カタール危機を読む
2017年06月05日付 Hurriyet紙


サウジアラビアをリーダーとするアラブ6か国がカタールとの外交関係を断つ決定を出し、世界中を驚かせた。イスタンブル文化大学教員であるボラ・バイラクタル助教授は、この決定についてhurriyet.comにコメントした。以下はバイラクタル氏の分析である。

■カタールと断絶

ペルシャ湾でカタールとサウジアラビア率いる6か国との間でここのところ高まった危機は非常に厳しい決定をもって終わりを迎えた。カタールは、その地域で孤立し、封鎖状態となった。サウジアラビア、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦、イエメン、リビアがとった決定は、要約すると以下のようである。湾岸諸国がカタールと外交関係を断つという決定は、注意を促したり、受動的な態度ではなく、むしろ逆に、圧力、攻撃により速やかな結果を得ることに向けた措置である。

湾岸5か国は自国の大使を引き戻すことだけにとどまらず、カタール人外交官に自国から48時間以内に退去するよう期間をもうけた。カタール国民には14日の猶予を与えた。カタールはイエメンでフーシ派に対して戦う有志連合から追い出された。当該諸国は、領空、領海、港をもカタールに対し閉ざした。サウジアラビアからペルシャ湾に伸びる半島であるカタールは、このように文字通り孤立した。大陸との陸のつながりも断絶し、外の世界とのつながりはほとんど切られてしまった。

■だがこの封鎖の意味は何なのか?どのような結果をもたらすのか?

まず最初に、次のことを言わなければならない。この動きはアメリカでドナルド・トランプの大統領就任とともに実行に移されたイラン包囲政策の結果である。トランプは先月サウジアラビアを訪問した際にこの政策を十分に明確にし、サウジアラビアをイラン包囲の中心に据えた。リヤドと行われた何百万億ドルの武器売却契約はこのことの一つの反映である。

■イランという要因

カタールも、イランとよりバランスの取れた関係を築きたいと思っている。オマ―ンと共に湾岸協力理事会でカタールは、イランと緩やかなつながりを結んでいる。その後否認される、「イランはイスラム世界の中の一勢力である」とのカタール首長の言葉、アメリカに対してイランをサポートする態度は、カタールをサウジアラビアの標的とする事になった。

イランとともに世界最大の天然ガス資源を持つ、150億という石油埋蔵量をもつカタールは、地政学上の立場故にイランと共に動く際に湾岸のバランスに影響を及ぼしうるポテンシャルを持っている。このため、サウジアラビアはカタールを対イラン連合の中に無理にでも引き込み、これがうまくいかなければ孤立させて影響力を削ぐよう努めているといえよう。

封鎖の決定に対してカタール側から行われた最初の発表では、シェイフ・ムハンマド・ビン・アブドゥッラフマーン・アル=サーニ外相が、「不当な実施であり、これらは、根拠のない噂や非難に依拠している」と話したのは、ドーハが対話のための窓口を模索していると解釈可能である。カタールは「待て、説明できる」と言っている。

■体制の安全

カタールが孤立させられる2つ目の理由は、他の湾岸諸国がムスリム同胞団とそれに類いした活動を恐れているためである。

カタールは昔から、ムスリム同胞団組織に政治的、また財政的な援助を行ってきた。カタール中心の巨大アラブ放送局はこの組織を支援し、これはアラブ世界、 政治に影響を与えている。サウジアラビアをはじめとした他の湾岸の王国は、エジプトで起こったことに似た反乱の波を体制の安全の面から実存的危険と見ている。このため、カタールにはこの種の放送を辞め、この種の組織への援助をやめるよう求めているのである。エジプトの軍事クーデターのリーダーであるアブドゥルファッターフ・アル=スィースィーはこの理由で自国でアル・ジャズィーラの放送をずっと以前に終わらせ、一部記者を逮捕した。ムスリム同胞団は多くの国で「テロ組織」と認定されている。

このため、ドーハは「テロ支援」で非難されている。カタールは、組織リーダーが同国で暮らし、活動を継続することを許可したため、標的となった。似たような形でパレスチナのハマスも長い間この理由で圧力を被り、最終的に過月ムスリム同胞団とのつながりを断つ文書を受け入れた。カタールに求められているのはこのことである。エジプト外務省は、ムスリム同胞団のことを追い越して、カタールを「アルカイーダとイスラム国の思想を広め、シナイ半島にあるテロ組織を支援し、他のアラブ諸国の内政に干渉している」と非難している。この議論はもちろん新しいものではない。バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦は2014年にカタールを内政干渉で非難し、外交関係を断っている。

■西側は何と言っているのか?

カタールは、湾岸諸国同様、中東石油の流れを統制下に保とうとつとめるイギリスとアメリカにとっても重要な国である。アル=ウデイド空軍基地はイギリスとアメリカの航空機によって使用されている。2003年にサウジアラビアのスルタン王子空軍基地を離れた西側の軍隊を抱えるこの基地は、アメリカ中央軍 (CENTCOM)の作戦基地の一つである。アメリカのレックス・ティラーソン国務長官は、封鎖決定の後に双方に対話を呼びかけた。アメリカはこの危機により、湾岸協力会議、孤立したカタールへの影響を増す機会を捉えたことになる。

■カタール航空に打撃

経済的側面もある。この決定は、世界の最も重要な航空会社の一つであるカタール航空の活動にも影響する。空港使用、旅客の選択という両面で、カタールは大変な打撃を被ることになろう。カタールの石油と天然ガスをペルシャ湾から出すことも難しくする。この状態はこの国をイランにより近づけることになる可能性もある。

■トルコの立場は

外交上、EUからの批判、ドイツとはPKK(クルディスタン労働者党)-フェトフッラー・テロ組織(FETO)-インジルリキ基地、アメリカとはクルド民主統一党(PYD)-クルド人民防衛隊(YPG)、ロシアとはアサドの将来、といった様々な問題を抱えるトルコにとって、湾岸諸国の構図は新たな、負担となる問題が始まったという意味になる。カタールはトルコにとって地域の重要な同盟国の一つである。経済、金融、エネルギーの面から協力している両国は、シリアとパレスチナでも、時々相互に協調している。トルコはカタールで基地を設ける用意をしている。サウジアラビアと他の湾岸諸国も、西側諸国との関係で問題を抱えるトルコにとって大変重要である。現在この両陣営の間で起きている危機ではトルコは細心の注意を払った外交をもって両陣営とも怒らせずに関係を続するようつとめている。両陣営もトルコにどちらかを選ぶよう強いる可能性がある。このため、アンカラは難しい仕事を抱えることになる。

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(翻訳者:内山千尋)
(記事ID:42767)