核合意がなければイラン経済は破綻していた―専門家らが指摘(4)
2017年01月19日付 Iran 紙

 ムーサーイー氏は次のように言う。

信頼や安心が失われるのはすぐかもしれないが、それを作るのには時間がかかるのである。それゆえ、辛抱しなければならない。核合意が締結された次の日には、すべての問題は片付くはずだなどとわれわれが期待したのは、馬鹿げた期待だったといわざるを得ない。

 同氏はまた、次のような見方を示している。

経済成長率などの一部の数字については、いまだ不確実な点があるのは事実だが、とはいうものの、もし核合意がなければ、われわれは今頃、現在のような良好な状況にはなかっただろうし、そればかりか制裁が科せられていたときよりももっとひどい状況に陥っていただろうということを、考えなければならないのである。

 ムーサーイー氏は現況のようにイラン経済の改善がごく緩やかであるのは、アメリカの姿勢によるところが大きいとした上で、

世界の全経済に対してアメリカ政府が有している影響力のために、核合意の履行が速やかに進まないのである。たとえアメリカは直接的に核合意に違反するようなことはしていなくとも、〔それを積極的には〕支持してはおらず、自らの同盟国に対しても、〔イランとの〕関係改善を許そうとはしていない。まさにこのことが障碍となっているのだが、それ自身は核合意の本文に違反しているわけではないのである。

 と述べた。

 同氏は最後に、

国内に社会的連帯を醸成するような言説を立ち上げ、国民に奇蹟を期待することのないよう語りかける必要がある。経済の歯車は今スピードを上げているところだが、しかし一夜にして、これ〔=経済の奇跡的改善〕が起きるわけではないし、机上の論理だけで実現されるものでもないのである。

 と語った。

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( 翻訳者:MO )
( 記事ID:42064 )