エルドアン・フランス訪問「いつまでもEUに入れてくれ、と頼み続けるわけではない」
2018年01月05日付 Hurriyet 紙


共和国大統領タイイプ・エルドアンは、2018年最初の外遊で、4日、フランスの首都パリを訪れた。EUROSAMと防衛産業事務次官間の長距離空域ミサイル防衛システムプロジェクトの契約は、エルドアン大統領とフランス大統領マクロンの面前で締結された。共同記者会見でエルドアン大統領は、「EUは、我々を飽き飽きさせている。いつまでもEUに入れてくれとお願いするわけではない。恐らく我々をある決定に引き込むことになろう」と述べた。

■我々は54年間待たされている

トルコが1963年から現在まで54年間EU加盟を待たされていると述べたエルドアン大統領は、「EUにトルコのような国はない。EUは我々に理由を示せていない。当初は15の改善要件を通じて加盟を妨げたが、その後その数は35個に上った…。当然これは我々をとても飽き飽きさせ、同様に我々の国民も非常にくたびれている。恐らく我々をある決定に引き込むことになろう。常に『どうしてもEUに入れてください』と言うわけではない。このことをフランスから発信する。この場から声を上げる」と発言した。

■ダブルスタンダードを無くすことが必要

マクロン氏は会見でトルコはEU関係に触れたとし、「エルドアン大統領には次のことに触れた。トルコがヨーロッパ人権条約の枠内に止まることが非常に重要と映る。もはや、確実にダブルスタンダードから抜け出すことが必要である。つまり、自発的に新しい改善要件が提示されるといった可能性はないだろう」と述べた。

基本的権利と個人の自由の問題も取り上げたとしたマクロン大統領は、「ガラタサライ大学のことも話題にして『懸念している』と述べた。教員や学生が裁判の当事者となっていることに関して。他に記者や市民社会組合(STK)のメンバーのことでも様々な問題を述べた。エルドアン大統領にあるリストを送った。 この問題について会談を続けていくだろう、解決できる全てのことを解決するために」と発言した。エルドアン大統領も一時期自由を制限されていたのを知っていると述べたマクロン氏は、次のように続けた。

「トルコ国民は、彼を信じた。彼も細い道でロープの上を進みながらである。全てのこうした問題について具体的な解決策を見つけられると信じている。 私が言及した何人かについて、問題を解決できると信じている。多少の誤解もあるだろうが、この会談の効果を信じている。仕事が簡単なものであったなら、両名ともこの場にはいなかった。極めて要望の多い対話の中で、理解し合えたことも、理解し合えなかったことも、何度も言葉にして理解し合いたいのである。」

■経済的な協力

エルドアン大統領は、EUROSAMと合意に達し、トルコ航空とエアバスの協力の重要性に触れたとし、狙いは200億ユーロ程度の経済規模に到達することだと発言した。マクロン大統領は、スィノプ原子力発電所のプロジェクトを話し合い、牛肉に関する見解の相違が埋められ、「5,700トンの牛肉を輸出の運びとなった。これも重要な問題である。鶏肉、有翼動物、果物の問題について前進を達成したい」と発言した。

エルドアン大統領は、エリーセ宮に到着した際、迎え入れたマクロン氏と握手を交わし、報道陣にポーズを取った。それからエルドアン大統領とマクロン氏は直接会談を行った。

■PYDとYPGの警告

エルドアン大統領は、両国ともテロの犠牲になったとし、トルコが350万人に上るシリア難民のために300億ドルを費やしたが、 ヨーロッパから届いた額は9億ユーロであると明らかにした。イスラム国との闘いが続いていると述べたエルドアンは、「同様に、クルド民主統一党(PYG)やクルド人民防衛隊(YPG)は、PKK(クルディスタン労働者党;非合法)の一翼である。これらに対しても同様に我々が共に闘う必要がある。残念ながら何人かの我々の友人は、まだYPGやPYDを支援することを通してイスラム国と闘っていると考えている。新しい計画が立てられているが、それらには異なる生活基盤が準備されている」と発言した。

■これがあの新聞記者

エルドアン共和国大統領とマクロン氏の共同記者会見で印象に残った場面の1つはフランスの記者の質問にエルドアン大統領が「あなたはギュレン派の口を借りて発言しているのか」と反発したことである。その記者は、ローラン・リチャードという。リチャードは「トルコはシリアに国際輸送トラックを使って武器を輸送していた。後悔していますか?」と質問した。それに対しエルドアン大統領は、「あなたは、ギュレン派として発言しているのか?」と発言。するとリチャード は、「1人の記者として、1人のフランスの記者として話しました」と答えた。

この返答を受けて、エルドアン大統領は、特にフランスのテレビやソーシャルメディアで多くのコメントを受けることとなった発言を行った。エルドアン大統領は、「あなたは私にそのように質問するが、アメリカが4000台の国際輸送トラックを使ってシリアにもたらした武器についてはなぜ質問しないのか?あなたは記者なのか。これらも調査したのならば、なぜこのことを問題としないのだ?このことを書きなさい。あなたが質問する際は、この点に敏感になりなさい。そして他の誰の口も借りずに話すことです。それからこのことを容易に耐える人物などいないことを知って欲しい。ギュレン派の口を借りて話さないこと、このことをどうか学んでほしい」と話した。

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( 翻訳者:佐藤彩乃 )
( 記事ID:44097 )