パレスチナ:祝賀ムード消えたベツレヘムのクリスマス…エルサレムの悲しみに寄り添う
2017年12月25日付 al-Hayat紙


■祝賀ムード消えたベツレヘムのクリスマス…エルサレムに寄り添う

【ベツレヘム:ムハンマド・ユーニス】

ベツレヘムの降誕教会の広場は、例年のこの時期とは異なる様子を見せ、クリスマスの祝賀ムードは冷めていた。例年は、同協会の広場で世界中から集まった芸術パフォーマンス団体のショーが行われ、広場は参拝者でいっぱいになるのだが、今年は祝賀ムードが消え失せ、イベントは宗教儀式と地元スカウト運動団体による小規模なショーのみに限られた。パレスチナ人キリスト教徒も自宅に留まることを選んだ。降誕教会の広場中央に設置された巨大なクリスマス・ツリーは、明かりが灯されないままだった。

ドナルド・トランプ大統領がエルサレムを「イスラエルの首都」に認定することを決定したことは、クリスマスを祝うベツレヘムとそこに住むキリスト教徒たちの上に暗く重たい影を落とした。ベツレヘムでは、米国の宣言に(パレスチナ人が)抗議し、ここ3週間毎日のように(イスラエル)占領部隊との衝突が起きている。クリスマス・イブにも、サンタクロースの衣装を着た人々がベツレヘムで抗議のデモ行進を行い、街の北門で武器を持たない市民がイスラエル占領部隊と衝突した。

ベツレヘム、ベイト・ジャーラー、ベイト・サーフールの市長らは記者会見を開き、その中で、トランプ大統領の決定への抗議、そして最近の衝突の犠牲者遺族および負傷者との連帯を示すため、祝賀行事は宗教儀式に限定されることを発表した。衝突の犠牲者は12人に達し、数百人の負傷者が発生している。

隣接し合うこれら3つのキリスト教の街の市長らは、イエス・キリスト降誕の地から世界に向けた今年のクリスマス・メッセージについて、「米大統領の決定に対する拒否、そして同大統領を退陣させることの誓い」であると発表した。ベツレヘムのトニー・サルマーン市長は本紙に対し、「我々は、キリスト教徒・ムスリムに関係なく、パレスチナ人の声を世界に届けたい。たとえ(イスラエルの)占領軍やこれを支援する者が現状変更を試みようとも、エルサレムはそこに住む人々のものであり続ける」と述べた。同市長は、「パレスチナ人に対する国際的な共感は、米大統領の計画を挫くだろう」と指摘し、「国連総会決議は国際社会の反トランプの決意を確固たるものにし、エルサレムを首都とする国家の樹立におけるパレスチナ人の権利を確認した」と述べた。また、同市長は「今年の祝祭は、パレスチナ人が国際社会の決意という武器を得たのと合わせて祝われる」と述べ、「占領およびトランプに対する抗議を継続し強めていく」必要性を強調した。

サバスティーヤ(注:西岸北部・パレスチナ自治政府統治エリアの村。古名サマリア)で主教を務めるギリシア正教のアターッラー・ハンナー府主教(注:アターッラーはギリシア語だとテオドシウス。共に「神からの贈り物」の意味)は、「トランプ大統領の計画は被占領エルサレムのみではなく、パレスチナ問題を標的としている…キリスト教徒、ムスリムに関係なく、パレスチナ人としての我々の第一のメッセージは、我々は米国の決定を拒否するということである。この決定は我々そして我々の問題(パレスチナ問題)に対する侮辱・誹謗中傷であり、我々に対して礼を欠いた行いである。エルサレムは最も重要な我々の聖地、宗教的遺産、人類そして国の遺産を擁している。アメリカは常にイスラエルの側に立ってきたが、今回の決定は(これまでの中でも)最悪だった」と語った。

ピエールバティスタ・ピッツァバラ大司教の車列は、正午に被占領エルサレムからベツレヘムに到着し、西暦を採用するキリスト教諸宗派の祝祭開始を宣言した。車列は従来通りエルサレムのラテン・エルサレム総大司教庁を出て、ギリシア正教のマール・イリアス教会を通ってエルサレム-ベツレヘム間の道を行き、占領当局が設置した壁の大きなゲートを通ってベツレヘムに到着した。壁は、歴史的に双子の関係にあったベツレヘムとエルサレムを分断している。

今年は例年に比べ、大司教の車列に加わる伝統的なパレードへの参加者の少なさが目立った。ベツレヘム市長は、多くのパレスチナ人は政治情勢上の理由から、クリスマスを祝いにベツレヘムに来なかったと述べ、ここ数週間米大統領の決定への抗議により西岸で起きている衝突を指摘した。また、同市長は占領当局がベツレヘムに至る主要道路のいくつかを封鎖したことを指摘した。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44027)