EUからの経済支援カットか―独、トルコへの経済圧力
2017年08月18日付 Hurriyet 紙


ドイツがトルコに対する経済的圧力を強めようとしている。ドイツ政府の働きかけにより、今秋にEUからトルコへ行われる予定の財政支援において、数億ユーロの削減が進められていることがわかった。

トルコ・ドイツ間の緊張関係が続く中、トルコ政府に対する圧力を強めるため経済的措置をとっているドイツは、EU内においても働きかけを行っている。ドイチェ・ヴェレのトルコ語放送によるニュースによれば、ドイツ政府の働きかけにより、EUはトルコへの財政支援削減を進めているという。

ドイチェ・ヴェレトルコ語放送が外交筋から得た情報によると、トルコに対して2014年から2020年にかけて約44億5千万ユーロの支援を行うと計画していたEUは、直近の出来事を踏まえて今秋行われる予定の中間報告会議にて、この財源の削減に向けて準備を進めているという。

略して「IPAⅡ」と呼ばれる加盟前支援措置の中間報告会議が、9月または10月に行われる予定であると明かしたEU外交筋は、会議後にこの財源の中から数億ユーロの削減が行われると見込みであると述べた。

最終的な数字については、欧州委員会が行う評定後に詳細が判明すると予想される。

■目的は政府に対する圧力

ドイツは新聞記者や人権活動家らを含む10名以上の市民がトルコで逮捕されたことを理由に、先月トルコ警察を厳しく非難し、公正発展党(AKP)政権に対する経済的圧力を行うため一連の措置を発表した。メルケル内閣はこれらの措置の一環として、EUが行う財政支援の再検討、及びこれらの制限を求めていた。

外交筋によると、EUがトルコに対して確保していたと見られる約44億5千万ユーロの支援は、2014年にEU・トルコ間で署名された枠組み同意に基づき捻出された。しかしこの同意の中に、加盟候補国であるトルコの民主化や人権の衰退が見られた場合、財政支援の停止を予告するような条文は記載されていないことが注目された。

しかしながら、EUはこの財政支援がトルコの加盟交渉を目的としており、近年の出来事などからこれらの財源が利用される見込みの分野が減少しているという判断に基づき、財源削減を進める予定であることがわかった。

トルコが「提供された資金を受け入れるだけのキャパシティを持っていない」と発言した外交官らは、EUの内部規制がこうした状況では財源の削減を進める可能性が高いことを強く主張した。

EUの情報筋は、IPAⅡの資金がトルコのEU基準へのアプローチや法治国家、司法の独立、報道の自由といった価値の発展、並びに公共機関がこうした方向性でその能力値を高めることを目的に付与されるものであると主張される一方、「こうした方向に進まないトルコのような国には、これらの財源は付与されえないし、付与されない」と強く述べた。

あるEU関係者は、トルコに対して民主主義や統治による法の優位性や基本的人権向上のため、15億8140万ユーロの財政支援が見込まれていたと述べ、以下のように話した。「例えば、この財政支援により司法改革や裁判官及び検察官らの教育といった民主的法治国家の強化を目的とした制度的な能力の向上が見込まれていた。しかし、トルコ政府のこれらの分野に対する関心が薄まってしまった。」

■ドイツは関係断絶を望んではいない

EUがトルコに対する財政支援削減に進むことを可能にするもう1つの方法が、加盟交渉の中断だ。

しかし、EU関係筋はこうした方向に進むことをドイツも欧州委員会も望んではいないと強調する。

ドイツ政府は、今後の取り組みがAKP政権において影響を与えること、民主主義や法治国家、人権、報道の自由といった分野において建設的な一歩が踏み出されることを期待している。

ドイツのアンジェラ・メルケル首相は直近で行った会見において、トルコでEU加盟プロセスを支援する人々を失望させてはならないと強く主張した。

メルケル首相は、「トルコはエルドアン大統領や彼が率いる政府だけで形成されているわけではない。国の50%が国民投票で『NO』を突きつけたことを忘れてはならない。そして彼らはわれわれにも期待を寄せている」と話した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:43267 )