Abdulkadir Selviコラム:「国民投票は盤石ではない」という心配
2017年01月26日付 Hurriyet 紙

ビナリ・ユルドゥルム首相は、国民投票戦略を議論するために諸大臣と、アンカラのギョルバシュにあるヴィラーイェトレル・エヴィで夕食をとった。

大臣はスーツやネクタイを着用していたが、会合は公式のもの以上に意見交換をするという形で行われている。会合はブレインストーミングの形で進んでいる。

現行の問題が机上に据えられる。そうして60−70%の割合で議論は沸騰していない。逆に事実に基づく分析が行われている。さらに幾分不安や懸念の雰囲気すら漂っている。「国民投票は盤石なものではない。かなり効果的なキャンペーンを打ち出さねばならない」と言われている。

大臣たちは国民投票の過程に影響を与える2つの要因を前面に置いた。

1−経済

2-テロ

ある大臣たちはテロに注目しているし、ある大臣たちは経済を主要なアジェンダの中に盛り込んでいる。概してテロと経済の面で国民を安心させ、安堵させることが考えられている。

■安定のために投票するものたち

「国民投票への懸念が検討されている」と書いたが、少々これについて明らかにしよう。

「公正発展党(AKP)への得票率は49%である。国民投票ではこのうち40%の得票が見込まれなければならない。[2015年]11月1日に国内が安定するように、経済危機を回避できるように、トルコでいかなる問題も起きないように、とAKPに投票した人たちがいる。彼らの比率は9%ほどになる。彼らは、大統領制に対しては反対である」と言われている。

大臣たちは世論を説得するためのキャンペーンを行う一方で、二つ目のキャンペーンはAKPへ投票はするが大統領制へ反対する人々へ対して行われる事が提案されている。「AKPは自党支持者を説得せねばならない」と言われている。

民族主義者行動党(MHP)へ対する評価も行われている。

「バフチェリ党首は、憲法法案投票では議会に居りグループに対してかなり大きな影響力をもった。思っていたよりも古びていなかった。ただ支持層では状況は違う。MHP支持基盤ではメラル・アクシェネルが一定の影響力を持っている。MHPの得票率は12%であるが、国民投票で賛成票を投じる人々の割合は五分五分となるだろう。」

AKPは、憲法改正をMHPとともに行ったが、国民投票のキャンペーンは別々に行う事を決めている。ビナリ・ユルドゥルム首相もこのことを語った。

この状態で国民投票に向かうと、賛成票が46%ほどになると確かめられている。クルド人票も獲得するために別の戦略が取られるよう提案されている。

「右左のバランスは7対3であると明らかになっている。我々のキャンペーンは70%に対して行われるが、30%を切り崩すことに努めなければならない」と言われている。

■求心の要エルドアン

国民投票キャンペーンがエルドアン大統領を中心に据えることで、見解の一致をみている。首相は異なる方面から行動するが、キャンペーンの求心の要はエルドアン大統領になる。

エルドアン大統領は10月の閣僚会議において「MHPと最低限ではなく最大限の連携が存在している。あなたたちは議会でMHPとしっかり連携すれば、私は必ずや70%の票を得られる」と言った。70%は一つの目標であり、実際は50プラス1%の得票で国民投票を切り抜ける事である。

AKPでは、高い比率で得票できればできるほど、内外の勢力に対して効果的な「バランス調整」となるとの見方を強めている。

選挙の雰囲気にはほとんどなっていない。エルドアン大統領はまだ街頭に姿を現していない。エルドアンが街頭に姿を現せば、この構図を変えるであろうことは誰も疑っていない。

何人かの大臣たちはキャンペーン中に、11代大統領アブドゥッラー・ギュルとアフメト・ダヴトオール前首相から協力を得るように提案した。ギュルとダヴトオールが街頭に姿を表すことは、支持基盤に相乗効果を与えるだろうと言われている。もちろんギュルとダヴトオールが何を言うか、AKPが何をするかはわからない。

最後に発言したビナリ・ユルドゥルム首相が「このキャンペーンで考慮することになるのは経済とテロの二つとなろう」と述べた。

では、国民投票が進められる際に、非常事態の撤回はアジェンダに載るだろうか?

エルドアン大統領が国家に直面する状況を慮って、非常事態の継続を支持していると言われている。

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( 翻訳者:岩田和馬 )
( 記事ID:42051 )