イラク:クルディスタン地域分裂の恐れ
2017年12月21日付 al-Hayat紙


■クルディスタン地域分裂の恐れ

【バグダード:本紙】

支配層に反対するデモがエスカレートする中、クルディスタン地域の経済危機は、国家機関の一体性に影響を及ぼしかねないほど、政治的次元においても危険な域に達し始めた。変革運動とクルディスタン・イスラーム集団(KIG)が政府から脱退した一方で、クルディスタン愛国同盟(PUK)はスレイマーニーヤにおける勢力基盤を失うことを恐れ、組織内の足並みを揃えることに腐心した。スレイマーニーヤでは最も激しい抗議運動が起きている。当局は新世代運動のシャースワール・アブドゥルワーヒド党首の拘束について、その場所や状況を明かさなかった。同党首は抗議運動を率いていた人物であり、スレイマーニーヤ空港に到着した直後姿を消した。

抗議行動を行っていた人々を包囲しているのはネチルバン・バールザーニー(クルド自治政府首相)が率いる自治政府部隊と思われているが、任務遂行にあたっているのはスレイマーニーヤの治安部隊である。同部隊は自治政府から完全に独立しており、PUKの指導部および故ジャラール・タラバーニー元大統領一家の命令下にある。

PUK幹部数名の離党後に党内で生じた対立は落ち着きを見せ始め、同党は若手活動家らが主導するデモ等の課題の対応に迫られている。アブドゥルワーヒドが党首を務める新世代運動は、これらのデモ行動を支持している。

変革運動とKIGは、デモの鎮圧に抗議する形で政府からの脱退を発表した。この発表は、クルディスタン地域内の勢力再編を示唆している。

クルディスタン民主党(KDP)とPUKの二大政党間の関係には緊張が走り、クルド大統領はPUK幹部らが裏切り、連邦政府部隊のキルクーク入りを許す合意を結んだと非難した。最近の出来事はこうした一連の流れを汲んだものであり、KDPとPUKは自治政府が言うところの「現状維持」に努めている。一方、変革運動と一部のイスラーム主義勢力はデモ勢力と協力し、デモ抗議を助長するまたはこれに対し中立的な立場をとることに努めると思われる。

スレイマーニーヤの治安当局は逮捕者数や逮捕者にかけられた容疑について一切コメントしていないが、抗議参加者らが自治政府機関や諸政党本部を放火・破壊しているのではないかと疑っている。同当局は、連邦政府内の諸勢力がクルディスタン地域の一体性に対して仕掛ける、いわゆる「陰謀」に注意するよう警告を発した。

連邦議会で議員を務める変革運動のスルワ・アブドゥルワーヒド党首は、兄弟のシャースワール氏の安全確保の責任をスレイマーニーヤ当局に認め、「彼の逮捕理由と拘束場所、および彼を逮捕した機関を明らかにする」よう求めた。スルワ党首は、「政府機関が市民を抑圧し、政府が(公的)役務の提供を怠ったことが抗議運動発生の原因である」と指摘した。同党首は現地高官らに対し、「バアス党のような独裁的なやり方で行われた(今回の)一連の逮捕および(シャースワール氏の支援を受けていた)NRTチャンネルの閉鎖により、貴方たちは新たな失敗を犯した」と告げた。同党首はハイデル・アバーディー内閣および国際機関に対し、「逮捕行為阻止のための介入」を呼びかけた。

(後略)

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44002)