エジプト:「ラービア」の座り込みが教会への自爆テロ犯を産んだ(1)
2017年04月14日付 al-Hayat 紙


■「ラービア」の座り込みが数十人の自爆テロ実行犯を産んだ(1)

【カイロ:アフマド・ラヒーム】

アレキサンドリアで暮らすあるアラブ人家族の世帯主は2013年末、過激派組織「イスラーム集団」の元指導者ナーギ フ・イブラーヒーム氏に対し、息子を説得して、シリアに渡航して戦闘に参加しようとするのを断念させて欲しいと頼んだ。このアラブ人青年は、ムハンマド・ムルスィー前 大統領退陣に抗議して「ムスリム同胞団」が同年6月末に行った「ラービア・アダウィーヤ」広場での座り込みから戻ったばかりだった 。騒乱 が激化していたなか、ムルスィー大統領が7月3日に実際に退陣させられると、座り込みに参加していた支持者は、軍との対決 を呼びかけ、座り込みは背教宣告 を行うための演台へと姿を変えた。

イブラーヒーム氏は「3時間に及ぶ話し合いの末、シリアでのバッシャール・アサドの軍との戦闘は無駄であることをこのアラブ人青年に説得した。その結果、青年は決意を改めた と私に言ってくれた」と述べている。

2013年8月14日に座り込みが強制排除され、その過程でムルスィー支持者数百人らが殺害されてから3年半以上が経った。だが、この座り込みとともに引き起こされた諸問題は解消していない。むしろ、問題は始まったばかりだと言えるかもしれない。

マフムード・シャフィークを名乗る自爆犯が昨年12月、首都カイロのアッバースィーヤ地区にある聖ペテロ(聖パウロ)教会でミサ中に自爆し、25人以上を殺害した。また先週の日曜日(9日)には2つの教会で2人が自爆した。1回目の爆発により、タンタの聖ゲオルギウス教会で祈っていた約30人を殺害、2回目の爆発では、アレキサンドリアの聖マルコ大聖堂の門前にいた警部や警官を含む17人を殺害した。

内務省の発表によれば、アレキサンドリアの自爆犯は、マフムード・ハサン・ムバーラク・アブドゥッラーという上エジプトのケナ県出身、スエズ県在住の30才(男性)で、タンタの自爆犯は、マムドゥーフ・アミーン・バグダーディーというケナ県在住の40才(男性)だった。

内務省はまた、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行声明を出した、3つの教会を狙った自爆攻撃の実行犯が同一のテロ集団だったとしたうえで、この集団がエジプト南部でキリスト教の礼拝施設 を狙ったさらなる自爆攻撃を計画していたことを明らかにした。この集団のテロ細胞はメンバーのほとんどがケナ県出身で、逃亡中のアムル・サアドという人物以下19人からなるという。うち警察は3人を拘束、逃亡犯に関して情報提供した者には懸賞金が与えられると発表している。

エジプト:「ラービア」の座り込みが教会への自爆テロ犯を産んだ(2)はこちら

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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:42488 )