北イラク、国民投票もトルコの投資やまず
2017年09月18日付 Hurriyet 紙


気候はとても暑く、42度である。しかし、都市の中心部アルビル城塞の周辺は、あふれんばかりに混雑している。子連れを含むたくさんのアルビルの人々は、バルザーニ政府が9月25日に行うと発表した国民投票を前に、毎日のようにこの広場に集まっている。マーチや民謡を歌っている。北イラクのクルド地域で最も大きい都市であるアルビルの全ての場所が旗で満たされている。人々の話題も国民投票一色である。政府の主張によると、国民投票で賛成と答える人の割合は75%である。

しかし、[イスタンブルの]エジプシャン・バザールに似た旗の飾られた市場で私たちが行った短時間の街頭インタビューでは、国民投票によって混沌と混乱が生み出されるという恐怖により、人々の間で不安が生まれていることも示されている。この地域では、長い間経済が停滞している。中央政府からのお金が届かないため、給料の支払いは遅延している。途中で建設が止まってしまった建物がたくさんある。お金を手に入れられないトルコ人投資家の多くは、トルコに戻った。アルビルの輝かしい時代には、投資総額は300億ドルにも上り、20万人近いトルコ人がいたが、現在は2千人から3千人といわれる。

しかし、この都市ではそれでもトルコとの貿易は強固であると感じられる。食品から繊維製品までトルコからの輸入である。今年の上半期における50億ドルにのぼる輸入額もこの証明である。この地域の5つ星ホテルを手掛けたディーワーン社のタルカン・アクソイ総支配人は、ホテルの50%は稼働していると述べている。 昔に比べると減少したとしても、トルコ人実業家と外国人実業家のこの地域への関心は続いていると言う。アルビルの最初の大型ショッピングセンターであるファミリー・モールはというと、ほとんどトルコにある大型ショッピングセンター(AVM)の一つのようである。LCワイキキ、コトン、デファクト、コレジオーネ、マヴィ、マドはAVMに入店する最も重要なメーカーである。関係が冷え込んだように見えていても、トルコからトルコ航空、ペガスス、アトラスグローバル、オヌル・エアーのフライトは、 1日に3、4回はある。国民投票の最中にアルビルに来た理由は、開店である。マドのこの地域での4つ目の支店が開店するからである。マドの代表者はトルコ出身である。アーチストのロージン(注)である。

開店に招待されたとき、招待客の中にはビナリ・ユルドゥルム首相をはじめとするたくさんの国会議員の名前が明らかにされた。しかし、関係が悪化し、バルザーニが[国民投票の]撤回を避けた状況で政治家はおろか、アルビルのメフメト・アリ・イナム総領事でさえ開店に来なかった。アンカラ政府から警告が発せられたことも周知のとおりである。

■101年という期間

マドはというと、取締役のメフメト・ユルマズオールとリュトフュ・ビルメンが代表出席した。北イラク政府からの参加者はというと、上級の者であった。イラク・クルド自治政府セフィン・ディヤズィ報道官と地方公共団体および観光大臣ナウローズ・マウロー・アミンが開店に参加した。ディヤズィ報道官と短い時間であるが話をすることができた。今日までとても重い犠牲を払って、国民投票を実施すると述べた。

「このつけはもちろんあろう。しかし、私たちはこのつけを101年である、ひどく支払ってきたのだ。本来の目標は、国民投票ではなく、独立である。国民投票では人々にイラクと長年ともにあった、状況はこうである。イラクにこのまま残りたいのか、独立したいのかが問われる。どうして誇張しようか」と述べた。

ディヤズィ報道官によると、[独立]賛成はアンケートによると75%を超える。「私たちは、 突然、現れてきたのではない。この戦争は、様々な要求が常にあった。独立したならば、この地域の全ての民族と共生する。憲法と民族の権利を保証する。思想の自由、信教の自由も保証する。世界の基準を適用する」と続けた。

アルビルで興奮した期待がある。しかし、暮らしは続く。記者は、この町に7年前にも来た。町の通りで女性たちの姿はさらに増え、生活水準は、以前より少しあがった気がする。一部層で恐怖が増しているのは、これによるものである。

アルビルで2010年に最初のマドを開店したロージンは、長年にわたって関心を受けているため、3つ目の支店を開店し、深い関心には満足していることも付け加える。

■サウジアラビアとの提携は近い将来。中国でも支店を開店する

マド(MADO(注))は、カフラマンマラシュから世界に羽ばたいた一つのメーカーである。今日、トルコで320店舗、14カ国で48店舗を所有している。今週は、中国のゴウンガズで開店される。取締役メフメト・ユルマズオールは、アルビルの開店後、中国へ行く予定だ。ユルマズオール取締役と少し話をすることができた。少し前に発表したサウジアラビアのVC銀行との会談の状況を質問した。株式の49%を売却する予定のマドでは調印は1週間以内でされるだろうと述べた。

「私たちの目的は、会社が世界規模になることである。なぜ、アメリカのメーカーのようになれないというのか」と述べた。将来、「アイスアカデミー」を創設することを説明したユルマズオール取締役は、1万1千人の従業員を抱えるマドは、研究・開発を大いに重要視していると述べた。

(注)ロージンは、トルコのクルド系の歌手。
(注) MADOはMA(Maraşマラシュ)、DO(dondurmaドンドゥルマ=アイスクリーム)の略。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:43413 )