キプロス問題に光明はみえるか?ー7つの難問
2017年06月28日付 Hurriyet紙


キプロスの保証国であるトルコ、ギリシャ、イギリスは、1968年にレバノンの首都ベイルートで始まり約半世紀にわたって継続している国連監督下のキプロス交渉に終止符を打つためスイスのクラン・モンタナで一堂に会した。各国は、北キプロス・トルコ共和国(KKTC)とキプロス・ギリシャ政府が連邦制の下で統合し、自動的にEUの加盟国となる新しい「キプロス連邦共和国」の建国を目指す。会議で最も重要なテーマは、トルコのキプロス島への介入権と島に駐留するトルコ軍がどうなるかだ...

1974年のキプロス平和作戦[=トルコ軍のキプロス進駐]後に島で紛争が起こらなかったことで、キプロス問題は国際問題の中で見過ごされ、その間に交代した世代は、もはや問題が何であるのかでさえ忘れてしまい、キプロス問題は外交上の問題となった。東地中海で近年次から次に発見される天然ガス田は、この問題を再び国際問題の最前列へと引き上げた。キプロス問題は同時に常にトルコのEU加盟プロセスの障害になっている。2週間にわたって開かれる予定のキプロス会議における課題を要約すると以下のようになる。

■誰が参加するのか?

保証国のトルコ、ギリシャ、イギリスは、外務大臣級で参加している。キプロスのトルコ系とギリシャ系の首脳も会議に参加している。EUは2004年に国連事務総長コフィー・アナンの名前で知られるアナン・プランを南キプロスが否決したにも関わらず、キプロス全体をEUに組み込もうとした。ギリシャ系は国際的な承認を受けたためEUの加盟国となり、キプロスのトルコ系住民は、プランに賛成だったにも関わらずEUに加わることはできなかった。KKTCの領土はEUの域内とみなされているが、キプロス問題が続いているためEUの規則は適用されていない。もし会議において解決策が見いだされれば、キプロスのトルコ系住民も自動的にEUの一員となる。このためEUも会議にオブザーバーという立場で参加している。会議の主催者は国際連合だ。国連は会議と外交交渉のプロセスを取り仕切っている。

■保証とは何か?

会議で交渉が行われる最も重要なテーマは安全と保証になる。キプロスは1960年までイギリス領だった。キプロスのトルコ系住民とギリシャ系住民はイギリスからの独立を宣言しキプロス共和国の名のもと新しい国をつくった。トルコ、ギリシャ、イギリスは、新国家の保証国となった。協定では保証国へキプロス島に憲法秩序が侵害された場合に介入する権利を与えている。ギリシャ系住民はギリシャと統合するために(エノシス)1963年にトルコ系住民を武力で強制的に政府から追い出した。ギリシャの軍事政権も1974年にキプロスでクーデターを起こしギリシャと統合する決定を下した。トルコはクーデターの直後に保証国の権利を行使して1974年7月20日にキプロス平和作戦を実行した。キプロス問題において保証とは実際のところ、トルコの軍事介入の権利、安全とは、キプロス島におけるトルコ軍の存在であると思われている。

■誰が何を望んでいるのか?

トルコとKKTCは、保証国の立場とトルコ軍の駐留を問題解決の後も更新しつつ継続するよう望んでいる。更新とは、兵員減少を意味する。ギリシャと南キプロス政府は、それとは正反対に、保証国の権限撤廃とトルコ軍の完全撤退を望んでいる。第三の保証国であるイギリスはというと、今日に至るまで見解を示してこなかった。イギリスにとって重要なのは、島にある海軍及び空軍の2つの軍事基地である。イギ リス軍基地はイギリスの主権が認められていて、交渉でも話し合われない。会議のテーブルで一番余裕がある立場にあるのはイギリスである。

■会議の席に誰が座るのか?

保証国も参加するキプロス会議の第二回目が行われている。第一回会議は今年の一月にやはりスイスのジュネーブで行われた。外務大臣級の最初の会議でギリシャのニコス・コジアス外務大臣は、「我々はまだ準備ができていない」といって時間を要求した。会議は延期された。今日始まった第二回会議でも同じ人物が名前を連ねている。トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、ギリシャのニコス・コジアス外務大臣、イギリスのボリス・ジョンソン外務大臣が参加している。アントニオ・グテーレス国連事務総長は金曜日に会議に参加すると見込まれている。EU代表として欧州委員会のフランス・ティンマーマンス第1副委員長とフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表が会議の席に座る。会議が進展した場合レベルは首相級になる。

■保証システムと軍についてのみ話し合われるのか?

スイスでの会議では二つのテーブルが用意される。第一のテーブルでは保証国のトルコ、ギリシャ、イギリスは、新しいキプロス連邦において安全と保証がどのようになるのかを決定する。

第二のテーブルではトルコ系とギリシャ系の首脳であるムスタファ・アクンジュ大統領とニコス・アナスタシアディス大統領が、キプロスにおいて今日に至るまで合意できなかった重要な課題を取り上げる。これらの中には、新しいキプロス連邦におけるトルコ系とギリシャ系の両政府の領域を明らかにすること、領土の共有そして南キプロスと北キプロス政府の交替大統領制による統治といった重要な問題が含まれる。

■解決すれば、トルコ国民はキプロスにEUビザで行けるのか?

交渉の場での最重要項目の一つは、トルコ共和国国民の、現在のKKTC、問題解決後のキプロス連邦における立場がどうなるのかという問題である。また、6万人以上の学生がKKTCにある大学で教育を受けている。10万近いトルコ国民が労働許可を得てKKTCで暮らしている。トルコは、解決後にトルコ国民がギリシャ国民と同じ権利を手に入れることを望んでいる。この要望は、EUの4つの自由がキプロス島においてトルコ国民にも適用されるという意味になる。4つの自由とは、入国の自由(ビザなしでの入国)、移動の自由、居住の自由、所有の自由というように要約される。南キプロスは、これに反対している。ギリシャがEUの完全な一員であり、ギリシャ国民とトルコ国民は同じ待遇を受けることはできないと主張している。トルコ国民がビザを取得してからキプロス島に渡ることを望んでいる。

■会議で一つの結論が出なかったらどうなるのか?

キプロス問題はパキスタンとインド間のカシミール問題以後、国連の議題のうちで最も長く続いている第二の協議プロセスである。国連はキプロス協議を1968年にベイルートで開始し49年間間をはさみながら継続している。問題は首脳と国連事務総長を何代も入れ替えた。国連、トルコ、KKTCは、スイスにおけるキプロス会議が最後のステップであり、必ずある解決策を見つけることが必要だと言っているが、キプロス協議の歴史は、外交上の終止符はつかず、カンマが打たれたままさらに後へ続くことを示してきた。南キプロス政府で2月に大統領選挙が行われる。南キプロスのリーダー、ニコス・アナスタシアディスも選挙プロパガンダにさらに力を注いでいる。南キプロスとギリシャが、結論に達するのを妨害し協議プロセスを長引かせるかもしれないという推測がなされている。一方で短期間に解決しなければ、もしくは協議が解決の方向に進展しなければ、南キプロスが一方的に分割しているキプロスの沖合でフランスのトタル社とイタリアのENI社が採掘を開始する。採掘はトルコ、KKTC、南キプロスの間の新しい緊張を意味する。

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:42892)