マルマラ大キャンパス内のムラド5世ハマム、これが修復?
2017年10月28日付 Hurriyet紙


19世紀の遺跡であるムラド5世の狩猟用東屋のハマムが、修復作業により全くの別物になった。歴史的な石造建築の天井は、ガラス張りの木造屋根で覆われた。四方の壁は漆喰で固められ、サーモンカラーに塗られた。しかしこれだけに留まらず、この歴史的建造物にクーラーまで設置された。

マルマラ大学のギョズテペ・キャンパスにある19世紀の遺跡、ムラド5世の狩猟用東屋のハマムが、修復作業の結果「あまりにも現代的で最新!」の見た目に復元された。2014年に開始された修復作業の末、歴史的な石造建築の天井はガラス張りの木造屋根で覆われた。四方の壁は漆喰で固められ、サーモンカラーに塗られた。そしてこの建物にはクーラーと監視カメラのシステムが設置された。

カドゥキョイの歴史的建造物について著書を持つ、建築家であり研究者でもあるアリフ・アトゥルガン氏は、「この遺跡に対して修復作業は行われず、歴史的建造物の代わりに現代的な平屋の建物が作られてしまったようだ」と話した。こうした修復の方法が多く見られるようになったと強調する美術史家のフズル・イナン氏は、美術史の教養がないために公共機関の管理者らは文化遺産の保全意識が欠如していると話した。マルマラ大学が行った会見では、「イスタンブル第5文化財保全地域委員会事務局に、今回のプロジェクトはすべて委任された」と発表された。

■ドーム型屋根は消えた

カドゥキョイ出身の建築家であり研究者でもあるアリフ・アトゥルガン氏は、この歴史的なハマムにかつて調査で訪れたことがあると述べ、「この歴史的なハマムとその場所に建てられた今回の建造物との間に類似点などない」と話した。

遺跡の壁はホラサン・モルタルで作られたレンガと石の壁で構成されていたと話すアリフ・アトゥルガン氏は、以下のように述べた。「遺跡の天井部分にはハマムのドーム型の屋根がありました。そこから中に光が差し込んでいたのです。しかし今は、その代わりに換気扇のようなものが作られてしまいました。建物の天井の一部は、現代的なガラスで覆われています。中には木製の家具も置かれています。この遺跡に修復作業は行われず、歴史的建造物の代わりに現代的な平屋の建物が建設されてしまったようです。通常であれば、この遺跡本来の形跡を壊すことなく遺跡が修復されなければいけませんでした。古典的建造物の保全が必要だったのです。私はかつての状態を知っています。今の状態を見て、かつての歴史的な佇まいを感じることはできません。この遺跡の修復を許可したモニュメント協議会に、私は異議申し立てをするつもりです。もし協議会側からこうしたプロジェクトが承認されていたのであれば、もはや何も言葉はありません。しかし、私にはこのプロジェクトが承認されたとは思えないのです。」

■「刑事罰の適用を」

学芸員、考古学者、美術史家、修復師、及び映像芸術家協会の会長であり、美術史家であるフズル・イナン氏は、誤った修復作業を行った人々を法的に問う必要があると話し、以下のように述べた。「こうした類の修復作業が、残念ながら多く見られるようになりました。美術史の教養がないために、公共機関の管理者らは文化遺産保全の意識が欠如しているのです。彼らは利害関係とその関係者らのために働いているのです。われわれの考えとしてはこの文化遺産は粗野で、且つ使い手の精神としてこれを残そうとは思えない状況です。後世の人々の信頼感という観点から、この責任と修復作業に対する意識について、何かしらの行動がとられるべきです。補償が不可能な被害が与えられてはならないのです。つまり、今回の修復作業は受け入れることができる状況ではありません。間違った修復作業に対しては、必ずや刑事罰の法的措置が適用されるべきです。」

■「プロジェクト通りに行った」

マルマラ大学理事局は、修復作業に関して行った会見で以下のように話した。「…関連書類とともに、イスタンブル自治体投資監視調整局側から今回の件を任された関連組織のイスタンブル第5文化遺産保全地域で委員会によって承認された調査、補償及び修復プロジェクトと、イスタンブル技術大学から得られた静的レポートがわれわれの建設技術局に送られた…(中略)…修復作業は2016年10月25日完成予定で担当局には伝えられた。大部分が崩壊、あるいは使用不可の状態であったムラド5世の狩猟用東屋の歴史的なハマムの修復にあたり、イスタンブル第5文化遺産保全地域委員会によって承認されたプロジェクト通りに、且つ全作業がこれに則って完了されたものである。」

マルマラ大学ギョズテペ・キャンパス内の土地は、19世紀のスルタン・アブドゥルアズィズの甥であるムラド5世(1840~1905)の居住地とされ、「狩猟場」としても使用されていた。同大学に近い場所にあった東屋は時の経過とともに朽ち果て、現在ではハマムのみが残る状態となっていた。

■「プロジェクト通りに行った」

マルマラ大学理事局は、「ムラド5世狩猟用東屋の歴史的ハマム修復作業」に関して行った会見で、以下のように述べた。
「今回の遺跡修復作業は、2014年1月20日にイスタンブル自治体投資監視調整局によって行われ、同年1月27日に請負人であるARM建築造園株式会社と契約が結ばれたものである。その次のプロセスにおいて、イスタンブル自治体投資監視調整局は工数増加の必要性から残りを大学予算から賄うことを求めてきた。大学側からイスタンブル自治体投資監視調整局に送った2015年10月19日付文書により、この件について修復作業を完了させるため予算を提供することが約束され、契約書(おおよその費用や数量、プロジェクトの概要、仕様書、その他文書)が求められた。これら関連書類とイスタンブル自治体投資監視調整局によってこの件を任された関連組織のイスタンブル第5文化遺産保全地域委員会によって承認された調査、補償及び修復プロジェクト、そしてイスタンブル技術大学によって出された静的レポートが我が大学の建設技術局に送られた。大学側からは2016年5月3日に予算の提供がなされ、同年5月27日に請負人であるARM建築造園株式会社と契約が交わされた。修復作業は2016年10月25日完了予定として、われわれの建設技術局には伝えられていた。大部分が崩壊、あるいは使用不可の状態にあるムラド5世の狩猟用東屋の歴史的なハマム修復作業にあたり、イスタンブル第5文化遺産保全地域委員会によって承認されたプロジェクト通りに作業は行われ、且つ全作業がこれに則って完了されたものである。」

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(翻訳者:永山明子)
(記事ID:43665)