ヨルダン:政府が大幅増税を決定、パンの価格は約2倍に
2018年01月17日付 al-Hayat紙
アンマン市内の市場(写真提供:Getty Images)
アンマン市内の市場(写真提供:Getty Images)

■「アラブの春」後の危機、ヨルダン人のパンが値上がり

【アンマン:ムハンマド・ハイル・ラワーシダ】

ヨルダン国民は昨日(16日)、各種生活必需品・サービスの値上げに関する政府の決定を聞いて目を覚ました。決定は、上院議会(ヨルダン国会の第二院)が一昨日(15日)一般予算法を可決したことを受けてなされた。

2018年予算法は、生活必需品・サービスに対する5億7000万ディナール相当の政府補助金をなくすことを決定した。しかし、同法は同時に、低所得者に向けた社会的セーフティーネットに1億7000万ディナールの予算を割り当てた。

タバコおよびオクタン価95と98のガソリンにかかる付加価値税の改定が閣議決定されたという情報が出回っている。また、来月初めより炭酸飲料にかかる付加価値税が二倍になるほか、宝石類には5%の売上税が課されることが決定された。

パンの値上げは街中やSNS上で最も物議を醸す経済的意思決定であるが、難民や出稼ぎ労働者、(非ヨルダン人の)アラブ人居住者含め、500万人以上の外国人がヨルダン国内に存在していることから、パンの価格を二倍に引き上げることを余儀なくされた。

政府は昨年(2017年)初め、インターネット・サービスの売上税率を固定型・モバイル型ともに50%引き上げ、携帯電話の各回線に2.6ディナール(約3.7ドル)の税金を課した。同様に、政府はパスポートの発行・更新手数料を20ディナール(約28ドル)から50ディナール(約70ドル)に引き上げた。値上げ率にばらつきはあるものの、菓子類のほとんどは値上がりし、パンも一部の種類が値上がりした。

議員らは政府の決定に怒り、その結果、物価の値上げを議論するはずだった昨日の会議では、出席者が定足数に満たなかった。内閣を不信任決議にかけない限り、下院議会は事態を見守る以外なく、政府の決定を覆す権限もないことから、混乱渦巻く中、下院議長は会議の中断を決定した。

ヨルダンは2011年にアラブの春が起こって以来、経済危機と隣り合わせの状態にある。ヨルダンは国際通貨基金(IMF)の指導にすがることで、そうした危機を回避することができたが、一方で毎年の財政赤字の積み重なりにより、国の借金はますます膨らむこととなった。

ヨルダン人のプライオリティーは、政治的な問題と、彼らの生活の根幹にかかわる経済的な問題とに分かれている。ヨルダンは、エルサレムを「イスラエルの首都」に認定し大使館をエルサレムに移転するとした米政権の決定に直面する一方で、経済的危機の積み重なる影響に苦しんでいる。ヨルダン国民はこの数週間、米国の決定に対して拒絶の意思を示すため、街頭に出てデモ行進を行った。このとき、エルサレムの象徴性への侵害を背景に(ヨルダンの)政府と民衆が「団結」したことは、(地域情勢を)見守る人々の注目を集めた。しかし一方で、今回の政府の決定は、経済面のプライオリティーという観点から、政府と国民の協調的な状況に影響を及ぼすだろう。

本紙が得た情報によると、閣議では長時間の話し合いが複数回にわたって行われ、一連の経済的意思決定とそのタイミングをめぐり、政府内でせめぎ合いが生じた。ヨルダン当局筋が述べたところによると、今回の決定は「アラブ諸国の支援が止まったこと、そしてエルサレムに関するヨルダンの立場が原因で米国の支援が後退すると見込まれる」ことからなされた。

アブドゥッラー2世ヨルダン国王は複数の機会において、次の段階の諸課題や、今後の経済的意思決定のリスクから中産階級および低所得層を守ることが優先されることについて(国民に)説明するよう、各憲政機関に求めた。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44176)