コラム:職を守るために国籍を偽るシリア人たち(1)
2017年04月01日付 al-Quds al-Arabi 紙


■トルコのシリア人たちは職を守るため自らの国籍を偽る

【イスタンブール:アフマド・ザーザー】

「出身はどこですか?」トルコ・イスタンブールで28歳の女性サハルさんに幾度となく繰り返される質問だ。質問に答えようとすると、彼女はすぐに困惑してしまう。シリア人の彼女は、自身が働くジャーナリズム業界の仕事柄、真実を伝えるために働いているにもかかわらず、シリア国籍を隠し、好んでイタリア人を自称している。彼女は、トルコ人がシリア人女性を蔑視するために、このような行為に及んでいると説明する。

「トルコ人にシリア出身かと問われ、そうだと答えるやいなや、彼らの表情は一変し、眉をひそめたり、軽蔑の目で見たりするのです。女性に関して言うと問題はより深刻で、多くのトルコ人はシリア人難民の女性は安い商品だとみなしています。私はただシリア国籍であるという理由で侮辱されたことがあり、それ以降誰にもシリア国籍を明かさないことに決めました」とサハルは語った。

避難先の国では、シリア国籍が保有者にとって重荷となってしまったようだ。多くのシリア人は国籍を問われると口をつぐみ、さまざまな理由で違う国籍を述べたがる。30歳の男性ムハンマド・ズアインさんはイスタンブールのとある美容センターで働く既婚男性であるが、自分がシリア出身であることを恥じて、いつも自分のことをパレスチナ人だと答えようとする。

「ある時トルコ人女性のお客さんが私に出身を尋ねたから、僕はシリア人だと答えたんだ。すると彼女はすぐ席を立って私の上司のところに行って、トルコ人に髪をセットしてほしいと求めた。その時は屈辱的だったよ。それから私はパレスチナ人だと言うようにしたんだ。特にトルコ人は、シリア人よりパレスチナ人やパレスチナ問題に対してより好意的だからね」と彼は続けた。

コラム:職を守るために国籍を偽るシリア人たち(2)に続く)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:朝武絢奈 )
( 記事ID:42422 )