パレスチナ:「エルサレム首都宣言」前、トランプはアッバースに「歴史的決定」を予告
2017年12月28日付 al-Hayat 紙


■「エルサレム宣言」前、トランプはアッバースに「歴史的決定」を予告

【ガザ:ファトヒー・サッバーフ】

二聖都の守護者サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・サウジアラビア国王は昨日(27日)、トルコのビナリ・ユルドゥルム首相を迎え、二国間関係とその強化方法、および最近の地域情勢を振り返り協議した。トルコ政府は、同会談では「歴史に根付く(両国間の)関係」に言及がなされ、「エルサレムの地位」に関する意見交換が行われたと発表した。サウジ政府は来月(1月)6日にヨルダンで開かれるアラブ閣僚級会合に出席する予定だ。同会合では、米国が聖地エルサレムを「イスラエルの首都」に認定したことにどう対抗するかが協議される。

一方、パレスチナの消息筋は本紙に対し、PLOワシントン事務所閉鎖の決定とエルサレム首都宣言の前に、ドナルド・トランプ大統領と米政権幹部がマフムード・アッバース大統領と連絡をとっていた事実を明かした。同情報筋によると、トランプ大統領は発表前にアッバース大統領に電話を入れた。同情報筋は、「トランプ大統領はアッバース大統領に対し、これからエルサレムへの大使館移転を発表するが、私は歴史上前例のないものを提示するつもりだ、と告げた。アッバースはそれが何なのかをトランプに尋ねたが、トランプは電話を切った。そしてエルサレムの首都宣言と大使館移転の発表を行った」と述べた。

同情報筋は、米国の宣言、PLO使節団事務所閉鎖の決定、および米議会が外交委員会に対してパレスチナ当局への支援を断つよう勧告し、これが賛成多数で可決されたことについて、その理由を「トランプ政権は、世紀の取引(注:トランプ大統領が主導するパレスチナ問題解決策)やトランプ大統領が課そうとしている解決策を、パレスチナ指導部は受け入れないだろうとの結論に至った」ことに認めた。同情報筋は、「パレスチナの指導部は最近のトランプの決定について、(トランプ政権は)拒否された取引(解決策)を強要し始めたとみなしている。この解決策では、大規模な入植地ブロックが(イスラエルに)併合された後に残る西岸とガザ地区に(パレスチナの)国家を建設し、首都をエルサレムの郊外に置くとされている」と述べた。

同情報筋は、PLOのワシントン事務所を閉鎖しないとするアッバース大統領との合意をトランプ大統領が破棄したことを明かした。同情報筋によると、アッバース大統領は以前米政権と、PLO事務所の自由な活動の継続、米国のパレスチナ当局に対する財政援助、西岸での入植活動の停止と引き換えに、パレスチナが約22の国連機関に加盟しないことで合意していた。同情報筋は、(2017年)11月17日に米政権がPLO事務所の閉鎖を決定したことはアッバース大統領とパレスチナの指導部を驚かせた、と述べた。なお、この決定は後に取り下げられた。

同情報筋によると、パレスチナの指導部は米政権に合意の履行を求めたが、(米政権は)アッバース大統領が「和平プロセスにおいて要求される事柄を実行していない」、そして「アッバース大統領は(9月の)国連総会における演説で、国際刑事裁判所(ICC)でイスラエルを告訴する意向を述べた」ことを(合意不履行の)言い訳にした。同情報筋はまた、「米政権はアッバース大統領がこのように発言したと知らせを受けたが、アッバース大統領はICCでイスラエルを告訴しなかった。すなわち、これは(告訴するという)意向を示したことに対する制裁である」と付け加えた。

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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:44045 )