トルコの教育が直面する袋小路ーCHP教育会議報告書完成
2017年10月06日付 Cumhuriyet 紙


共和人民党(CHP)の教育委員会が開催した教育会議の報告書が完成した。

CHPの教育委員会が開催した教育会議のレポートが完成した。報告書は「教育によりリベンジされた」、「教育が教団に引き渡された」ということに注意を引き、TEOG(初等教育から中等教育への移行システム)のスコアが低い学生たちがイマーム・ハーティプ学校か職業高校に進学することを余儀なくされ、これらの学校に進学することを望まない学生たちが放送教育の高校に進学することを強いられているとした。報告書では「宗教」を中心に据えた教育にネガティブな反応を示した保護者たちは「それらは毒にあたり、私たちが解毒剤を生み出そう」と述べた。

教育における問題を議題に上げたCHPが「教育の3つの条件」と題して開催したワークショップの報告書が完成した。

報告書には「教育はあたかも復讐・強制のシステムに変更され、私たちの将来を弄んでいる。科学も教育も教団に引き渡された。国民教育省(MEB)の全体のプロトコルは宗務省を通じて作られた。共学教育は実質終了した。学校は急速にイマーム・ハーティプ学校に変えられている。通常の学校内でさえ、イマーム・ハーティプ・クラスが開設された。学校の執行部の任命に関しても、能力と関係ない局面に達した。トルコの東部と西部の間の様々な問題同様に、教育においても大きな不平等が存在する。教育において近代化は存在しない。暗記教育が課されている」と述べられた。

報告書には、「カリキュラム作成者とカリキュラムを認めたもの達は隠されるべきではない。新しいカリキュラムが作られるのであれば、すべての関係者は明らかにされるべきであり、カリキュラムの試用期間・試験地域があるべきである。教師の任命は公平に行われるべきである。成果主義に基づいたシステムは廃止されるべきである。調査、異動、懲罰などの実施は政権への近さではなく、職務上の能力に応じて実施されるべきである。任命は、懲罰または褒賞として用いるべきではない」という表現が使われた。

■確定

保護者は学校を信用していない:保護者は、その地域にある学校を質の点から信用していない。トルコでは2011年に、高校を卒業せず教育から離れた人々の割合は38パーセントに上った。この割合は女子においては41パーセントである。国は学校にかける予算がなく、私立学校を奨励している。宗教団体・教団の手によって宗教教育にかなりの額のお金が投入されているように見える。カリキュラムの変更により宗教を参照する機会が増加した。自閉症の子供たちに強制的な宗教の授業が課される一方、最も必要性のある体育の授業が減らされた。入学前と、さらには保育園で実際には宗教教育が与えられ始めており、宗務省も宗教教育を重んじる保育園を開設した。

イマーム・ハーティプ学校入学を余儀なくされる子供たち:学校に礼拝所[の設置]が義務的に導入され、実験室、図書館が閉鎖され礼拝所に改築された。女子生徒たちにスカーフを身に着けることを義務付けられた。いくつかの学校では、女子生徒を隔離するための提案が上がった。入学前の子供と小学生はモスクへと連れて行かれた。特にTEOGの結果に関して点数のランキングが低い学生たちは、イマーム・ハーティプ学校か職業高校へ進学するのを余儀なくされた。これらの学校にも行きたくない学生はというと、放送教育の高校に進学せざるを得なかった。

■要求

学校は私たちのものである:学校は私たち全員のものである。学校を私たちが監視しなくてはいけない。学校に通う家族たちと、または個人で子供たちを支えよう。学校の運営に関して口を挟む権利があるように。カリキュラムの破壊を説明する材料を準備しよう、印刷し、各家に配布しよう。

毒への解毒剤になろう:私たちは、学校ごとに、地区ごとに世俗的な科学教育を打ち立てることが可能である。それらは毒にあたり、私たちが解毒剤を生み出そう。行こう、赴いて、進歩を地域で、公園で、村の会合で、たくさんの組織で説明しよう。科学を地区に持ち込もう。

■提案

・宗教的な参照について

政府は、立法活動、教育の場で一切の宗教や信仰に関わるものを示すべきではない、理性と科学に基づくべきであり、変わりゆく社会条件に適合させるべきである。科学史、進化論のような題目がカリキュラムに据えられるべきである。

・ファナティシズムについて

教育において、ファナティシズム、権威主義、全体主義、狂信主義はあってはいけない、

・戦争について

女性に対して、劣っているという評価を下して侮蔑する人々と性差別主義者による全ての発言は即座に削除されるべきである。子供たちを戦争へ、暴力へと誘うクーデター、ジハード、ジハード主義者といった概念は、授業の話題とされるべきではない。

・圧力はなし

学生が信仰、肌の色、性別のために圧力をかけられることは絶対あるべきではない。すべての学校で科学をベースとした委員会が形成されるべきであり、我が国と世界の科学的、またテクノロジーの発展を把握し、学生たちにこのことが教えられるべきである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:前口翠里 )
( 記事ID:43517 )