国連エルサレム決議、ボスニア=ヘルツェゴビナはなぜ棄権したか
2017年12月22日付 Hurriyet紙


ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大統領評議会は、トルコの主導で発議された、アメリカのドナルド・トランプ大統領によるエルサレムの首都認定を批判する国連総会決議案への投票を棄権した。同国の主体の1つであるRS(スルプスカ共和国)のミロラド・ドディク首相が(大統領領評議会の)イヴァニッチ議員へ宛てた「イスラエル」についての要望書が、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの棄権に影響したという。大統領評議会のボシュニャク人代表であるバキル・イゼトベコヴィッチ議長は、賛成票を投じるよう提案していたことが明らかになった。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大統領評議会のセルビア人代表であるムラデン・イヴァニッチ議員の事務所が公表した文書で、国連総会での投票棄権が決定されたことが明らかになった。

■3議長の制度

1992年から1995年のボスニア紛争の後に調印されたデイトン合意により、構成民族(ボシュニャク、クロアチア、セルビア)を代表する3人の大統領評議会メンバーによって統治されているボスニア・ヘルツェゴヴィナの棄権は、様々な反応を呼んでいる。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの棄権には、同国を構成する2つの主体の1つであるRS(スルプスカ共和国)のミロラド・ドディク首相がイヴァニッチ議員へ送った「イスラエル」に関する要望書が影響したという。大統領評議会のボシュニャク人代表であるバキル・イゼトベコヴィッチ議員は、賛成票を投じるよう提案していたことが明らかになっている。

■公表はなし

地元メディアの報道によると、ドディク首相がイヴァニッチ議員へ宛てた手紙には、「イスラエルとRSの間には友好関係がある。ボスニア・ヘルツェゴヴィナは、この外交関係を壊すあらゆる種の進展に立ち塞がるべきだ」という文が見られた。

ドディク首相の手紙では、イスラエル-パレスチナ間の緊張を平和裏に解決する必要があると強調されている。

■イゼトベコヴィッチ議員は「賛成」を提案

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大統領評議会のボシュニャク人代表であるバキル・イゼトベコヴィッチ議員は賛成票を投じることを主張したが、他の2名は棄権の決定を下したことが明らかになった。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大統領評議会の発表によると、国連総会での投票について、外務省が決議案への賛成を主張していたのに対し、大統領評議会ではメンバー3名の内2名が棄権という見解を示した。

■2名が棄権を主張

ボシュニャク人代表のイゼトベコヴィッチ議員は国連の決議案に賛成していたものの、評議会のドラガン・チョーヴィッチ議長とセルビア人代表のムラデン・イヴァニッチ議長がその提案を退け、棄権を決定したという。

ボシュニャク人代表ただ1人が賛成を主張したが、他のメンバー2人が投票を棄権する決定を下し、評議会の最終意見を固めたことになった。

1992年から1995年まで続いたボスニア紛争の後に調印されたデイトン合意の枠内で、構成民族(ボシュニャク、クロアチア、セルビア)を代表する3人の大統領評議会メンバーが輪番で元首を務めるボスニア・ヘルツェゴヴィナの棄権の理由は、大統領評議会における「意見の不一致」だと明らかになった。

■「ボスニア・ヘルツェゴヴィナは、異なる意見によって繋げられた国家」

独立ボスニア・ヘルツェゴヴィナ国家の初代大統領であるアリヤ・イゼトベコヴィッチ氏が結党したSDA(民主主義行動党)のハリド・ゲニヤッチ総会議長は、トルコ国営アナトリア通信の取材に答え、同国はその統治構造のために全会一致での決定を余儀なくされており、意見の不一致によって国連総会で棄権せざるを得なかったと述べた。

ゲニヤッチ総会議長は、外交に関係するすべての決定は評議会の全メンバーの同意による必要があると述べた上で、「ボスニア・ヘルツェゴヴィナは、異なる意見によって繋げられた国家だ。この条件下で、ボスニア・ヘルツェゴヴィナには棄権以外の手段がなかった」と語った。
ゲニヤッチ氏は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ大統領評議会がボシュニャク人、クロアチア人、セルビア人のメンバーによって構成されているということも指摘した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:神谷亮平 )
(記事ID:44009)