Abdulkadir Selviコラム:エルドアン・トランプ会談の行間を読む
2017年05月18日付 Hurriyet 紙

高い関心を持って期待されていたエルドアン-トランプ間の会談が実現した。

トルコとアメリカの関係は収束・一時休止に収まらないように見える。

まず、両国の指導者のボディ・ランゲージについて私見を分かち合いたい。

大統領エルドアンは、信頼を示す赤いネクタイをつけていた。赤は同時に共和党のシンボルカラーだ。トランプは選挙運動においてオバマ前大統領と行った引き継ぎ式において赤色のネクタイを選んだ。エルドアンもこのネクタイを着用することで一つのジェスチャーをしたのだ。同じジェスチャーを共同声明の際にトランプの選挙の勝利を2度強調する形で実行した。その際にトランプの顔に高い幸福感が表れた。

ホワイトハウスの入り口でエルドアン大統領は初めて直接会談したトランプ大統領に対し適切な距離感でいることを選択していた。トランプ大統領は、エルドアン大統領を玄関で迎える形で「緊張をやり過ごすことが期待される」会談を前に態度で示したのだ。

そして握手の際…メルケル事件以降、握手は、ほぼ会談の重要事項となった。トランプ大統領が、エルドアンに対しメルケル的態度をとって、手を宙に浮かせることを期待する人々がいなかったわけではなかった。ダヴォス会議での「ワン・ミニッツ」で名を馳せたエルドアン大統領がホワイトハウスでの握手危機で失墜することを望む者達がいた。しかし全く正反対になった。さらにトランプ大統領は、握手というイベントを少々強調したのだ。全部で4度握手したのだ。

共同声明においてエルドアンは実を取った。トルコの見解を記させたのだ。トランプ大統領は、PKK(クルディスタン労働者党;非合法)とイスラム国との戦いを支援すると表明する一方で、クルド人民防衛隊(YPG)に供与している武器には触れなかった。YPG問題は、首脳間の会談の議論すべき項目であった。エルドアン-トランプ会談が実現したことはそれ自体重要な進展である。盛りだくさんの会談の結果を、経緯を追いつつ、理解しようではないか。

■YPG問題は続いている

注意を喚起したい点がいくつかある。

1、アメリカは、PKKとクルド民主統一党(PYD)-YPG間のつながりを弱めようとしている。PKKはアメリカが認定しているテロ組織であるためにPYD-YPGを最重要問題にしている。

2、PYD-YPG内のトルコ出身者らではなく、シリア出身者と話し合っている。

YPG問題で二つの重要な点があった。

1.YPGに提供された武器
2.この武器がトルコに対して使用されるか否か

エルドアン大統領は、YPG問題において「我々は言葉ではなく、行動を見る」と言った。約束があったのは明白である。YPGに提供された武器がトルコに対して使用される問題で、大統領ははっきりと発言した。「誰にも問わず、撃つまでだ。」

アメリカは重火器を供与したYPGとラッカ作戦の最後の準備を整えている。エルドアン大統領がトランプ大統領と会談していた際、トランプ大統領の特別代表のマガークはコバーニーでYPGメンバーたちと会議していた。

■3月1日決議

戦場での進展を追うのはとても大切だ。少し前へ戻って、アメリカと我が国の関係における最も重要な問題の原因となっている[2003年]3月1日決議についてある逸話を披露したい。

3月1日決議が行われる一日か二日前、イェニ・シャファク紙の編集長セラハッティン・サドゥクオウルを代表とする一行とともにアブドゥッラー・ギュル首相を訪問した。

ギュル首相は我々を歓迎してからアメリカから来た重要な電話に出るために執務室に向かった。電話の後に我々がいた場所へ戻ってきた。3月1日決議とアメリカのイラク占領について議論した。イェニ・シャファク紙は、3月1日決議に対してはっきりとした姿勢を示し、コラムニストはトルコが認めない限り、アメリカはイラクを占領できないと訴えていた。ギュル首相に「あなたは国を指導している。あなたの手には国の諜報機関がもたらした情報がある。アメリカはイラクに入るとお思いですか?」と尋ねた。ギュル首相は「イラクに入るだろう」と答えた。「ならばいつだと思います」と聞き返すと、「3月中旬か4月頭だ。しかし5月は絶対に超えない」と返答してきた。「なぜ5月は超えないのです」と再度聞くと「アメリカの兵士の制服を調べた。全て冬用だった。5月を過ぎてからはイラクでは砂漠の暑さが始まり、そこは地獄と化す。5月前に入るのだ」 と語っていた。彼が言ったようになった。アメリカは、イラクに4月20日に介入した。

エルドアン大統領は「戦場と同時に交渉の席にいる」と述べた。今まさに机上で話されていることが戦場で後追いしている。

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( 翻訳者:市野太音 )
( 記事ID:42678 )