EU外相会議、EU加盟交渉継続決定「トルコが望むなら」
2017年04月28日付 Hurriyet 紙


マルタで昨日非公式に行われた会談で、EUの各国外務大臣は「国民投票の結果の認知と、結果を敬意をもって受け止める」「交渉を継続する」ことなどが強調された五要素から成る共通認識を築くことに成功した。欧州連合外務・安全保障政策上級代表のフェデリカ・モゲリーニは、会談において「トルコが望むなら扉は開いている。ここに参加されていることを喜ばしく思う」とのメッセージを出した。チャヴシュオール外務大臣は「彼らが誠実であるなら、 この好意的雰囲気を理解し、彼らが間違いに気づいたこともわかった」と述べた。

EUは、国民投票と欧州評議会議員会議(AKPM)がトルコを監査プロセスにしたのち、トルコ政府に向け講ずる措置に関し、加盟国間で見解が分かれているにもかかわらず、トルコ政府に対して予想以上に前向きな対応を行った。マルタで非公式に行われた会談で、一堂に会したEU外務大臣らは、共通の見解を得ることに成功した。メヴリュト・チャヴシュオール外相も参加した会談で出た結論は、EUが現在の問題に目を閉ざすことなしにトルコと交渉を継続することを望むが、トルコ政府からも必要な対応を期待していることを示すものとなった。非公式な会談であるがゆえ公式な決定はされなかった。しかし、トルコとの関係の今後の方向性を明確にする会談で、諸外相が妥協した点は欧州連合外務・安全保障政策上級代表モゲリーニによって明らかにされた。EUが得た共通の認識は以下のモゲリーニの声明のようになっている。

■国民投票の結果は承知している

トルコを含む全加盟国が自国の行政制度を定める点で、各国の主権を尊重し、これを承知している。トルコも憲法改正への国民投票を通じて主権を行使した。一部には反対があったことも承知の上で、我々はこの結果に敬意を払っている。憲法改正が、欧州評議会ヴェニス委員会の推薦と欧州安全保障協力機構の監視の元で実現するよう願っている。

■国民の団結

憲法改正が、強い国内の団結と協調の中、トルコの関係者により、国民投票で敗北した側も含め、全ての政治的立場を尊重し実施されるよう望んでいる。

■トルコに害を与える意図はない

トルコが、安定、安全、経済の点で成功を遂げれば、EUにとっても益となる。どんな時もトルコに対して、またはトルコ国民に対して害となるような意図もなかったし、これからそうした意図を持たないであろう。逆に、多くの分野で相互に我々の国民の利益となる建設的な協力の在り方を探っている。トルコ市民との対話と協力が焦点だ。

■交渉の継続

加盟交渉は現在も続いている。停止でも終了でもない。しかし、これにより何らかの交渉項目の開示に向けた作業を行っている訳ではない。加盟基準は極めて明確で、トルコはこれを非常によく分かっている。もしトルコが、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が我々に説明し、我々が理解した程度に、エルドアン大統領が少し前に述べたように、加盟交渉に興味を持っているのなら、この必要性をとてもよく理解しているはずだ。特に人権、民主主義、法治主義、報道の自由を含めた基本的自由、死刑制度、国際法、 隣国との友好関係に関して、ということだが。上記のことは、トルコはEUの加盟候補国であると同時に、欧州議会のメンバー国として従うことが期待される原則である。この点に関して、欧州議会と緊密に連携して動いていく点で揺るぎはない。

■「加盟は喜ばしいことだ」

モゲリーニ上級代表は、交渉が加盟基準が極めて明確な過程の中進んでいることを強調し、トルコがもはや交渉の継続とヨーロッパの家族の一員となる意欲があるかどうかをはっきりさせる時が来たと述べ、「クラブのルールははっきりしている、加盟を望むなら、何をすべきか彼らは知っている。今日会えたことは喜ばしいが、彼らの側ではっきりさせる必要がある。我々がどこで留まっているかは非常に明確だ」と述べた。

■密な連携を

異なる見解が明確な言葉かつ建設的であると同時に静かに交わされた会談から、トルコ当局と共に今後辿る道を明らかにする点に関し話し合うという決定も出た。この決定の最初の段階として、モゲリーニ上級代表とチャヴシュオール外相は二者会談を実現させた。来週も、合意された五つの基本要素に関して辿るべき道筋が様々な水準で取り上げられる予定だ。EU情報筋は、10月前トルコに関して、明確な措置を講じる可能性を低く見ている。

■「見通しは明るい」

チャヴシュオール外務大臣は、EU加盟国がすでに間違いを自覚し始めたことを明らかにし、「我々とともにことを進めていくつもりなら、我々と対話をするつもりなら、ダブル・スタンダードとは距離を置くよう求める。我々に対して誠実ではっきりとした態度をとることを求める。トルコとの関係をどのように正していくのかということだ。どのようなステップを我々は踏むべきだろうか。私も自分自身の考えや、彼らが自覚し始めた間違いについて、面と向かって正直にお伝えした」と述べた。チャヴシュオール外相は、トルコと交渉継続する方向での決定が、これが単に言葉に留まらず、実際に実行されるべきであると述べ、以下のように続けた。「彼らが誠実であるなら、 この好意的雰囲気を理解し、彼らが間違いに気づいたこともわかった。」

■ドイツは盾となった

ドイツは、会見において、交渉の推移に影響を与えた。ドイツ外相ジグマール・ガブリエルは、「ドイツ政府は交渉の中止に真っ向から反対の立場にあり、中止は完全に間違った反応である」と述べた。トルコ問題が内政の要素として利用されることも批判し、「家で、『もはやトルコとは話さない』と拍手喝采したい者たちは、トルコにおいて何一つ変えることはないだろう」と言った。フランスもドイツの立場に近いスタンスを取った。反トルコのアプローチが注目に値する程となっているオーストリア外務大臣セバスティアン・クルツはというと、「加盟という幻想に固執することは完全に間違っている。トルコとの対話はするが、加盟にはノーだ」と話した。ハンガリー外務大臣シーヤールトー・ペーテルは、EUの移民協定によりヨーロッパの安全保障をトルコの手に委ねたことや、 対話の重要性について強調した。「ダブル・スタンダードではいけない。トルコに必要性を感じている際に忘れられる問題もある。トルコを叩こうとする際に、移民に関する協定を忘れている」と述べた。

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( 翻訳者:章 由実 )
( 記事ID:42573 )