イラク:連邦政府によるクルディスタン地域への軍事介入に警告
2017年12月22日付 al-Hayat紙


■イラク連邦政府によるクルディスタン地域への軍事介入に警告

【バグダード:本紙】

クルディスタン地域での抗議運動は昨日(21日)で4日目に突入したが、当局がデモ参加者を組織的に連続逮捕したことを受け、抗議運動の勢いは衰えた。一方、イラク連邦政府は、サドル潮流(※イラクのシーア派法学者ムクタダー・サドルが率いる反米イスラーム主義政治組織)の支援を受ける市民社会組織(CSO)が呼びかけたデモの再開に備えている。

クルディスタン地域政府(KRG)の高官らは、イラク連邦政府の軍事介入を促そうとする「外国勢力の陰謀」に対して警告を発した。サアド・ハディースィー連邦政府報道官は、イラク連邦政府は「事態を注視している」と述べ、ハイデル・アバーディー首相の発言を繰り返す形で、「国中の国民の安全および彼らの利益を守るという責任を負っている以上、腕組みしたままただ見ているだけというわけにはいかない」と述べた。また、米国と国連は、デモ参加者らに対する暴力の使用を非難した。

一方、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、今年10月半ばの連邦政府のキルクーク支配権回復以降、クルド治安機関が拘束した350人以上の人々の処遇について懸念を示した。HRWは、「被拘束者の大半は、キルクーク市に避難してきた、または同市住民のスンナ派アラブ人である」と述べた。

KRGのネチルバン・バールザーニー首相は、ドイツ訪問からの帰国後、「デモ行為は保証された権利であるが、混乱を生むことや公共の建物・財産および政党の所有財産に放火することは保証された権利ではない」と述べ、「混乱を引き起こし、治安と安定を損ねようと裏で手を引いている者がいる。クルディスタン地域では誰も想像しえないほどの大きな陰謀が行われている。そしてこの地域を手に入れるため、こうした混乱を助長しているアクターが複数存在している。しかし、我々は関係当事者とともにこうした混乱に断固立ち向かっていく」と発言した。

変革運動とクルディスタン・イスラーム集団(KIG)のKRG脱退を受け、ネチルバン首相は地域内の政治的危機に直面している。両党は昨日声明を発表し、その中で政府脱退の決意を表すとともにKRGの腐敗・汚職を批判した。

スレイマーニーヤ市中心部を含め、デモが行われているすべての地区には、暴動鎮圧部隊や軍用車両が展開した。「事態掌握」のため、KRGは警察、治安部隊およびテロ対策部隊から成る委員会を設置した。

今週月曜日(18日)にデモが始まって以降、主要政党の建物約20棟と市庁舎1棟が放火された。クルディスタン愛国同盟(PUK)を離党した民主主義・公正同盟(Coalition for Democracy and Justice)のバルハム・サーリフ党首は、クルド諸勢力に対し「対話こそが危機の唯一の解決策であり、早急に選挙を実施すべきである」とツイッターの投稿で呼びかけた。同党首は、「事態収拾のためにイラク連邦政府の軍事力の使用について話せば、現在の惨状にさらなる破壊行為が加わることになり、クルドとイラク双方の国民の利益に反することとなる」と警告を発した。

一方、バグダードの活動家らがサドル潮流の支援を受けて今日(22日)呼びかけを行ったデモでは、汚職対策キャンペーンを行うという公約の履行をアバーディー首相に求めることに加え、スレイマーニーヤのデモ参加者との連帯がスローガンに掲げられている。また、アバーディー首相は水曜日(20日)、選挙実施日について協議するためフアード・マアスーム大統領が招集した会議をボイコットし、注目を集めた。同首相は2018年半ばの選挙実施にこだわっているが、一部の政治勢力は2018年末または2019年の頭まで遅らせようと働きかけている。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44010)