欧州評議会議員会議、トルコを「政治的監視」対象に
2017年04月26日付 Cumhuriyet 紙

欧州評議会議員会議(AKPM)が行った歴史的な投票でトルコは、「民主化に希望が見えない」とし、13年ぶりに「監視対象」措置に逆戻りさせられることとなった。トルコは、2004年6月に、改革を約束し、EUへの加盟交渉し開始、「監視対象」から脱却していた。

トルコは、「監視対象」措置から一旦脱却し、再び「監視対象」へ戻った初の国となった。トルコ政府が民主化に必要な方策をとらず希望がもてないとし、「トルコにおける民主的諸組織の機能」と題した決議は欧州評議会議員会議で賛成票113、反対票45、棄権12で可決された。この決議により、トルコの民主主義への評価は第2ランクから第3ランクに転落した。この決議でトルコは、13年間位置した「監視対象期間後の、話し合い期間」から落とされ、アルバニア、アゼルバイジャン、ボスニアヘルツェゴビナ、アルメニア、ジョージア、モルドバ、ロシア、セルビア、ウクライナと同ランクに転落した。この転落後、トルコに対し欧州評議会議員会議で監督委員会に2名の新レポーターを任命される。この2名はトルコとの接触後に発表予定のレポートで、期待される民主化に関し道程表を提出する。

4月24日、欧州評議会議員会議が行われた投票に関し、62の変更提案がだされ、78人の議員が討議を求めた。しかし、AKP議員の提案は否決され、レポート全体に対して行われた投票でも結果に変化はなかった。欧州評議会議員会議のトルコ代表団長タリプ・キュチュクジャンは、トルコは欧州評議会との関係を見直すと発言した。舞台裏では、議会に向け最大限の資金支援を行う国々の1つであるトルコが2015年に開始し3700万ユーロの資金が失われるであろうことがささやかれている。トルコ大国民議会が決定すれば、欧州評議会議員会議のメンバーであるAKP党員が6月とそれ以後に予定されているセッションに参加しない。トルコ大国民議会が決定をした場合、トルコ議員18名への委任文章は、1月に失効する。

■何故延期されなかったのか?

トルコの人権、民主主義、司法の優位性において後退がみられるという報告書は、7月15日以前に、欧州評議会議員会議の議事に加わっていた。2016年6月以来、「監督期間」入りの決議はトルコの改革の約束により本会議で3回、延期された。(これまで)緊急動議で投票を回避してきたトルコは、今回、全く改革の約束をしなかった。以前発足を約束した非常事態宣言委員会が未だ発足されていないこと、国民投票監督のために来土した欧州評議会議員会議視察団が「テロリスト」支援と非難されたこと、死刑が大統領によって頻繁に話題に上ること、トルコが司法の独立、表現と報道の自由を分野をはじめとする分野で、新たな一歩を投じないことは、決議がそのまま受け入れられる道を開いた。

■期待された改革案はだされず

トルコ代表団は、アンカラ政府から民主化方向で前向きの一歩を最後の瞬間まで期待していた。しかし政府からは、この方向で改善策を示さなかった。一方でAKP議員はこれまでと異なり、CHP議員と協力しようとはしなかった。欧州評議会議員会議のAKP議員の委員会代表団は、議員らと十分に連絡をとっていなかったみられる。

■HDPは「イエス」だった

HDP議員は、投票時、報告書を準備した監督委員会と共に活動した。HDP議員の提出した提案の多くは委員会によっても支持された。これに対して、CHPとAKP議員といえば投票で反対票を投じた。

■注目はEUに

ストラスブルクに続き、今日、欧州議会でもトルコ関連で特別会議の開催が決まった。会議では、欧州評議会議員会議の決定も影響するとみられている。EUは12月にトルコとの交渉凍結を議論したが、オーストリアの反対で可決されなかった。一方でEUと難民交渉、関税同盟関連の交渉の未来は、今後トルコが直面する問題になるだろう。

■決議内容に含まれていること

トルコに関する決議は、2018年にもう一度見直される。つまり欧州評議会議員会議で2018年も再び投票をする。もしトルコが望まれる一歩を踏み出す、もしくはその方向で前進を示すのであれば、この期間から脱出できる。

・緊急事態宣言を可能な限り迅速に撤回すること。
・緊急事態宣言のもと、さほど必要でなければ非常事態特別政令(KHK)を発表することを止めること。KHKで、集団的に公務員を罷免することを止めること。
・裁判を待つ拘束中のすべての議員たちを解放すること。
・裁判を待つ拘束中のすべての記者および知識人たちを解放すること。
・非常事態宣言調査委員会を設置し、KHKで失業したものに関し、効果的な方法で国内裁判所で修復活動を始めさせよ。公平な裁判を保証せよ。
・欧州評議会議員会議の決議とヴェネツィア委員会と人権委員会の勧めに従い、表現の自由を拡大する緊急な一歩を踏み出すこと。
・国民投票を欧州議会の基準で調整し、ヴェネツィア委員会の規定の範囲内で、選択の自由を打ち立てよ。
・ヴェネツィア委員会が提示した18項目に関する忠告を可能な限り迅速に適用せよ。
・死刑は、欧州評議会と整合性を持たない。このような決定はメンバーシップを危険にさらす。
・テロ対策法を改正せよ。
・逮捕された地方自治の長たちを解放せよ。
・憲法の18項目変更案が記録された。
・監視委員会の報告書に基づき、国民投票が公平ではないやり方で行われたこと、2派の間には不公平があったことは遺憾であると発言された。
・国民投票の合法性については深刻な疑問を浮き彫りにした。高等選挙委員会はこの考えを重要に受け止める必要がある。
・憲法18条項目に関するヴェネツィア委員会の忠告に従うこと。

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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:42559 )