クルド自治政府住民投票後、どうなる国境検問
2017年09月29日付 Hurriyet 紙


イラク・クルド自治政府(IKBY)における住民投票の後、トルコがとった措置の中には、ハブル国境検問所の代わりとなる国境検問所がある。これらの措置は、同自治区の独立を巡る住民投票を決行し今後の動向が注目されるマスウード・バルザーニー首長に対するものであり、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が議長を務めて9時間の間行われた国家安全保障会議で検討された。

バルザーニー首長が決行した住民投票の結果を履行するか否か、そしてどのような行動をとるのかは未だ明らかでない。しかし、トルコの今後の行動ととるべき措置では「クルドの人民を罰するような、またトルコにおけるクルド人の心を傷つけ、分裂へと導くような策を避けるべきである。この問題はトルコにおけるクルド人に関係すべきものではない」といった細心の注意が払われるだろう。この危機は、トルコの政治・経済にとって最小限の被害で乗り越えるべきである。詳細は以下のようである。

■代わりの国境検問所

ハブルの代わりの国境検問所について議論が深まる中、ハブルの少し西にあるオヴァキョイとイラク南部に繋がるタラフェル―モースル線、その延長線上にあるバグダード―バスラ線が運用可能であろうと明らかにされた。ハベルテュルク紙のビュレント・アイデミル記者によると、ハブルの向かい側、イラク側にはペシュメルゲ軍の支配下にあるハリル・イブラヒム検問所があり、同検問所はイラク軍・トルコ軍の共同軍事作戦によって中央政府の支配下に置かれることが計画されている。イラク中央政府は、40人近くの公務員を派遣し検問所の管理を譲り渡すよう要請したが、バルザーニー首長からは良い返答が得られなかった。 アルビル空港も同じような状況に置かれている。バルザーニー首長は同空港も譲らなかった。イラク中央政府の穏当、慎重、バランスのとれた試みにもかかわらず、その見返りは得られなかった。

ハブル国境検問所とザホ中継所を通る通商路の代替え道路の設置、モースル―バグダード線の建設、そしてモースル-ピシャブル-シロピ間の石油パイプラインを保護下に置くことが計画されている。トルコは、規模が小さくなったとはいえバグダードとの貿易・輸出を途絶えさせないよう目指している。クルド自治区の石油はトル コを経由して輸出されているが、それがモースルへと経由地を変えるのかどうかが問題であり、この点でイラク中央政府からメッセージが届いた。イラク―シリア北部間の国境にはもう1つ、戦略的かつ重要な検問所がある。シリアへ向かう際に通過することになるセマルカ―ティル・コチェル国境検問所(チグリスからのルート)でも安全が保障される必要がある。アメリカ中央軍(CENTCOM)が最近、この地に陸上部隊を展開した。検問所にかけて、激しい戦闘が行われている。

■最終手段は軍事

経済・貿易・政治の面での措置が結果を生まない場合、望まれない事実や出来事を防ぐ最終手段は軍の派遣だ。トルコは、北イラクでトルコ空軍が実際に活動した無人地域を緩衝地帯と宣言し、空からだけでなく陸からも軍を展開する。国境から35㎞離れたこの地では、第172装甲部隊と第28機械化部隊と特殊部隊が協力して任務を行うかもしれない。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:43468 )