EU、トルコの「火遊び」を警告
2017年03月24日付 Cumhuriyet紙

エルドアン大統領の「4月16日以降は関係性が精査されることになるだろう」という発言は、EUとの緊張関係を再び高めることとなった。あるEU関係者は、「トルコは火遊びが過ぎている。はっきり言って、EUはトルコより力関係では上だ」と話した。さらにEU・トルコ間の相互的経済関係に言及した同関係者は、公正発展党(AKP)の経済的成功の背景には、EU加盟交渉プロセスとEUの貢献があるとも述べた。

タイイプ・エルドアン大統領による欧州に向けた「欧州の国民らは誰一人として安全に外出することはできない」という発言後、EU本部・トルコ間で高まる緊張関係の中で、トルコ大使が今回の報道は単一的な発言のみを取り上げており、発言の全体を捉えたものではないと釈明したことで、一度はこの緊張関係もおさまった。ところが、エルドアン大統領が4月16日以降は政治的且つ行政的な関係が精査されるだろうと発言したことにより、再び危機感が高まっている。EU代表者らの間では、エルドアン大統領が4月16日以降に新たな歴史のページを開くのではないかという予想が広がる中、EUもトルコ政府に対し、4月16日以降の対応への反発として全く異なる感触の決定を出した。EUは経済的な基盤のみで関係性を継続させることに反対だ。あるEU関係者は、以下のようにコメントした。「われわれの手の内には、打ち出せる策はまだ多くある。トルコは火遊びが過ぎている。はっきり言って、EUはトルコより力関係では上だ。国民投票の過程でわれわれに対して脅しをかけることはできるだろうが、(EU・トルコ間には)相互依存的な関係性がある。この相互依存の関係性から最も恩恵を受けているのはトルコだ。加盟交渉プロセスはトルコにとってメリットとなった。AKPの経済的成功におけるEUのトルコへの貢献は非常に大きい。」

■ロイター通信に歪曲された

ドイツとオランダによって始まった西欧に対するナチズムの告発後、エルドアン大統領が「このような事態が進めば、欧州の国民らは誰一人として安全に外出することはできない」と発言したことを受け、トルコのファルク・カイマクチュEU常駐代表は、昨日(23日)欧州対外行動局のメンバーの一人であるトーマス・マヨル・ハーティング国連大使より緊急コードで呼び出された。

同国連大使はこの対談で大使へエルドアン大統領の発言について言及し、「欧州市民らの安全保障に影響をもたらす不安材料が理由」で呼び出したことを伝えた。カイマクチュ大使は、エルドアン大統領の発言の背景にあるものを説明し、「大統領の今回の発言は、欧州市民らの安全保障を脅威にさらすものとして認識されるべきではない」と明言した。そしてカイマクチュ大使は、EUの7月15日以降の態度が「よそよそしい」ままであることに対して「不誠実」と考えていると述べ、PKKのデモへの許可やトルコの大臣らがEU諸国でトルコ国民らと面会する機会を阻害したこと、そしてオランダでのトルコの大臣や外交官らに対する態度は許容できるものではないと伝えた。

さらに同大使は、「欧州ではムスリムやトルコ人だけでなく、広い意味での外国人らに対する敵視や差別感情が極右政党によってますます上昇傾向にあることが、そもそもの脅威である」と言及し、「このような状況下で、大統領がこうした現実に注意喚起する発言をしたことに不快感を示すべきではなく、さらに英紙が記事にしたロイター通信を出処とするニュースは単一的な側面のみを捉えたものであり、本来は会見内容の全体を見るべきであること、大統領の会見内容はこの発言のみで構成されてはいないこと、ウィーン大使館が屋根に大統領とトルコ人らに反対するプラカードを掲げたことが、トルコ国内のキリスト教徒らの安全保障に関して国内で不安を掻き立てていること、そして先日トルコ人外交官が欧州で殉職したこと」を含めて国連大使へ回答したことがわかった。この面談では、EUが示す反発も「緊張関係を強めることになるだろう」と警告された。

■「EUの狙いは戦術的」

カイマクチュ大使のこうした発言は、EU本部内で緊張関係を弱める発言として評されたが、エルドアン大統領が昨夜、経済的関係は継続するがトルコ・EU間の政治的関係については4月16日以降に精査されることになると発言したことを受け、(トルコへの)反発は再び高まることとなった。EU本部で行われた評議会では、エルドアン大統領の4月16日までの得票期待値により、戦術的に緊張関係は高まると思われるが、その後新たなページを開きつつもこれらの発言を撤回することが予想されている。

EUが4月16日以降、トルコに対する態度をどのように変化させるか、という問いに対して関係者は以下のように答えた。

「加盟交渉が中断されるか否かということを言うには時期尚早だ。EUはかつてのような静的な組織ではない。われわれには多くの対応策がある。トルコは火遊びが過ぎている。はっきり言って、EUはトルコより力関係では上であり、トルコよりも手の内は多い。トルコは国民投票の過程でわれわれに強請りをかけているつもりかもしれないが、われわれとトルコには相互依存的な関係がある。正式加盟に向けて申請したのはトルコであり、そしてその見返りとしてこの相互依存の関係から多くの恩恵を受けているのもトルコだ。加盟交渉のプロセスは、トルコの経済発展に貢献した。AKPのこうした発展に貢献したものにおいて、EUが果たした役割は非常に大きい。AKPはこうした恩恵を多く受けている。」

■「緊張関係は彼自身が選んだこと」

EU・トルコ間の緊張関係に対し「これは彼自身が選んだこと」と評される一方で、EUは国民投票までに議論を起こすことや、内政干渉と見受けられるような会見を開くことを避けている。トルコにおける分極化が、オランダで起きた危機によって今欧州へと移動していることが指摘される一方、EU本部ではトルコがEUとの経済的関係と政治的関係を引き離すことはないだろうという見方が主流だ。しかし、EUのある関係者は、以下のようにコメントした。「このような脅しに対し、何も答えないままということは有り得ない。しかし、今現在はこうした発言が国民投票後も続くとは予想していない。そのため、われわれはそれほど慎重ではないのだ。国民投票後もEUとの緊張関係は続く、この可能性は排除していないが、今のところこの緊張関係を手段として利用しようとは望んでいない。だが、4月16日以降、EUも態度を変えることとなるだろう。」

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(翻訳者:指宿美穂)
(記事ID:42357)