スィノプに凶報―トルコ・日本協力原発計画始動
2018年01月26日付 Cumhuriyet 紙


トルコで2つ目となる原子力発電所の建設計画が始動した。200億ドルの費用が見込まれているこの原子力発電所だが、環境影響評価は既に始まっており、インジェブルン市の森林地帯に建設が予定されている。

スィノプ県インジェブルン市民の反対にも関わらず、原子力発電所建設に向けて、スィノプ県環境・都市計画局に先日申請がなされた。一連の環境影響評価はその前から始まった。原子力発電所は森林地帯に建設される計画だ。環境影響評価の結果報告は住民を交えて開かれる会合内で2018年2月6日に行われる。

この発電所は、メルスィン県アックユ市に建設された第一原子力発電所に続き、トルコで2番目の原子力発電所となる。電力法人により設置されたトルコ発電公社国際商業会議所が、12月27日に関係省庁へ申請を行った。申請書類には、日本・トルコの間に2013年5月3日に調印された協定が実現すること、そしてこの発電所が4560メガワットの発電量を保有することが記されている。また書類には、発電所の目的に関係した「エネルギー生産の効率性の向上」及び、国内のエネルギー需要の維持が両立する形で建設されることが述べられた。

■60年200億ドル

資料によると、建設プロジェクトが行われるスィノプ県アバル村はインジェブルン市において約1.010.4ヘクタールの「国有林」とされている。この予定地のうち約102.5ヘクタールが発電所のために利用される。ここには4つの原子炉が建設される予定で、発電所は原子炉、タービン、補助機関などを含めた4つの原子炉で構成されることになる。

掘削作業開始は2019年を、一基目の運転開始は2025年を予定している。資料では、建設される全ての原子炉の使用年数は、運転開始から60年とされた。資料によると発電所の現在の価格は200億米ドル(740トルコリラ)である。

■野生動物に影響か

申請書類には、「発電所建設予定地とその半径30キロメートル以内に位置する『ハムシロス国立公園』『サルクム自然保護区』『アクサズ・カラギョル湿地』『ボズブルン野生動物保護区』において生態系調査が行われる。これらの保護区や関連地域の生態学的な重要性及び、発電所の法令遵守に関する詳細な情報は、環境影響評価の報告書に掲載」とされた。建設予定地からハムシロス国立公園は3.1キロメートルの距離にある。建設予定地の東側はボズブルン野生動物保護区と接している。

■洪水と津波

資料では、自然災害については環境影響評価においでより詳細に評価がなされるが、この資料にも基本的な情報が掲載されているものとした。津波と洪水に関しては、「津波と洪水の調査は2010年に中東工科大学が行なった。洪水に関する分析の結果、発電所建設予定地は、大洪水時でも被害を受けないとみられている。シュミレーションの結果、スィノプ県における津波の最大の影響は、津波により発生する海底地すべりである」と述べられている。

発電所の建設過程においては、危険物質を含めた廃棄物の発生が予想されるが、これらについては環境影響評価報告書において報告される。

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( 翻訳者:章 由実 )
( 記事ID:44259 )