レバノン:廃棄物の山による健康被害(2)
2017年12月14日付 al-Hayat 紙

■レバノンにおいて廃棄物が診断不可能な健康被害を引き起こす②

家庭医学療法の専門医サーミ―・カワース博士が説明するには、廃棄物が堆積することでゴミは腐敗、分解される。これがチフス、コレラ、類鼻疽、A型肝炎、その他の感染症といった病気の媒介となるハエ、蚊、虫、ゴキブリ、ネズミ、大型のネズミを引き寄せるという。また博士は、基本的な構造は廃棄物が浸った汚染水が地表水と地下水に浸透することに起因すると説明する。これによって生態系が乱され、植物は汚染される。さらに陸・河・海・湖の生物を病気に感染させ、最後は人間を汚染するという。

これに加えカワース博士は、「この廃棄物の浸かった水は、農業用水や家庭用水と混ざっており、これもまた人間を汚染している。これはベイルート・アメリカン大学病院の家庭用水の水質検査でも明らかになった。この水質検査では複数の細菌、有名なところだと糞便に含まれる細菌の存在が示された」と述べた。

もしも、廃棄物が野外に堆積することによる健康被害が大きかったら、これら廃棄物の焼却による健康被害は甚大なものとなる。これを踏まえカワース博士は以下のことを説明している。一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、ダイオキシン、フラン、ポリ塩化ビフェニルといった有害物質、鉛、水銀、ヒ素などの有毒な重金属、ベンジン、スチレン、ホルムアルデヒトなどの液体、あるいは気体の有害物質の拡散によって被害が生じる。これらの有害物質によっていくつかの病状が起きる。例えば、咳、呼吸困難、呼吸器のアレルギー疾患の増加、吐き気、嘔吐、下痢、不眠症、くしゃみ、鼻水に加え、涙が止まらなくなる、疲れ、頭痛、痰、喉の炎症、発疹、肌荒れを引き起こすという。

(3)に続く

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( 翻訳者:宮下香純 )
( 記事ID:44046 )