを顧客への商品の高値販売の口実にして、彼らの強い購買力にあやかろうとするものもいる。

【果物市場は適正状況】
 今年のシャベ・ヤルダーの果物市場は、去年と比較して価格が安定し、かつより良い供給が続いているという好要因の影響を受けている。シャベ・ヤルダーで必要とされるスイカやザクロといった数種類の果物の増産は、シャベ・ヤルダーの果物市場の相対的な安定化の土台を築き、それによって昨日のスイカの1キロ当たりの価格は1500~1800トマーン(54~65円)の範囲で安定していた。そしてザクロの相場も、等級[大きさ・品質等]に応じて3000~5000トマーン(108~179円)の間を変動していた。去年までの相場では4000~5000トマーン(144~179円)の範囲にまで達していた。柿のキロ当たり価格は3800トマーン(136円)、ミカンが2500トマーン(90円)、オレンジが1500トマーン(54円)、ブドウも等級に応じて3000~5000トマーン(108~179円)内を変動していた。ところが、バナナの値段はドルの価格変動の影響から比較的高騰し、4000~5000トマーン(144~179円)に達した。

【お菓子やお茶菓子の価格は安定】
 お菓子、チョコレート、各種お茶菓子の市場もまた砂糖、油といった生産のための原材料の価格が比較的安定し、関係する組合による管理体制も安定している。それにより需要の高い食品であるバースログの1キログラムあたりの価格は11000トマーン(395円)、デニッシュが9600トマーン(345円)、パピヨニー[蝶結び(のリボン)型のパイ]が10500トマーン(377円)だった。

【ナッツ類の価格は様々】
 ナッツとドライフルーツの市場では買い手と売り手双方の賑わいにより、この品目の需要は比較的伸びた。たとえ全ての世帯、特に低所得層がシャベ・ヤルダーにナッツ類の購入を優先していないとしても、それらが合わさることで、諸世帯が経済力と製品の数の均衡に基づき、さらなる購買力を持つのである。ナッツ及びドライフルーツ組合のモスタファー・アフマディー組合長は、以下のように述べた。

 「シャベ・ヤルダー向けのナッツは様々なミックスがあるため、市場における価格も異っている。たとえば、ピスタチオが100グラム多いと10000トマーン(359円)程度の価格差が生じる。今年、同ナッツの価格は20000トマーン(718円)から60000トマーン(2153円)までバリエーションがある。ただ今年の場合、[ヘーゼルナッツが実る]ハシバミの灌木が霜害を受けたことによって、我々はヘーゼルナッツの輸入を余儀なくされた。またカシューナッツのような一部のナッツは、ほぼ全量をベトナムやインドから輸入しており、外貨の影響を受けている。」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:EK )
( 記事ID:42007 )