キルクークのトルクメン系組織スポークスマン・インタビュー
2017年10月17日付 Hurriyet 紙


一昨日、イラク軍とハシャディ・シャービー勢力が奪取したキルクークで、イラク政府から代理県知事として任じられたラカン・サイード・アリ・ジュブリは、街の安全に関する会合を行った。会合に参加したイラク・トルクメン戦線(ITC)報道官及びキルクーク県議会メンバーのアリ・メフディ氏は、 街の状況を本紙に伝えた。

メフディ報道官は、「キルクークでは昨日、極わずかな衝突があった。その衝突に参加した多くの人はキルクークのPKK(クルディスタン労働者党:非合法)派の人々であった。

クルディスタン愛国同盟(KYB)に属するペシュメルガの勢力は撤退した。その後にクルディスタン民主党(KDP)に属する勢力がキルクークから引いた。つまり、多くの衝突なく、彼らのいた場所をイラク軍に残したのである。クルド・メディアは、「ハシャディ・シャービーが来る、あなたたちを斬る」とのメッセージを伝えた。このため、10万近いクルド人がキルクークから去った。ペシュメルガがキルクークから撤退することは正しい行動であった。もし撤退しなければ、内戦が勃発していた」と述べた。

■最初の会合が行われた

バグダード政府からキルクークに代理県知事として任じられたジュブリ主催で最初の会合が昨日行われたと述べたメフディ報道官は、「現在キルクークは大変落ち着いている。いかなる事件もない。イラク政府からキルクークに代理として任じられた県知事ジュブリの下、キルクークの安全に関して会合が行われた。この会合には私も参加した。会合にはキルクークから去った人々の財産をどのように守るか、またキルクークから去った人の帰還が問題になった。街を去ったクルド人が戻ってくるために動いている」と述べた。

■一つの民族グループは統治することができない

キルクークに関して共同運営モデルを訴えてきたとするメフディ報道官は、2014年以前の仕組みに戻ると話した。「我々トルクメン人は10年前の政策を訴える。10年前の政策がもし実施されていれば、キルクークはこのような状況になっていなかった。我々の要求はキルクークに関する共同統治政策である。キルクークはクルド人、トルクメン人、アラブ人と共に統治されればよい。このためにも、クルド人、アラブ人、トルクメン人が席について話しあう必要がある。トルコに期待するのは、これを実現するため試みをおこなうことである。どんな時でも、キルクークはただ一つの民族グループによって統治されてはならない。共同統治をもってキルクークの政策は成功する。」

■新な境界線アルトゥンキョプリュ

イラク軍とハシャディ・シャービー勢力がキルクーク-アルビル間のアルトゥンキョプリュまで達したと述べるメフディ報道官は、「現在、キルクークでペシュメルガは影響力がない。現在イラク軍がキルクーク―アルビルの間にあるアルトゥンキョプリュまでの地域を勢力下に置いた。油田もイラク軍の手に渡った。イラク軍は、バシカ、キルクーク、ゲイヤーラといったどちらに属しているか決定していないすべての地域をコントロールしようとしている」と述べた。

■「アルビルではみな不安に感じている」

ハシャディ・シャービーとイラク軍がキルクークに入ったことによってアルビルでは不安感情が広がっていると述べるイラク・クルド地域統治(IKYB)議会トルクメン人国会議員アイドゥン・マルフ・セリムは、「アルビルで不安感情と恐怖が皆を覆っている。アルビルの住民はハシャディ・シャービーがアルビルを攻撃をするのではないかと不安に感じている。しかしこのようなことはありえない。このようなことは問題ではないのだ。人々は、「国民投票を行わなければよかったのに」と言う。また、KYBとKDPの間に内戦が起こる、と怖がっている。双方もお互いをメディアを通して批判している」と述べた。

■「ハシャディ・シャービーは問題をつくりだすかもしれない」

キルクークと他の問題の地域でハシャディ・シャービーが恒常的に残ることが問題を作り出すと述べるセリム議員は、「キルクークからアルビルに移動したクルド人は直近のうちに戻るだろう。実際にはこの後のプロセスが重要なのである。この問題はここで終わらない。ここ最近生じたことは地域で武力行動を増やすかもしれない。キルクークと問題の地域でハシャディ・シャービーが恒常的に駐留すれば、その時は宗派衝突が起こりうる。イラク軍と市民の間には何の問題もない。イラク軍はイラクを代表するものである。キルクークにいることは普通のことである。しかしクルド人とスンニ派アラブ人は、ハシャディ・シャービーを脅威として見ている」と述べた。

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( 翻訳者:内山千尋 )
( 記事ID:43587 )