イラク:選挙延期せよと内外から圧力
2017年12月26日付 al-Hayat紙


■イラク、選挙延期せよと内外から圧力

【バグダード:本紙】

イラクのハイデル・アバーディー首相は、国会選挙の延期を目的とする内外からの圧力にさらされている。同選挙は、基本的には来年(2018年)5月中旬に実施が予定されている。イラク情報筋によると、クルド二大政党に加え、法治国家連合(注:与党イスラーム・ダアワ党が主体となって形成するシーア派政党連合)やスンナ派勢力の連合といった大規模な政治勢力が、各々の事情から、少なくとも6か月は選挙を延期することを支持している。

同情報筋は、「クルドの二党は選挙に突入するのを嫌がっている。すなわち、独立住民投票に失敗したことや、係争地からの撤退、そしてクルド自治政府が職員の給料を払えないでいることの報いを受けたくないと思っている。自治政府は基本的に、クルディスタン民主党(KDP)とクルディスタン愛国同盟(PUK)から成っている」と述べた。

現在のデータによれば、最近政治の舞台に現れた複数のクルドのグループが大きな人気を集めており、このことが選挙の結果に反映されるかもしれない。抗議デモを支援した容疑で現在拘束されている、シャースワール・アブドゥルワーヒド氏が党首を務める新世代党(New Generation)も、こうしたグループの一つだ。

これと並行して、スンナ派政党の大部分は、アバーディー首相が2週間前に発表した日程で選挙を実施するのは時宜にかなっていないと考えている。スンナ派諸政党は、スンナ派の街が依然として破壊と避難の苦しみにさらされており、選挙に入る前にもっと時間が必要であると強調した。

スンナ派勢力の意見表明はもっともらしく見えるが、期日通りの選挙実施を支持するスンナ派のグループも存在する。実業家のハミース・ハンジャル氏もその一人だ。ハンジャル氏は避難民のための教育・健康プロジェクトを立ち上げ、避難民の間で存在感を示すようになった。彼の支持者らは、「旧来のスンナ派勢力は自分たちが支持層を失うのではないかと思っている。彼らは、住民の現実が変わらなかった場合、自分たちが選挙で被る損失を恐れている」と考えている。

同様の選択はシーア派勢力にも当てはまる。シーア派諸勢力は、アバーディー首相はダーイシュ(注:イスラーム国のアラビア語略称)に対する軍事的勝利を選挙に活かしたいと思っており、それゆえ選挙を期日通り実施することにこだわっている、と考えている。同首相はムクタダー・サドル(反米イスラーム主義政治組織サドル潮流を率いるシーア派法学者)とアンマール・ハキーム(有力シーア派イスラーム主義政党であるイラク・イスラーム最高評議会(ISCI)の元党首(2017年7月24日に離党)。現イラク与党連合「国民同盟」の議長)が率いる二つの潮流から支援されている。人民動員隊(PMF)内の一部勢力も同様の目的で選挙に参加するつもりだ。一方、法治国家連合やISCIといった他の勢力は、もう少し時間を必要としている。

アバーディー首相は二日前、イラク国会が新たな選挙法を可決しない場合であっても、選挙は現行の法律に基づき期日通り実施されると述べた。2014年の選挙は現行の法律に基づき実施された。

政治情報筋は、最近イランが選挙の延期を目的とした圧力をかけるようになったと述べている。同情報筋によると、イランの見解は現段階でシーア派の像の不明瞭さ、アバーディー首相の二期目を支持する米国とアラブ諸国の存在に依拠している。また、一部のヨーロッパ諸国やトルコも延期を支持している。一方、イラク選挙プロセスにおいて依然役割を担っている国連派遣団の立場ははっきりしていない。

これらの情報筋によると、フアード・マアスーム大統領が数日前に国会議員3名と会合を行い、選挙の延期を要求する人々の計画に反対した。一方、アバーディー首相は同会合に出席するよう召集を受けていたが、(選挙延期を求める)こうした圧力を考慮し欠席した。選挙の最終的な期日はまだ揺れ動いているが、バグダードやその他さまざまな県ではこの数週間、(選挙に向けた)明らかな政治活動が見られた。数十の政党が立ち上げ会議の実施を発表し、政治家らは精力的に町村を訪問し、選挙に関して取引を行うため部族の族長や宗教指導者らと会合を行った。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44028)