イラク軍、1日でキルクーク確保
2017年10月17日付 Hurriyet紙


イラク中央政府軍は民兵組織ハシュディ・シャビと連携して、早朝軍事作戦を開始し、キルクークへ夕方入った。ロイター通信社は、キルクーク市は完全に制圧されたと伝えた。タラバーニ(※元イラク大統領)のクルディスタン愛国同盟のペシュメルゲは、イラク軍が圧倒的だとの理由により拠点から撤退した。 バルザーニ政府は撤退したペシュメルガを背任で非難した。連邦警察部隊はクルディスタン自治政府の旗を支柱から降ろした。

イラク軍とシーア派主体の民兵組織ハシュディ・シャビは、月曜日早朝、イラク・クルディスタン自治政府(IKBY)の武装組織ペシュメルゲが管理する石油豊かなキルクーク市に向け、広範囲な軍事作戦を開始した。軍事作戦の開始直前、バグダード政府はIKBYに対し、キルクークにテロ組織PKK(クルディスタン労働者党:非合法)のメンバーを侵入させていると非難し、それは「宣戦布告」であると発表した。フランスのAFP通信社は、16日の夜間に起きた衝突で少なくともペシュメルガ10名が殺害され、27人が負傷し、数十人のペシュメルゲの兵士も連絡が途絶えていると伝えた。ペシュメルゲは、イランが支援するシーア派民兵組織が所有する少なくとも5台の米国製ハンヴィー型装甲車両を破壊したと主張した。IKBYのペシュメルゲ総司令部はキルクークに向けた攻撃が明確な宣戦布告であると発表し、イラクのアバディ政府が衝突を始めたとの理由で「重い代償を支払う」ことが必要と伝えた。

■クルディスタン愛国同盟(KYB)の兵士撤退

イラク軍は16日、キルクークのK-1軍空港基地、ババ・ギュルギュル油田、キルクーク北部石油会社及び第70旅団基地を完全に掌握した。イラク国防省の声明では、「連邦警察部隊と機動隊はキルクーク自由空港も管理下に置いた」という。

軍事作戦が開始された後、キルクーク南部に駐留していたクルディスタン愛国同盟(KYB)所属のペシュメルガ部隊は「第4戦線」と名付けられている拠点から撤退したことが明らかとなった。イラク・クルディスタン自治政府のペシュメルガ省のヘルグルド・ヒクメト広報官は、一部のペシュメルガ部隊が撤退したため、アルビルから援軍を送ったと明らかにした。拠点から撤退したKYBペシュメルガの高官ワスタ・ラスル氏は、イラク軍に見合う兵力がないことから撤退しなければならなかったと話した、

■「裁きを受ける」

在アルビルの報道機関ルダウの報道によれば、ペシュメルガ軍総司令部は会見で「残念なことに、クルディスタン愛国同盟(KYB)の一部の高官もクルディスタンの住民に向けたこの計画を支援しており、KYBの旗の下でクルディスタンへの裏切りをおこなった。これらの少数の高官は、いくつかのデリケートな地域の衝突において、ハシュディ・シャビとパスダラン部隊(※イランの武装組織)に降伏し、コスラト・ラスル(※KYBの副議長)の部隊を孤立させた」 と語った。ロシアのスプトーニク紙のサイトに対して語ったペシュメルゲ省ヘルグルド・ヒクメト広報官も、「ペシュメルゲ省は、担当地から撤退したペシュメルゲの責任を問い、軍事法廷によって裁き処罰する」と述べた。

イギリスのロイター通信は、夕方イラク中央政府がキルクークを確保したことを伝えた。イラク政府の発表によれば、イラクの部隊はクルディスタン自治政府に関係する行政庁舎も確保した。

■一日足らず

イラク軍の発表は、キルクークが一日で確保されたことを意味している。イラクの高官はキルクークの知事庁舎も確保していることを明らかにした。キルクーク郊外のタゼフルマトゥとトゥズフルマトゥ市内で衝突が起きた。イラク軍はキルクークの20キロ南にあるタゼフルマトゥと70キロ南東にあるトゥズフルマトゥ市を管理下に置いた。ハシュディ・シャビとイラク軍は、アルビルーキルクーク間とスレイマニイェーキルクーク間の幹線道路を押さえて、キルクークをクルディスタン自治政府から切り離そうとしている。

■歓喜で迎えられた

キルクーク内とアルビルとスレイマニイェに向かう道路は目下ペシュメルゲが管理下にある。しかし、市の西部にあるメクテブ・ハリド戦線では戦闘が起き、その地域からは煙が上がっているという。商店のシャッターが下ろされた市内は完全な混乱状態に包まれている。就業日であるにもかかわらず、仕事は始まらず、学校も休校した。キルクーク西部の住民はイラク軍を歓喜で迎えた。

■キルクーク城にトルクメンの旗

イラクトルクメン戦線(ITC)のトルコ代表ヒジュラン・カザンジュ氏は、イラク軍とハシュディ・シャビがキルクークへ入った後、市内の歴史的城塞にトルクメンの旗が掲げられたと話した。

カザンジュ氏は、「キルクークはトルクメン人の街であり、歴史的城壁へ自分の旗を掲げた。市内ではペシュメルゲが築いたバリケードが撤去された。トルクメン人も自分たちの地域での巡回を続けている」と述べた。

■キルクークへ新しい知事

イラクのアバディ首相は国営放送で声明を発表し、「クルディスタン自治政府(IKBY)の関係者に住民投票を放棄し、憲法を遵守するよう話した。イスラム国との闘いに焦点を合わせること、イラクとその国民が直面する大きなリスクについて彼らに伝えてきた。しかし、IKBYの友人たちは自分たちの利益を国民の利益より優先させた」と語った。

アバディ首相は、IKBYで自身らに反対した人たちが「憲法に反する行動をとっている」とし、彼らは国際社会が(独立)住民投票に反対していることを軽視したとした。アバディ首相は、解任されたネジュメティン・ケリムの代わりにアラブ人の政治家ラカン・サイード・アリ・ジュブリをキルクーク知事に任命したことを明らかにした。

■戦闘からの避難

キルクーク市在住の一部クルド人は、キルクークのクルディスタン愛国同盟(KYB)のペシュメルゲ部隊が突然撤退したことに怒り、自発的に武器を取り、路上に立っているといい、スレイマニイェへ戻るペシュメルガ部隊の戦車は住民により転覆されてのが見られた。およそ100万人が暮らすキルクークで一部の家族は、 混乱状況から家々を放棄し始めた。家財品を集めた家族はアルビルとスレイマニイェへ向かって車で移動した。

■クルディスタン自治政府の旗が降ろされた

キルクーク南部にあるクルディスタン自治政府の旗がイラク連邦警察部隊によって降ろされた。
キルクークのトルクメン人地区と政党関連の建物がある地域では、静寂に包まれていた。一部のトルクメン人は政党関連の建物と通りで起こりうる衝突に対し警戒している。

■PKKがキルクークに

アナトリア通信の報道によれば、ペシュメルガ部隊から重火器を得たPKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)のテロリストは武器を手にして乗り込んだハンヴィー型装甲車両でキルクーク市中心部で巡回しているのがみられた。PKKメンバーはペシュメルガ部隊が撤退した市内中心部の一部街頭に立ち、武器を手にしたクルド人の住民たちを指揮しているという。PKKのテロリストとペシュメルガ部隊は市中心のいくつかの大通りと街角でイラク軍に対し発砲した。

(以下、略)

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(翻訳者:岸田圭司)
(記事ID:43586)