UAE首脳「カタール危機に係わらずトルコとの関係は堅調」
2017年07月15日付 Hurriyet 紙


カタールに禁輸措置を適用している湾岸諸国のうちアラブ首長国連邦(UAE)は、トルコとの間には緊張がないことを強調している。UAE当局者は、カタールにあるトルコ軍基地に不快感を抱いていないと述べ、カタール危機が継続する一方でトルコとの関係は冷えていないこと、相互の投資が続いていることを述べた。

カタールへの禁輸措置を適用している国の1つであるアラブ首長国連邦(UAE)は、トルコとの関係がこれによって壊されることを望んでいない。2国間で近年急速に高まっている直接投資や貿易、観光活動に言及しつつ、一部のUAEの政府機関とこれらの機関に政策を立てる教育・市民社会組織が、カタール危機解決のための努力を費やしているトルコに期待していることを、我々はUAEの首都アブダビで調査した。4日間の会談の移動の最後に我々が訪問したジャン・ディズダル在アブダビ・トルコ大使は、「危機の解決はこの地域の全ての国々の利益であり、それに向かって尽力し続ける」と話す一方、UAEの当局者らは、トルコとあらゆる件についての関係の進展を支持していること、しかしムスリム同胞団が彼らにとってフェトフッラー派テロ組織(FETÖ)同様の脅威を示していることを特に強調した。

アブダビでの最初の会談は、UAE外務省職員アブドゥッラー・スルタン・アル・ヌアイミー氏との間で行われた。ヌアイミー氏は、「あなた方にとってのFETÖテロ組織がどのようなものであれ、我々にとってはムスリム同胞団がそれにあたる。トルコにおいてこの組織で活動している我が国の国民である9名のテロリストがおり、我々は彼らの送還を求めている。7月15日クーデター未遂の直後、アフガニスタンから来てドバイで乗り換えをする予定だったFETÖのメンバーである2人の将校を空港で拘束し、トルコに送還した。同様の配慮を我々に対抗し活動するテロリストらについてトルコに期待している」と述べた。ヌアイミー氏は、トルコ・UAE間の関係があらゆる観点から非常に強力であること、両国には多くの共通点があることを強調し、次のように続けた。

■関係強化を

「我々は、トルコとの関係をさらに強化したいと望んでいる。現在、アブダビ空港の建設をあるトルコ企業が行っている。非常に大きなプロジェクトだ。貿易額は100億ドルを超えた。貴国から我が国に80億ドル、我が国から貴国へは15億ドルの投資が行われた。不動産投資と観光業も非常に急速に成長している。カタールとの危機が起こる一方でも、トルコとの関係は冷まさなかった。7月15日クーデターではトルコ政府を支援した。UAEは、トルコとの関係に非常に留意している。トルコとの政治・防衛協力も行っている。基地問題については、我々にとってカタールはアメリカの領域であり、実際トルコに基地建設の許可を出したのはカタールではなくアメリカだった。これに対し、我々はトルコがカタールに基地を持つことに反対していない。我々にとって最も重要なのは、この9名の送還だ。トルコの世論は間違った方向に向けられている。我々はトルコ軍に対していかなる反対もしていない。問題はムスリム同胞団に関する態度である。我々は、諸テロ組織の排除を望んでいる。」

■トルコは「ソフトパワー」であり続けるべき

エミレーツ・ポリシー・センターのエブテサム・アルケトビ会長は、自分たちはUAEの対外関係についての政策を作り出すシンクタンクであると述べ、トルコとUAEの関係について次のような見解を述べた。「トルコは我々にとって非常に重要であり、トルコとの関係をさらに良くすることを望んでいる。なぜなら、トルコは地域における力となったからだ。もちろん、我々とだけではなく全てのアラブ諸国とトルコの関係が良好である必要がある。トルコはソフトパワーとしての像に非常に適した文化とメディア、イスラムの理解を持ち、アラブ世界にとって非常によいモデルだ。ムスリム同胞団を支援することはこのソフトパワーの認識を破壊する変化である。トルコは我々にとって近代性と世俗的イスラム国家のモデルだった。UAEとトルコの類似点は非常に多い。我々も過激主義を信じてはいない。あなた方もだ。さらに、トルコは成功した経済のモデルであり、我々もそうだ。両国とも地域における安定を望んでいる。」

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:42981 )