ソズジュ紙捜査、記者2名逮捕・1名釈放
2017年05月26日付 Cumhuriyet 紙


イスタンブル共和国首席検察局によれば、ソズジュ紙社長のブラク・アクバイ氏及び共に働く人びとに対して行われた捜査で、拘束されていたギョクメン・ウル記者とインターネットサイト責任者で編集長のメディハ・オルグンが逮捕された。財務責任者のヨンジャ・ユジェカレリは釈放された。

チャーラヤンにあるイスタンブル裁判所に連行されたベキル・ギョクメン・ウル記者と新聞社のインターネットサイト編集長メディハ・オルグン、新聞社の財務責任者ヨンジャ・ユジェカレリに対する検察の尋問が行われた。首席検察局は、ウルとオルグン両名を「組織内部のヒエラルキーに関係してはいないが、知りながら望んで組織を支援し」、「共和国大統領に対する暗殺計画と攻撃実行の支援をした」罪で、ユジェカレリ財務責任者も「組織内部のヒエラルキーに関係してはいないが、知りながら望んで組織を支援した」罪で、逮捕請求し、輪番の軽犯罪裁判所に送検した。同時に首席検察局は、送検書類で逃亡の疑れのあるブラク・アクバイに関して逮捕状を請求した。

首席検察局の送検書類では、キュチュク・チェクメジェ共和国首席検察局によれば、ソズジュ紙の2016年1月1日付けの新聞で「2016年のあなたの運命は、表でご覧の初めの3人の人物が今年もあなたの人生にも現れるでしょう」という見出しで発行されたクロスワードパズルの表で「イェルドアン、タイイピジ、イェズィト、オルレジェプ(大統領の姓名をいじる言い回し)」という単語があったことを理由に、捜査に至ったことが明らかにされた。

「共和国大統領に対する暗殺攻撃を容易にする」、「トルコ共和国政府に対する武装暴動を容易にする」罪で準備された容疑に関する梗概書がイスタンブル共和国首席検察局に送られたことで捜査が開始されたとする送検書類では、2016年7月15日のフェトフッラー主義テロ組織/パラレル国家構造(FETÖ/PDY)テロ組織メンバーによって実行されたクーデターと関連して、当日16時頃に同新聞社が共和国大統領の滞在場所を突然報道したと記された。また同書では、これがクーデター実行者たちと共にクーデターの進行を容易にするための後方支援として実施されたと強調し、この目的で同紙で「ソズジュ紙がエルドアンを見つけた」という報道が行われ、その時点で共和国大統領レジェプ・タイイプ・エルドアンの所在場所の詳細が世論に知られていなかったが、同報道と共に世論に知られることになったと明らかにされた。

送検書類は、テロ組織FETÖのメンバーによって、それから何時間か後にクーデターが実行されたと記述し、容疑者は、ベキル・ギョクメン・ウル記者とインターネットサイト責任者で編集長のメディハ・オルグンであると説明されている。

同書類は、一人以上の国民が別々に、新聞社が共和国大統領に対して計画された暗殺のために場所を知らせて手助けし、標的を示し、テロ支援を行い、イメージ操作に努めたとし、[この件で]告発があり、6つの別の捜査が進行しているとして、これらの捜査が実質的・法的な関連がある故にひとつに纏めることにしたと明らかにした。

■経験ある記者の3つの証拠

また同書類は、新聞報道の分野で実績があるとの評価を受ける3名の証言が得られたとし、この証言で「新聞社社長で容疑者のブラク・アクバイが外国でFETÖ/PDYと接触し、突然頭角を現して新聞社を立ち上げ、これにより反対勢力のコントロールの下に置かれ、これについて新聞で記事や報道が出たが関係者から反論が出ず、クーデター未遂まで同紙でFETÖに批判的なニュー スについていかなる報道も行わず、組織が新聞社を支援し、目的に向かって行動し、一見異なる考えを持つ記者スタッフを雇っていたが、重要な支援は組織が行い、例えば新聞社のアンカラ支局代表のサイグ・オズチュルク氏はFETÖのブラジル組織責任者であるイマームのハミデュラフ・ オズチュルクの息子である」と述べた。

■逮捕を要求

同書類では、首席検察局によって金融犯罪捜査委員会と関係する機関に、書類が送られ情報請求が行われたとし、これらが専門家委員会に渡され、そこから報告書を受け取った、説明された。また報告書にあった証拠のうちの1つが、ソズジュ紙を所有するブラク・アクバイが同時に所有していたエステティキ出版・航空輸送有限責任会社に関してFETÖ/PDY捜査を受けた企業と深い関係にあったことが明らかにされた。「専門家の報告書で明らかにされ、FETÖ/PDYと関係するとされる人物と組織について、テロ組織犯罪局による捜査対象の中でも深く捜査が行われたと説明された」と述べられた。容疑者たちが容疑の罪を実行したことについて、強力な犯罪容疑の存在を示す事実と逮捕理由が記述され、ウル記者、オルグン編集長、ユジェカレリ財務責任者の逮捕を認めるよう求めた。

