北イラク住民投票は、70億ドルの貿易に影響
2017年09月25日付 Hurriyet 紙


2日前に行われた閣議では、北イラクの全需要の70%をトルコが供給していることに注意を引き、このためトルコの対外貿易において悪 い影響があったとしても、ハブル国境門の閉鎖と輸出の中止が決定された。実業界によると、住民投票によって70億ドル相当の貿易に影響が出る可能性がある。

トルコで最も重要な話題は、現在、クルド自治政府による住民投票である。政府は、住民投票の決定が誤りであり、決定が取り消される必要があると述べた。先週の金曜、まず国家安全保障評議会を招集し、その後閣議を招集した。住民投票の決定を取り消すように、非常に強く訴えた。土曜には、トルコ大国民議会は、イラクとシリアへの越境軍事作戦について政府に与えられた権限を1年延長することに関し、首相府の延長案を審議をするために臨時に招集された。

朝方、国際的な通信機関にハブル国境門が一方的に閉鎖されたという主張が流された。関税通商大臣ビュレント・トュヘンクジはというと、「現在閉鎖されてい ない。通行は、安全のため厳しく取り締まられている。イラク側からの入国者に対しては、より厳しく通過を許可している。乗り物についても監視を厳しくして いる。今後は状況を見て決める」と述べた。

■上位5位に入っている

政治方面では住民投票の前にクルド自治政府に必要な警告を行う中、イラクに2015年には83億ドル、2016年には72億ドル、2017年の最初の8カ月間で55億ドルの輸出を行ってきた実業界も事態を注視している。近年、トルコの輸出国の上位5位にイラクは入っていると述べた実業界のリー ダーたちは、輸出の大部分がクルド自治政府の統治する北イラクを通過していること、この点で住民投票とその後のプロセスにおいて、さらに事態が悪化すれ ば、輸出が停止する可能性もあると述べた。しかし、実業界にリーダーたちは、輸出が停止されても失うものが大きいのはクルド自治政府と地域住民であると述べている。

■通過貿易で重要

2017年の最初の8カ月でトルコからイラクへ穀物、豆類、ナッツ、食品の分野で11億ドルと最も多く輸出が行われた一方、2位は5億8千9百万ドルで宝石分野、3位は5億4千8百万ドルで化学製品分野、4位は4億6千5百万ドルで既製服分野であった。今までの事態の推移から実業家と輸出業者が影響を受けたと述べた穀物、豆類、ナッツ輸出協会会長ゼケリヤ・メテは、「私たちが損害を被れば被るほど、イラクの人々はより損害を被る。私たちは、200カ国に輸出をしている。私たちは、その損害を何らかの形で相殺可能であるが、彼らは製品を入手することがとても困難になるだろう」と述べた。現在の良くない状況ため、100台の国際輸送トラックが必要なところを75台にしているとするメテ会長は、「来週はというと、200台である。現在、どうなるかは明白ではない。クルド地域は通過貿易にとって最も重要な通過点である。このような事態が続くならば、この重要性は失われる」と話した。

■クルド自治政府はトルコ人に長い間困難を強いている

クルド自治政府に最も多く輸出を行っている分野である化学品・製品貿易協会のムラト・アクユズ会長も、「北イラクと中央政府を分けて考える必要がある。中央イラクに北イラクを経由して移送される。北イラクつまりクルド自治政府は、私たちにことあるごとに困難を強い始めた。中央政府が欲していない書類を要求する。トルコからの貿易を管理下にしようとしてきた。私たちもイランを経由してイラクへ行くことを始めた。こうした措置は、貿易をたいそう困難にしている。さらに、措置はトルコにのみ適応され、イランには何もしてい ない。これも私たちの競争力を低下させた。住民投票が行われたとして、短期的中期的には経済的支障が生じる。住民投票の結果を受けて下される決定が、さらに大きな重要性を帯びる。私たちの願いは、この問題であまり支障が起こらずに結果が生じることである」と述べた。

■イラクへの貿易はどの道から行われるのか

国際貿易協会会長ファティフ・シェネルもイラクへの輸出がどんな条件でどんな道で行われるかを説明した。シェネル会長は次のように述べた。

「イラクへの輸出には、いくつかのルートがある。このうちの一つは、ハブル国境門から出国して北イラクへ行くことである。ここから北イラクに向かう国際輸送トラックは、その後の道は安全ではないため、商品をそこで降ろし、北イラクあるいは中央政府から来たトラックに積み替えるか、そうしたトラックの後ろに付けられている牽引車両部分をそこに残していく。別のルートはというと、ギュルブラク国境門から出国してイランを経由してイラクに入るルートである。しかし、これは道のりが長い。例えば、地中海から生鮮の果物や野菜を輸送する国際トラックは、1500km長く走行する。さらに、イランが許可するかが重要である。さらに、エセンデレ国境門もある。ここから出れば、北イラクを経由せずにイラクに入国できる。」

■ハブル国境門が閉鎖されたら、ほかの国境門では処理ができない

ハブル国境門の閉鎖についても言及したファティフ・シェネル会長は、「イラクに年間45万台が入国する。この大半は、ハブル国境門からのものである。ハブル国境門の処理能力が1日当たり2200台、1700台くらいである。ギュルブラク国境門の処理能力は多くとも600台である。エセンデレはというと、多くて150台である。つまり、ハブル国境門が閉鎖された場合、ほかの国境門では処理できない。イラクに行くトラックのどれだけが北イラクを目指していたか。このことに関するデータはない。実際、北イラクでは多くの問題が起きている。クルド自治政府は、通過するトラックに税をかけている。その後、中央政府も税をかけている。このことも、トルコ製品輸出において競争を難しくしている。イランにとって都合のいい状況が生じている。もし問題が続くようならば、誰も貿易は考えなくなるだろう。しかし、この問題が平和裡に解決されることを望んでいる。さらに、現在、運転手の多くがこの地域へ行きたがらない」と話した。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:43453 )