北イラク住民投票、トルクメン系住民はボイコット
2017年09月22日付 Hurriyet紙


イラク・クルド自治政府(IKBY)が9月25日に実施を予定している独立のための国民投票を前に、キルクークではクルド系住民らは国民投票を支持する一方、トルクメン系住民は国民投票をボイコットすると表明している。キルクークでは、トルコ語で書かれたボイコットのポスターが目立つ。イラクのトルクメン系住民代表スポークスマンであるアリ・メフディ氏は、「『反対』票を投じれば、『国民投票を認識している』と報じられることになる。よって、われわれは国民投票をボイコットする」と述べた。

IKBYが独立のために行う国民投票に関して、政治的緊張が高まる地域の最たる場所がキルクークだ。イスラム国の危機を克服してまだ間もないキルクークの通りは、エルビルの通り同様にアラビア語やクルド語、英語で書かれたプロパガンダのポスターが溢れている。以前に国旗掲揚危機の問題で話題となったキルクーク城では、イラク国旗と並んでIKBYの国旗も掲げられている。両国旗の下に貼られたポスターには、「クルディスタン独立に賛成」というスローガンが書かれている。キルクークは国民投票の件で2つに分裂した状態だ。キルクークのクルド系住民らは「賛成」票を投じると表明する一方、アラブ系、及びトルクメン系住民らは国民投票をボイコットすると表明している。

■解任された知事が仕事をしている

トルクメン系やクルド系、そしてアラブ系住民らが共生するキルクークにおける政治的緊張は、キルクーク県議会の国民投票参加決定により高まった。8月29日に行われた議会において、51名の議員で構成されるキルクーク県議会で実施された投票の結果、21票の賛成でキルクークが国民投票に参加することが可決された。こうした動きを受けて、バグダード政府はキルクークのネジメッディン・ケリム知事を解任した。しかし、ケリム氏はバグダード政府による自身を解任する決定を拒否し、任務継続を表明した。これにより、キルクークで続く国民投票への動きは加速した。

■トルコ語のポスター

キルクークに住むトルクメン系住民らも、ボイコットに向けて活動を開始した。イラクのトルクメン代表により準備され、「市民の分裂に加担、国民投票への参加」、「国民投票に反対」、「市民を分裂させる国民投票に反対」と書かれたパンフレットが配布された。トルクメン民族主義行動は、キルクークの本部ビルにアラビア語とトルコ語で書かれた「国民投票への不参加は全キルクーク市民にとって公共の義務である」というポスターを掲げた。キルクーク市民らは、バグダード・エルビル間で続く国民投票延期交渉をじっと見守っている。

■「認識していない」

独立のための国民投票をボイコットすると表明しているイラクのトルクメン代表スポークスマンであるアリ・メフディ氏は、国民投票に関する戦略を以下のように発言した。「クルド系住民の50%のみが国民投票を支持している。トルクメン系住民として、われわれの戦略は明確だ。われわれはイラク統一を支持している。これは2003年からずっと主張していることだ。キルクークがクルディスタンと統合しないよう、あらゆる闘いをわれわれは続けている。イラクのトルクメン代表やトルクメン系政党は、国民投票に対して初めて反発を示した。われわれは、この国民投票を認識していない。もしも『反対』票を投じれば、『国民投票を認識していた』と見做されることになる。われわれは今回の国民投票が不当であるため、ボイコットするのだ。国民投票に関して、ひと月前に『キルクークで国民投票へ反対』という名の委員会を設置した。委員会の代表は私だ。全キルクーク市民に、特にトルクメン系住民らに国民投票の目的やなぜ国民投票に参加しないのか、ということを説明している。すべての村落や町にある政党支部でこうした活動を行っている。」

■「これは不当な行為だ」

国民投票に関する法律に反していると話すイラクのトルクメン系住民代表でキルクークのコルヤ支部のケマル・バイラクタル支部局長は、以下のように話す。「われわれは今回の国民投票を、全キルクーク市民の名の下に拒否する。この国民投票は不法だ。この国民投票はわれわれだけでなく、全世界が歓迎しないことだ。イラク政府とイラク国民の大多数が、今夏の国民投票を喜ばしく思っていない。国民投票の実施をわれわれは歓迎しない。国民投票に関して、われわれは集会を開いた。各世帯を訪問し、国民投票の弊害を説明してまわった。」さらに、生まれも育ちもキルクークであると話すと系住民のエンヴェル・ベヤトゥルさんは、以下のように話した。「こうした形で国民投票が実施されることには反対です。なぜなら、キルクークには3つの民族が暮らしています。これらの民族は、クルド系、アラブ系、そしてトルクメン系として3つに分かれているのです。しかし、今まで国民投票が議題になることはありませんでした。われわれは平和を愛する民族です。われわれは、キルクークでみながともに暮らすことを望みます。」

一方、キルクークでクルド系住民が多く暮らすラヒマワ街区に住むキルクーク市民は国民投票を支持すると表明し、「キルクークでクルディスタンが建国されれば、トルクメン系住民とは再び兄弟のようにともに暮らそう」と発言している。

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(翻訳者:指宿美穂)
(記事ID:43442)