オランダとの外交亀裂深刻ー大使召還
2018年02月05日付 Hurriyet 紙


昨年3月にサヤン・カヤ家族社会政策相がロッテルダム総領事館への入館許可を与えられなかったことを受けてオランダとトルコの間で外交亀裂が生じ、その後始まった正常化会談では進展がなかった。オランダは、同相への謝罪という前提条件を受け入れず、大使を正式に召還しトルコ大使を受け入れないと発表した。

オランダは、昨年に在ロッテルダム・トルコ総領事館への入館許可を得られなかったファトマ・ベチュル・サヤン・カヤ家族社会政策相への謝罪を受け入れず、 両国関係の正常化に向けて進められていた交渉は中断された。オランダは対応のレベルを1つ上げ、実際にすでにトルコから引き払っていた大使を正式に召喚したと発表した。オランダ政府は、トルコ大使の職務開始を許可しないと明らかにした。

■問題解決への努力

入手した情報によれば、過日オランダ側の主導で正常化会談が始まった。しかしアンカラは、正常化のためにカヤ大臣への謝罪を再度要求した。最終的に両国の外相は、NATO外相会議という形で、ブリュッセルで会談した。その後外交的折衝は続いたものの、オランダ側はトルコ側からの謝罪という条件に応じなかったため交渉は中断された。外交筋は、「家族社会政策相に対するオランダの態度が外交的慣習にふさわしくなかったため、我々はそれを補うような措置を講じるよう求めた。彼らがこの措置を講じなかったため正常化プロセスは継続できなかった」と述べた。

■「合意に至れなかった」

オランダのハルベ・ゼイルストラ外相は2月4日、「ここのところ行われた会談はオランダとトルコがお互いに歩み寄るためのチャンスであったが、正常化プロセスを どのように進めるべきかということに関して合意に至れなかった」と述べ、「このためオランダ閣議は、2017年3月以降トルコへの入国ができなくなった在アンカラ オランダ大使を正式に呼び戻すことを決めた。トルコにオランダ大使が不在の間、オランダは新たなトルコ大使の職務開始を許可しない」と発表した。オランダ関係者は、交渉では「互いの妥協点を見つけられなかった」と話した。

■外務報道官「トルコは準備ができている」

ベキル・ボズダー政府報道官は、閣議後に当件に言及して、オランダとの外交関係が断たれたとし、「両国が早くこの問題を乗り越えるよう願う」と述べた。外務報道官ハーミ・アクソイは次のように述べた。「オランダ大使の職務復帰が望まれていないとオランダ各位に伝えられた。あの日以降我が国には来ていない。オランダ側が正常化の過程で必要な具体的な措置を講じた場合、トルコは両国間の関係を見直す準備はできている。」

■亀裂はロッテルダムで生じた

オランダは、昨年4月にトルコで実施された国民投票の前にオランダ在住のトルコ国民と一堂に会して演説を予定していたメヴリュト・チャヴシュオール外相の飛行機の着陸許可を拒否し、ドイツから陸路で入国したカヤ大臣のトルコ領事館への入館も許可しなかった。カヤ大臣はドイツへ戻ることを余儀なくされた。両国の大使は互いに本国に呼び戻され、任務地に再渡航することはなかった。

アンカラは、カヤ大臣になされた対応が外交的慣習にそぐわないと主張している。オランダ外務省によれば、カヤ大臣の追放という判断は、外交的特権を規定するウィーン協定に抵触していない。オランダ政府によると、国際法は特別な地位を、国家元首・首相・外務大臣・オランダに認められた外交官にのみ与えており、したがってカヤ大臣は国際法に則って特別な地位を有していないと主張している。

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:44317 )