HPDトゥールク副党首の母親の葬儀で、暴行事件
2017年09月13日付 Cumhuriyet 紙


国民の民主主義党(HDP)共同副党首のアイセル・トゥールク氏の母ハトゥン・トゥールクさんの葬儀で、参列者に対する暴行事件が発生した。暴行事件の後、トゥールク氏の母の遺体は墓地から出された。遺体はトゥンジェリに埋葬される。

HDPのアイセル・トゥールク共同副党首は[葬儀参列のため]特別許可を得て刑務所から出たが、彼女の母ハトゥン・トゥールクさんの葬儀で参列者に対する暴行事件が発生した。暴行事件の後、トゥールク氏の母の遺体は墓地から出された。遺体はトゥンジェリに埋葬される。

アイセル・トゥールク氏の母ハトゥン・トゥールクさんは昨夜、アンカラで死去した。ハトゥン・トゥールクさんの遺体は今日、バトゥケントのジェムエヴィ[=アレヴィー派の礼拝場所]に運び込まれた。同じ場所で行われた葬儀には、HDPのセルピル・ケマルバイ共同党首、オスマン・バイデミル報道官、同党国会議員、アフメト・チュルク、近親者らが参列した。

コジャエリ・カンドゥラFタイプ刑務所に収監されていたアイセル・トゥールク氏も、特例により軍警察の同伴の下で葬儀に出席した。葬儀の間、トゥールク氏を近親者は慰めていた。

■遺体は墓地から移動

ハトゥン・トゥールクさんの遺体は埋葬のため、インジェキ墓地に移送された。その場にあるグループが集結し「ここには戦死者の墓地がある、テロリストの遺体は埋葬させない」と言って葬儀の参列者に暴力を振るった。

警察の機動隊が多数現場におり、事件の収拾にあたった。50人規模のグループによる暴力事件の後、遺体は墓地から運び出された。ハトゥン・トゥールクさんの遺体はトゥンジェリに埋葬されるとみられる。

■遺体はトゥンジェリに埋葬

葬儀の際に40~50人規模のグループが集まり、ハトゥンさんの遺体がここに埋葬されることに反対した。このため親族は、将来墓に危害が加えられるのではと考え、遺体をトゥンジェリに埋葬することを決めた。ハトゥン・トゥールクさんの遺体は、埋葬する予定だった墓地から出され、再度葬儀を行ったジェムエヴィに運び込まれた。

■県庁:事件の後、葬儀主催者は埋葬を諦めた

アンカラ県庁は、HDPのアイセル・トゥールク共同副党首の母ハトゥン・トゥールクさんの遺体を埋葬する際に発生した事件について発表した。発表によると、 20~25人規模のグループが埋葬の妨害を試み、ハトゥンさんの近親者は遺体をインジェキ地区墓地に埋葬することを諦めたとされる。発表は以下の通りだ。

「2017年9月13日、元国会議員のアイセル・トゥールク氏の母である故ハトゥン・トゥールクさんの遺体がインジェキ地区墓地で埋葬される際、 20~25人規模のグループが乱入し埋葬の妨害を試みた。治安部隊がすぐさま事件の収拾にあたり、安全のために必要な措置を行った結果、このグループは墓地を離れた。この事件の後、葬儀主催者は故ハトゥン・トゥールクさんをインジェキ地区墓地に埋葬することを諦めた。」

■ソイル内務大臣、葬儀に参列

事件が明るみになった後、スレイマン・ソイル内相が墓地に向かったと伝えられ、また「スレイマン・ソイル内務大臣と共に葬儀の現場へと移動し、現場を実地検証した。墓地現場にいた国会議員や故人の家族、近親者と会い、遺体の埋葬に関して家族が下した決定を実行するために、あらゆる措置をとると本人達に伝えられた」。

■「家族の決定通りに、埋葬が行われる」

発表では、家族の決定通りに埋葬が行われるとされており「家族と近親者はこの事態について話し合うために集まった。家族や他の近親者が下した決定によると、埋葬は行われる。我ら県庁は、埋葬を含むあらゆる援助を行い、必要な措置をとる予定である。故人に神の慈悲があることを祈り、近親者にはお悔やみを申し上げる。また、墓地での埋葬を妨害する試みに関する法的・行政的な命令を発令した。皆様に慎んでにお伝えする」と述べた。

■トゥンジェリに移送

元国会議員のアイセル・トゥールク氏の母ハトゥン・トゥールクさんの遺体は、バトゥケントのジェムエヴィからトゥンジェリに向かった。

インジェキ地区墓地で埋葬される際に暴行事件が発生したため、バトゥケントのピール・スルタン・アブダル・ジェムエヴィに運び込まれていたアイセル・トゥールク元国会議員の母ハトゥン・トゥールクさんの遺体は、埋葬のためにトゥンジェリへ向かった。遺体はバスに載せられ、警察の護衛の下アンカラを離れた。

■スッル・サクク氏:遺体の埋葬さえ許されなかった

民主的諸地域党(DBP)所属のムシュ共同市長スッル・サクク氏はこの暴力事件に関して「我々は殺戮の脅威に晒されている。彼らは遺体の埋葬さえ許さない」と述べた。

■トゥールク氏の母の葬儀における暴力事件、支持者さえも反発

支持者のアデム・オクキョセ氏は、アイセル・トゥールク氏の母の葬儀における暴力事件について、ソーシャルメディア・Twitterで反発した。オクキョセ氏の投稿では「兄弟よ、遺体に鞭打つとは何事だ。如何なる信仰、良心、人間性に照らし合わせても、誰の母であっても80歳の女性の遺体が墓から引き出されるべきではない。これほどにまで人間性を失ってしまったのか?80歳の女性の遺体を墓から引き出されたことに声を上げるには、そのことがアラカン(ミャンマー・ロヒンギャの居住地(注))で起こっている必要があるのか?恥ずかしいことだ」と述べた。

(注)トルコではミャンマーで起こっているロヒンギャの人びとに対する暴力・殺戮事件が盛んに報道されている。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:43396 )