ヨルダン:ペンス米副大統領の訪問、首都問題に関して両国の見解が一致しないことを確認
2018年01月22日付 al-Hayat紙


■アブドゥッラー2世国王「エルサレムは和平の鍵」、ペンス米副大統領「“首都”をめぐり見解が一致しないことを確認」

【アンマン、ナザレ:ムハンマド・ハイル・ラワーシダ、アスアド・ティルハミー】

イスラエルはマイク・ペンス米副大統領を「英雄として歓迎する」準備をした。ペンス副大統領は昨日(21日)、アンマンからテルアビブに到着した。アンマンでは、アブドゥッラー2世ヨルダン国王がペンス副大統領に対し、「エルサレムに関する米国のいかなる決定もイスラエル・パレスチナ紛争の包括的解決から逸脱してなされる」ことのないよう警告を発した。一方、ペンス副大統領は、米国がエルサレムを「イスラエルの首都」に認定したことに関して、自身とヨルダン国王は「意見を異にしていることを確認した」と述べた。この話題は、パレスチナ人がボイコットした今回の訪問に暗い影を落とした。

アブドゥッラー2世国王は、「ヨルダン及びこの地域に暮らす我々にとって、イスラエル・パレスチナ紛争は安定を脅かす主たる要因であると考えられている。そのため、米大統領が何十年も続くこの紛争の解決実現を早い段階で約束してくれたことを、我々は楽観的に受け止めていた」と強調した。同国王は、「エルサレムは地域における和平の鍵である」と述べるとともに、「今日、我々は、日に日に募る不満・挫折感を乗り越えなければならないという大きな課題を前にしている」と述べた。

アブドゥッラー2世国王は、「私は、今回の貴副大統領の訪問は、(米国の失った)信頼の回復と(米国の)コミットメントの再構築を目的としたものであると確信している。そしてそれは、東エルサレムを独立したパレスチナ国家の首都とし、1967年6月4日の境界線に基づく二国家解決案の推進方法に関するだけでなく、国際法と和平イニシアティブに基づき、我々が、安全を保障され(国家として)承認を受けたイスラエルと共存するためのものであると認識している」と述べた。続けて、同国王は、「我々は課題を理解している。そして、米国がこの困難な状況下で進むべき正しい道を見出すことを期待している」と述べ、これを実現する機会はあると指摘した。また、同国王は、「国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)」が果たしている役割に触れ、同機関に対する必要な支援の供給を保証することを呼びかけた。

ペンス米副大統領は、立場の相違はあるものの、ドナルド・トランプ大統領は公正な方法で紛争解決の試みを継続することを真剣に考えていることを伝えた。また、同副大統領は、この地域においてヨルダンの発言ほど信用できる発言はないと述べた。同時に、米国はヨルダンの繁栄と安定にコミットしており、地域及び世界におけるヨルダンの主要な役割を評価して同国を支援するとした5年間の了解覚書の満了に向けた取組は継続中であると指摘した。ペンス米副大統領は、「米国がこの数日間で明らかにしたように、我々はシリアに対してもプレゼンスを維持し、関与を継続する。これは、ダーイシュを倒すためだけでなく、イランの負の影響や、(地域の)安定をさらに揺るがそうとする他の地域諸国の試みを牽制するためでもある」と述べた。

ペンス副大統領はヨルダン国王に対し、「友人として、私は和平プロセスに関する貴国の見解を改めて聞きたいと思っている」と述べ、「トランプ大統領は、エルサレムをイスラエルの首都に認定するという歴史的決定を下した。しかし、大統領はその決定において、ヨルダンの役割および貴国がエルサレムの聖地を守護していることを尊重し続けると我々が誓っていることを明らかにした。また、我々が国境や最終的地位に関して特定の立場をとっておらず、これらのことは交渉に委ねられることも明らかにした」と述べた。続けて、同副大統領は、「米国は両当事者の合意に則し、二国家解決案にコミットし続けている。我々は、ヨルダンが地域の平和を支える環境醸成において中心的役割を果たす限り、和平プロセスの再開にコミットする」と述べた。

ペンス副大統領は、ヨルダンを出国してイスラエルに向かい、3日間の訪問のスタートを切った。同副大統領はこの間にクネセトで演説を行い、ルーベン・リブリン大統領と会談を行うほか、エルサレムの嘆きの壁やホロコーストの犠牲者記念碑を訪れる。

ペンス副大統領を迎えるにあたり、イスラエルは同副大統領および米政権内の複数の「タカ派」が、エルサレムの「イスラエル首都」認定に向けて動いたことを賞賛した。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、毎週の定例閣議において、「日曜の夜、イスラエルの親友、誠の友が到着する。…我々は、イランの敵対姿勢と同国の核計画を牽制するためのトランプ政権の取組について協議する。当然、地域の安全保障と平和の推進についても話し合う」と述べた。続けて、ネタニヤフ首相は、「これらの目標実現に向けて実際に尽力している人々は皆、米国のリーダーシップに代わるものはないことを認識している」と述べた。同首相は、クネセトでのペンス副大統領の演説をボイコットしたアラブ人議員の思惑について、「恥ずかしいことである…我々全員その場に集い、ペンス副大統領に相応しい多大な敬意を払う」と述べた。

イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防相は、マフムード・アッバース大統領がペンス副大統領の訪問を受け入れないと決定したことについて、同大統領を激しく攻撃した。リーベルマン国防相はヘブライ語放送にて、「アブー・マーズィン(注:アッバース大統領のこと)とともに紛争解決に到達できる可能性を全く見いだせない。これは、私が長年抱いてきた立場だ。彼はイスラエルとのいかなる恒久的解決にも関心がない。いつも違う口実を使っては、真の交渉から逃げる」と述べた。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:44208)