ザッラーブの証言は、トルコにとって恥の上塗り
2017年11月30日付 Hurriyet 紙

あるアメリカの記者は「囚人服を着ていなければ、会社の最高経営責任者だと思えただろうか」と法廷から伝えた。レザ・ザッラーブはイラン政府のために働く密輸ネットワークをどのように組織し、その目的のためにトルコで公正発展党員をどうやって賄賂を用いて利用したかを説明するとき、それほどリラックスしていたという。

私はそれがどれほど中傷的かは判断付きかねるが、例えばザフェル・チャーラヤン元経済大臣に、彼に言われるまま4、5000万ユーロの金額を渡したと、他の金銭はそれ以外のどの口座にも振り込んでいないと述べつつ話した。また、裁判所によればその間に証拠のために領収書が提出されている。

我々はそれが告白か中傷かは判断できないがアメリカ人はアクティフ銀行ではなく、上と同じことを言いながらハルク銀行との取引を望んだという。ハルク銀行社長(彼はエブル・ギュンデシュと結婚しているため)が「有名で、そのことをわかっている」という理由で正貨準備でのイランのガスプロジェックトへ参加することを望まず、ザッラーブはハルク銀行を管轄するチャーラヤン大臣の下へ行き、その後彼らはハルク銀行との取引を開始した。

ザッラーブの告白と告発によれば、依然、唯一拘留中の被告であるハカン・アティッラはイランの金‐ガス貿易を巧みに行ってきた者である。しかし、アティッラの弁護士は賄賂を受け取ったのはアティッラではなく、彼の上司であるアルスランであると主張している。告発競争が始まったように見える。しかし、ザッラーブによれば、アティッラはこの関係のネットワークのために非難される可能性が最も低いようであり、おそらくこの理由から、彼は最も弱い存在としてみなされ、自白を強要させるためにアメリカへ旅行の間に逮捕された。

アルスランの場合は、寝室にある靴箱の中から450万ドルの現金が見つかったことを覚えているだろう。彼はまた、ザッラーブのように2013年12月17‐25日に行われた贈収賄一斉捜査中に逮捕された。しかし、政府がこの12月17‐25日一斉捜査を受けて、2002年から2012年の間に同盟関係にあったフェトフュッラー・ギュレンの非合法組織を見て「クーデタの企み」と断じたときにその状況は逆転した。その捜査を行った警察、検察官、裁判官が追放され始め裁判は破棄され、ザッラーブのようにアルスランも釈放され、彼らが善行であり、教育寄付であると述べた金銭は返却された。アルスランはその後ズィラート銀行の取締役に任命された。

米国にシークレット・サービスと呼ばれる情報機関が存在するのをおそらくご存知だろう。これをCIA、FBIと混同すべきではない。この組織には大統領と副大統領とその家族を警護し、米ドルの価値を保護するという任務がある。この2つ目の役割において、記録されていない現金のドルの動きを監視しており、ラテンアメリカでもこのような任務を行っているが、もちろん、CIA、FBIも監視している。

450万ドルもの現金は少ない額ではない。その当時から彼をマークしている者がいてもおかしくはないだろう。

さて、本題とは無関係と思われるこの余談を切り上げて、話を法廷に戻そう。

法廷ではかつてトルコ共和国閣僚を務めた2人の政治家のザフェル・チャーラヤンとエゲメン・バーシュの名が挙がった。アメリカの記者によると写真が示されたという。ムアンマル・ギュレル内相(当時)の名が言及されていることも驚くには値しないだろう。

もちろん、この「秘密の証人」問題がある。その証人とは誰だろうか。12月17‐25日捜査の時に取り沙汰された人だろうか。ギュレン派幹部メンバーの元国家公務員なのだろうか。あるいは、自分が罪に問われることから逃れたいビジネスマンか政治家だろうか。

ザッラーブは自分が助かるために、(本国イランの元司令官や上司についてだけでなく)トルコとの取引についても記されている起訴状にある罪状も認め、自白(あるいは誹謗)を始めたため、この件が再び注目を集めている。ザッラーブのイランの上司であるバベク・ゼンジャニは禁輸措置をドバイ経由で破って行った金-石油、ガス取引で得た利益と、イラン当局に報告した額の間の25億ドルの損失を説明できなかった。彼は刑を宣告され、刑務所での日々を数えていることを忘れてはならない。

ザッラーブをかつて「トルコ国家のプロジェクト」と称え「愛国者」と呼んで支持してきた人々の一部はすでに「彼はCIAのスパイだった」と主張し始めている。明日彼らが(ザッラーブは)別の組織のスパイで「我々は惑わされていた」と言い出しても驚きはない。

それは驚くようなことではないが恥ずかしい話である。

ザッラーブが話せば話すほど我々は恥じている、トルコの閣僚、銀行、名誉がトルコの裁判所で裁判にかけられその潔白が証明される努力がストップしているにもかかわらわず、アメリカの裁判所で白日の下にさらされていることを。恥じていない人がいたとしても、少なくともトルコの誠実で高潔な人々はこのことを耳にする度恥じている。

そして未だにこの疑問は残っている;ザッラーブや彼のような人間をトルコに招いたのは誰だろうか。ザッラーブがプロジェクトに参加する時にエルドアン大統領が近ごろ反発を示したように、「彼はそうしたいそうだ」と発言した人はいただろうか。

国内の政策についての覚書を記しておこう、いや、昨夜議会で起きたザッラーブ問題に関する口論については言及しない。

エルドアン大統領とユルドゥルム首相は昨日CHPのクルチダルオール党首が主張した、エルドアンの親族が資産を海外移転しているという疑惑を否定した。

私はこれは不適切だったと思う。クルチダルオール党首の主張のタイミングが、政府が昨日ザッラーブの件よりもこの疑惑の否定を前面に出す機会を与えてしまったからである。この点をAKPはクルチダルオールに感謝しなければならないだろう。

しかし、そのような追及は我々の仕事ではない。我々のすべきことはトルコの法廷で裁かなければいけない事柄をアメリカの法廷に委ね、ザッラーブや彼のような人たちがどうやって入り込んで広がったのか、苦しみながら記し伝えることである。

これが現在のトルコである。

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( 翻訳者:本岡篤也 )
( 記事ID:43874 )