イラク:国会選挙の実施に関する論争(1)
2017年12月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

イラク:国会選挙の実施に関する論争

■イラクのスンナ派勢力は避難民300万人の帰還に先立った国会選挙の実施を拒否(1)

【バグダード:アフマド・ファラージー】

スンナ派の主要な政治勢力であるイラク国民勢力連合は15日金曜、約300万の避難民がいる状態では公平な国会選挙は実施できないと表明した。避難民の大半はイラク北部および西部のスンナ派居住地域の出身だという。

イラク政府は、当初2018年4月初旬に予定されていた国会選挙の日程を、2018年5月中旬に定めた。

国民勢力連合のアフマド・マサーリー代表はバグダードでヤン・クビシュ国連イラク問題担当特使と面会した際に、以下のように述べた。「国会選挙の目的は、イラク国民の真の代表者の選出を通じて、来る局面における改革を実施することである。真の代表者とは公正かつ有能で、圧力を受けることなく有権者の意思を代表する者である。これは惨禍にある現下の複数の県の状況では実現しないだろう」。

マサーリー代表は「(イスラーム国から)解放された街に帰還できず、劣悪な環境で生活している避難民が290万人以上いる。彼らの住居と地域は甚大な破壊を被っており、それら都市の治安問題を支配する政党所轄の武装集団が駐屯している」と述べた。

同連合から出された声明によれば、同代表はさらに「我々は公平な選挙プロセスが実施される可能性に疑問を抱いている。選挙結果はこうした当事者に有利な形で影響を受けるだろう。だから我々はイラク政府との協力を通じた支援を国連に要請している。民主的かつ公平で、国民が自由に意思表明できる選挙の実施に向け、適切な環境を整えるためだ」と話した。

上記の声明では、ヤン・クビシュ国連イラク問題担当特使が「選挙に関するイラク国民勢力連合の不安を理解しようと努めている」と述べたと伝えられている。

またその声明によれば、国連の責任筋は「ヤン・クビシュ特使が、国際社会と協力しつつ、イラク政府と共に選挙の実施に適した環境を整備し、避難民を支援し、彼らの街への帰還や復興への貢献に取り組んでいく」と述べた。

(2)に続く

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( 翻訳者:赤司萌 )
( 記事ID:43978 )