国外盗難のローマ時代ヘラクレス彫像棺、50年ぶりに返還へ
2017年09月08日付 Hurriyet 紙


ついに…スイスへ国外盗難されたヘラクレス彫像棺が返ってくる

アンタルヤ博物館関係者は、2010年にスイスで押収され、50年前にトルコから国外盗難され、ローマ時代の、「ヘラクレスの12の試練」の像が描かれた彫像棺に関し、返還のため、ジュネーブへ行った。


スイス連邦政府は、ギリシア神話ではヘラクレス、ローマ神話ではヘラキュルとして知られる神話の英雄の「12の試練」の像が描かれた彫像棺が国際盗難されたものである可能性についての通知を2010年に受け、この歴史遺産を押収し、トルコと折衝を行った。

スイス連邦の文化庁は、紀元前2世紀の末、ローマ帝国時代に作られた彫像棺がアンタルヤからスイスへ国外盗難されたことを明らかにした。ヘラクレス彫像棺が、アンタルヤのアクス郡内に位置するペルゲ古代都市の墓地跡で1960年代に違法な発掘で発見されたこと、国外へ流出したことが、明らかになった。

■省庁の専門家はジュネーブで

紀元前2世紀にさかのぼるローマ時代の彫像棺は、長さ235センチ、幅112センチ、重さ3トンであることが知られている。ジュネーブで3ヶ月展示された彫像棺は、トルコへの返還準備が始められる。ジュネーブ大学芸術歴史博物館にあり、50年以上たった末に再び元の土地へ持ち帰られるヘラクレス彫像棺のために、アンタルヤ博物館長ムスタファ・デミレルと博物館関係者はジュネーブへ行った。

■アンタルヤ博物館で展示される

ヘラクレス彫像棺がアンタルヤへ返還されることに関し、ジュネーブに滞在中のムスタファ・デミレルは、返還のための活動が続いていること、未だ(トルコに)戻る日程は決まっていないと述べた。事務的な手続きの後、省庁の専門家の監督のもとで、トルコへ持ち帰られることになっている彫像棺は、アンタルヤ博物館で展示されるという。

■ヘラクレスの12の像

神話によれば、アンフィトリオンが戦争へ行っている間に、彼の目論見でアルカメーネと関係をもったゼウスは、アルカメーネからヘラクレスという名の子を授かる。アルカメーネがゼウスの子を身ごもったことは、女神ヘラを激怒させる。半分は神として、半分は人間として知られるヘラクレスは、神の力とヘラ(の力)に耐えられず、ある晩、気が狂い子供と共に家族を火で殺す。ヘラクレスはこの殺人の後、ピシア=アポロンへ神託に赴き、エウリュステウスに仕えながら、彼が与えた(12の)職務を果たすことが決められる。

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( 翻訳者:善方由美子 )
( 記事ID:43358 )