「さらわれた女児に金銭払う」忌むべき風習の一掃へ
2017年02月04日付 Hurriyet紙


イズミル県キラズ郡の山岳部にある2つの村、スルムルとオルグンラルには、女児を誘拐し結婚する風習がある。さらわれた12~15歳の女児の家族には、「口止め料」が支払われる。このお金は、15歳の女児には2万リラ、12歳の女児には4万リラになる。誘拐されたシェリフェ(15)の家族はこの風習に逆らい、シェリフェは警察の捜査により85日後に捕らわれの身から救出された。キラズの若き首長であるサリハ・オズチュナルは、この風習の廃止を決意している。

イズミル県キラズ郡の山岳部にある2つの村、スルムルとオルグンラルの、男性が女児を誘拐して結婚する風習は、村人たちの言によれば「昔から」続いている。キラズのサリハ・オズチュナル市長(33)が発表した情報によれば、2つの村では平均して毎年12~21歳の女児が平均20人さらわれている。被害者となる女児の多くが14歳だ。オズチュナル市長は、「スルムル・オルグンラルの地域での女児誘拐が頻発しています。他の村ではこういったことはごくまれです」と話す。オズチュナル市長は、この風習が原因で、2つの村では結婚式が行われていないと述べた。

■成人前に母親に

誘拐された女児の家族には「口止め料」が支払われる。女児が幼いほど、男性によって家族へ渡される「口止め料」は多くなる。「料金表」はこうだ。12歳に は4万リラ、13歳には3万リラ、14歳には2.5万リラ、15歳には2万リラ。女児の家族は、「もうどうにもできない、娘は汚されたのだ」と思うことにしてお金を受け取り口を閉ざす。未成年の女児たちは、17歳になり公的に結婚できるようになるまでには、2-3人の子どもの母になっている。女児誘拐は必ず金曜日に行われる。これは、公的機関は、週末は休日で一切の業務を行わないという考えによるものだ。この2日間で痕跡を消す努力がなされる。

2つの村のこの「古の風習」をトルコで議論の俎上に載せたのは、2組の家族のこの状況への反発、子どもの捜索への執念だった。2組の家族は、娘を捜し出すために全力を尽くした。イズミルとアンカラでも行動を起こした。誘拐から85日後に捜査によって救出されたスルムル村のシェリフェ・アヴシャル(15)とその家族、そして50日後に発見されたオルグンラル村のエブル・サカル(14)の母親が経験した悪夢を私たちは知ることになった。キラズのサリハ・オズ チュナル市長と警察の関係者にも会った。

スルムル村へと上っていく曲がりくねった道からシェリフェの家に到着した。母親のネジベ、父親のメフメト、父方の祖母のファトマ、祖父のムラト・アヴシャルとともに、シェリフェは私たちを待っていた。小柄な、そばかすのある子どもだ。母親の足元から離れなかった。誘拐されてから85日目、キラズ警察の特別チームが彼女を発見した2日前の1月25日に15歳になった。経験したことを次のように説明した。

■「私を納屋に隠した」

「去年、キラズ・ハリルレル中学校の8年目を修了しました。11月7日の夜、トイレに行こうと外へ出ました。乳兄弟と出くわして、家に呼ばれました。オルグンラル村のネジャティ・ゲディキ(18)がそこにいました。側には他の男性もいました。2人は私の腕をとって、1時間半ほど歩かせました。オルグンラル村に2か月半いました。扉は全て鍵がかかっていました。2度逃げましたが、捕まりました。憲兵がやって来た時には、彼らは私を納屋に隠しました。知らない家々に連れていかれました。私がさらわれてきたことは、村中が知っていました。私が逃げようとしたのをみんな見ていました。でも憲兵が来てもそれを言わ なかったのです。彼らは国ではなく、誘拐した側の味方でした。自分たちもそうやって結婚したからです。父親のヒュセイン・ゲディキには『誰も今後お前を助けに来たりしない』と言って脅されました。すべてのことに怒っています。みんな監獄で腐ってしまえばいい」。

■「私の娘は商品ではない」

「私は最後まで娘の味方です。オルグンラル村にいた全員が共犯者だ。国も私たちを支援してほしい。幼い子どもを誘拐した罪を重くしてほしいのです。私の娘は商品ではありません。私たちの娘はかけがえのない存在です。誘拐された時にはアンカラまで行って訴えました。娘を掃き溜めで見つけました。娘は発見されたとき汚物の中にいて、痩せ細っていました。愛情と思いやりをもって介抱します。」

■若き首長の決意:私が解決する

サリハ・オズチュナル・キラズ市長:イズミルのキラズ郡初の女性首長である教育家のサリハ・オズチュナル市長(33)は、民族主義者行動党(MHP)の候補者として勝利した選挙の後、公正発展党(AKP)へ移籍した。オズチュナル市長は、女児誘拐の廃止を決意している。「スルムル・オルグンラルの地域での女児誘拐が頻発しています。その多くが、(親たちの)合意にものであったとしても、未成年の女児が被害者であることが問題なのです。女児に好意を持つ、示し合わせた者が誘拐を行います。母親や父親たちも誘拐によって結婚しています。私はこの問題を解決します。「好いた、行った、好いた、さらった」といった感覚は破壊されなければなりません。子どもは子どもです。子どもは妻になるべきでなく、母になるべきではありません。彼らは『好きになった、自分から行った』 と言います。相手は子どもです。それが彼らはわからないのです。エーゲ大学の力を借りたいと考えています。社会学者に来てもらいこの風習の原因を調査してほしいと思います」。

■エブルは50日間発見されず

オルグンラル村のエブル・サカル(14)の母、アイシェ・サカルは泣き疲れていた。娘からは50日間何の音沙汰もない。家族から医者か看護師にと望まれていた娘について次のように話した。「エブルは、キラズ看護職業高校の1年生でした。6人兄弟の中で勉強した唯一の子が彼女です。とても勤勉で成績の良い学生でした。公立の寮にいて、週末は家に帰って来ていました。12月16日の金曜日、家に帰って来ませんでした。夜にムアッメル・ヤイグン村長から、 夫のアブドゥッラーに電話がありました。「行方不明か」と言いました。私たちの娘を、夫の親戚のうち兵役を終えた息子ヒュセイン・アクサカルが誘拐したと言うのです。夫は村長に、「子どもを手荒に扱わないで、(娘を)取り返してくれ」と言いました。何の知らせも来なかったので、その晩キラズ警察署に行きました。2日目に誘拐者たちが仲介人をよこしたので、「母親と父親、息子が来るように」と私たちは伝えましたが、来ませんでした。50日間娘からは何の音沙汰もありません。たとえ暴行されていたとしても私たちの娘です。学校を続させます」。

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(翻訳者:粕川葵)
(記事ID:42111)