■2人が逮捕され、1人は釈放された

輪番の裁判所も、容疑者のうちヨンジャ・ユジェカレリ財務責任者について、「組織のメンバーであり、また、組織と知りながら望んで支援をしたことについて他に確かな証拠が入手できず、犯罪容疑を裏付ける強力な証拠が存在しない」との理由で逮捕請求を却下する決定を下した。

ウル記者の「トルコ共和国大統領に対する武装暴動に参加した罪」での逮捕要求も、この犯罪に協力していたという捜査書類上で確かな証拠が見つからなかったことで、この罪による逮捕要求は退けられるという結論が出された。容疑者のメディハ・オルグン編集長とベキル・ギョクメン・ウル記者がFETÖ/PDYのメンバーであり、組織のヒエラルキーの中で地位を得ていたことについて捜査書類上の確かな証拠がなかったことで、逮捕理由がないと判断が下された。オルグン編集長が「共和国大統領に対する暗殺計画と実際の攻撃支援」の罪によって逮捕されると決定を下す根拠がないと判断された。

輪番の裁判所は、容疑者のうちベキル・ギョクメン・ウル記者が、7月15日に共和国大統領の所在場所をクーデター企画者たちが知らない状況で、これを報道して共和国大統領の所在場所と位置を世間に拡散し、もう一人の容疑者であるメディハ・オルグンも編集長としてこの報道に責任があると判断するに至った。

決定では、アンカラ共和国主席検察局の行った捜査と世論に広まった報道により、共和国大統領の側近も、大統領の所在地を知らず、共和国大統領府の職員たちから居場所を聞き出そうとしたことが強調された。

裁判所は、捜査対象となっていると知りながらトルコに戻らず、世間に知られた3人の記者の発言内容によれば、組織内で養成されたブラク・アクバイ社長が組織の目的に沿って新聞を発行し、これによって容疑者たちが長期間務めを果たしていたとし、捜査書類に入ったMASAKの報告書と、2016年1月1日付の新聞のクロスワードパズルで出題された表現を共に検討すると、ソズジュ紙が組織の目的に沿って行動し、スタッフたちをもこれに応じて配されていた、とした。

裁判所は、容疑者のうちオルグン編集長は「テロ組織との認識がありながら望んで支援した罪」によって、ウル記者については「テロ組織との認識がありながら望んで支援した罪」と「共和国大統領に対する暗殺計画と実際の攻撃へ援助した罪」によって逮捕の決定をした。

■刑務所へ送られた

逮捕者のうち、ソズジュ紙のインターネットサイト責任者メディハ・オルグンは、チャーラヤンにあるイスタンブル裁判所からバクルキョイ女性刑務所に送致された。1時30分頃に刑務所に連れてこられたオルグンを3人の新聞記者仲間が勇気づけた。同じ捜査で新聞社のイズミル支局のギョクメン・ウル記者も逮捕され、財務責任者のヨンジャ・ユジェカレリについては釈放された。

■「捕らえられたのは反対者」

決定後に裁判所前で声明を発表した共和人民党国会議員のエニス・ベルベルオール氏は、「2人の貴重な新聞記者である我々の友人が、今日あなた方が私の背後に見ている名ばかりで全く公正さのない建物で裁判所によって逮捕された。設立した日から今までFETÖという組織にみんながへつらっている状況の中、声を大にする勇気を示したソズジュ紙と記者たちに対して行われる最大の誹謗は、彼らをFETÖの人間だと宣言することである。さらには、これが起訴状に記され、裁判所で受け入れられることである。ご存知の通り、これはただのお芝居だ。ここで裁かれたのは[政権にもの言う]反対者である。捕まえられたのは反対者である」と述べた。

■「ここで捕らえられたのは新聞記者」

共和人民党国会議員のバルシュ・ヤルカダシュ氏は、「ここで捕らえられたのは新聞記者だ。ここで手錠をかけられたのは、人びとの情報を得る権利である。2人の我々の友人は何ひとつとして確かな証拠によらず、信頼性のない理由で捕らえられた。共和国大統領の滞在していたホテルがニュースとして書かれたことや、これが 報道で広められたことを理由として、共和国大統領暗殺罪という明らかに理屈や法に合わない理由で現在、刑務所に送られているのである」と述べた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:佐藤彩乃 )
( 記事ID:42729 )