大統領府よりエルドアンのヴァチカン訪問、総括
2018年02月10日付 Milliyet 紙


イブラヒム・カルン大統領府報道官は、「ヴァチカンがエルサレム問題について表明した明確且つ確定的態度は、ムスリム世界において肯定的に受け入れられるとともに、ムスリムと正教徒を互いに歩み寄らせた。ムスリムやキリスト教徒、ユダヤ教徒、その他の宗教の信徒、そしていかなる信仰も持たない人々が人種主義や排外主義、そして差別に対して力を合わせなければならない」と述べた。

イブラヒム・カルン大統領府報道官は、「ヴァチカンがエルサレム問題に関して示した明確且つ確定的な態度は、ムスリム世界において肯定的に受け入れられるとともに、ムスリムと正教徒らを互いに歩み寄らせた」と発表した。

カルン大統領府報道官は、デイリー・サバフ紙において「エルドアン大統領のヴァチカン訪問は、世界平和への希望を強めることになった」という見出しで記事を執筆した。レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領のヴァチカン訪問は、59年振りの公式訪問として実現したと述べたカルン大統領府報道官は、さらに以下のように続けた。

「今回の訪問は、国連総会のエルサレム問題に関する決定の後に行われ、トルコ・ヴァチカン関係における重要な1ページとなった。フランシスコ教皇は2014年にトルコを訪れ、大統領府に初めて招待された外国人指導者となった。2人の指導者は、エルサレム問題やムスリム・カトリック関係、シリア危機、難民問題、テロ、排外主義そしてイスラム嫌悪を始めとする多くの問題で議論した。」

フランシスコ教皇が就任以降、熱心且つオープンな関係、寛容な考え、そして誠実な指導者として歩んできたとして彼のプロフィールを紹介したカルン大統領府報道官は、以下のように今回のヴァチカン訪問を評価した。

「ヴァチカンがエルサレム問題に関して示した明確且つ確定的な態度は、ムスリム世界において肯定的に受け入れられるとともに、ムスリムと正教徒らを互いに歩み寄らせた。そもそもこの状況は驚くべきことではない。なぜなら、エルサレムは正教徒にとっても聖地であり、アメリカとイスラエルの一方的な決定を受け入れることなど不可能だからだ。特にアラブやムスリム諸国で暮らすムスリムやキリスト教徒の観点から見れば、イスラエルによるエルサレム占領は聖地問題の根幹部分にあたる。この観点から、アメリカ主導のエルサレムに関する決定は問題の一部分に過ぎない。移住者の増加やムスリム、キリスト教徒に対する立ち退きや抑圧といった動き、そしてパレスチナ難民の帰還を阻害することは、中東における永続的且つ公正な平和に向けた努力に悪影響を及ぼしている。」

カルン大統領府報道官は、フランシスコ教皇の包含的メッセージが人種主義や極右運動を高める理由に甚大な影響となると述べ、エルドアン大統領の訪問が平和や安全保障、そして友好に向けて互いに努力することを求める表明となったと述べた。

「平和的なムスリム・コミュニティに対して政治的且つ物理的な攻撃を行うことが『新たな標準仕様』として示されることは、ムスリムや非ムスリムの観点から問題を含んでいる。欧州では、反ユダヤ主義がまさにこうした形でナチズムや大量虐殺へと進展した。教皇は、人種主義やイスラム嫌悪には新たな種類を否定する道徳的且つ政治的責任があると示した。このことを全ムスリムは歓迎すべきだ。同じように、ムスリムの指導者らも自身の国で暮らすキリスト教徒を攻撃から守らなければならない。トルコは、キリスト教徒やユダヤ教徒のコミュニティや権利、そして財産を守るため、一連の施策を打つことでこれを強める努力をしている。つまり、ムスリムやキリスト教徒、ユダヤ教徒、その他宗教を信仰する人々、そしていかなる信仰も持たない人々が、人種主義や排外主義、そして差別に対して共に力をあわせる必要があるのだ。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:44344 )